クローズアップ現代で
吉野弘さんの特集をやっていた。
今、静かなブームなのだそうだ。

あ~
私、詩集持っていたな~と思って
久しぶりに持ち出した。


「祝婚歌」

10年ぐらい前
ラジオで聞いて、いいな~って思った。


だけど、
なんといっても

「夕焼け」

小学生の頃、教科書に出てて
すごく、心がジワ~ッってなったことを覚えている。

今、読んでも、ジワ~ッとくるものがある。

その「娘」に自分を投影する部分もすごくあるし
それを、こんなにも暖かい目で見ている視点があるっていうか
そういうところにもジワ~ッてくる。


クローズアップ現代で


私の大好きな山田太一さん(脚本家)が、コメントしていた。

人間の弱さや不完全さへの優しいまなざしが魅力だというようなこと。



私の結構好きな是枝監督も、コメントしていた。
(「誰も知らない」「そして父になる」とかの映画監督)

自分の力で努力して克服していくという成長神話に人は疲れているから、吉野弘さんの世界観、あきらめとは違うやさしさが求められている

空虚感、孤独感が決してダメなものではなく
そういうものを感じるからこそ
そこに他者が入ってきて寄り添って埋めてくれる隙間があり、その方が
人間としての可能性が広がっていくんだ


というようなこと。


二人とも、自分の脚本や映画に、吉野弘さんの詩を使っているらしい。


あ~私の好み、好きな世界観みたいなの、結局、共通しているんだな…って思った。


吉野弘さんは、21歳で詩人になることを決意したときに書いたものに、
こんな一文があるそうだ。

善悪のいずれか一方に、その人を押し込めないことです



そうそう

善悪がはっきりしているの、あんまり好きじゃない。

人のいろいろな面を描いているのが好き。
いい部分も悪い部分も。
いろいろな見方をしているのが好き。

ヒーローと悪者がはっきりしているの、あんまり好きじゃない。

だから、山田太一さんのドラマや、是枝監督の映画が好き。


そういうことだったんだ。

あらためて思った。

また、ここに行きついた。

そんな感じ。