💕いのやま70
妄想小説・闇愛-yamilove-
第70話【二人の風呂】
♠︎伊野尾side♠︎

山田「‥‥‥‥‥本当はさっき会議室で、アイツに襲われたんだ」
伊野尾「‥‥‥‥‥‥何っっ?!?!」

伊野尾「どうりで帰ってくるのが遅かったワケだ!なんですぐ言わなかったんだ」
山田「だって今日、いのちゃん家に泊まりに行くから、アイツのことなんか忘れようって思って‥‥‥。でも結局思い出しちゃうから、もういのちゃんに話そうと思って」
伊野尾「でっ?!山田、何されたんだ?!‥‥‥キ、キスとかか?!」

山田「手首つかまれて、テーブルで俺の上に乗られたけど、それだけ。キスされそうになったけど、俺が頭つきして、なんとか逃げれた」
伊野尾「クソ‥‥‥しつこく山田に襲いかかるなんて」
山田「課長たちが来たから助かったんだけど、そのときに気になることがあって‥‥。デザイン開発部の岡本部長が、俺に何か言いかけたんだけど『sorry』って」


『sorry』‥‥‥?

伊野尾「ん?なんで謝るんだ?」
山田「俺を引き止めたことに対して言ったんじゃない気がしてならないんだ」

山田「‥‥‥たぶんだけど‥‥‥岡本部長は、アイツの裏の顔を知ってるんじゃないかなって思うんだけど‥‥‥どう思う?」

伊野尾「岡本部長がか‥‥。まぁ、課長たちでよく会議もやってるし‥‥なんらかのキッカケで知ることになってもおかしくないかもな」
山田「まぁ、あくまで俺の願いなんだけどね」


俺と山田はごはんを食べながら、お互いの推測を話し合った。


――――――


伊野尾「‥‥‥ふぅ‥‥‥」

ごはんを食べた後、風呂に浸かり、ふとタメ息をつく。
山田が先に風呂に入ればいいと思って「山田、風呂先に入れよ。俺食器洗ってるから」と言ったのに、山田が執拗に「あとがいいー。俺、客だからあとのほうがゆっくりできるし」と言い、押されて先に入らせてもらった。


‥‥‥‥‥‥ちょっと待て。そういや俺らつきあいだして結構経つけど、なんかフツーに泊まりあって‥‥‥なんかいいな、コレ。
‥‥‥そりゃ俺だって、好きだなと思う山田が隣でスースー寝てたら、自分が男だからか、なんか衝動的になりそうになるけど、でももともと俺はそんな肉食系でもないからか、なんだかんだで一線は越えずにつきあえてて、俺はコレで満足している。


伊野尾「‥‥‥(パシャパシャ)」

顔に湯をつけてふと顔を上げると、浴室のドアから透けて、山田が立っている。

伊野尾「‥‥‥?山田?どうした?なんか話したいことでもあったかー?」


山田の影がゆらゆら動いて、黙ったままだ。
山田「――――――‥‥‥‥」

伊野尾「?やま‥‥‥」




ガチャ




風呂場のドアが開き、裸でタオルを腰に巻いた山田が入ってくる。
‥‥‥って、えぇえぇぇえぇぇぇ?!?!


伊野尾「えっ?!山田っっ?!?!」


山田「いのちゃん‥‥‥‥‥‥いっしょに風呂入ろうぜ♡」



えっ?!何っ?!


伊野尾「ななななんでっ‥‥‥」
山田「そんなに照れること無ぇだろー。同じ男の体なんだし」
伊野尾「ちちち違っ‥‥‥裸見られるの恥ずかしいわボケッ!!」
山田「いのちゃん家の風呂広いから、二人ぐらい入れるだろ。男二人だから狭いかもだけど」


山田といっしょに風呂?!?!
‥‥‥え゛――――~~!!照れるわボケッ!!

俺は先に上がろうと思うけど、今上がったら確実に裸を見られるな‥‥‥。
伊野尾「‥‥‥‥‥‥」


チラと山田を見る。
顔に似合わず?筋肉質で、しっかりした体型だな‥‥。
山田は頭からワシャワシャと洗って、顔と体と洗っていった。
チラとたまに見たけど、どの一瞬をとっても山田はカッコイイヤツだなと思う。


山田「よいしょっと」


山田がザパンと入ってくる。
向かいあって足を伸ばしていたけど、ギリギリというカンジだった。
湯で体のラインはボヤけるとはいえ、お互い見えている。

伊野尾「‥‥‥せ、狭いだろ」
山田「ハハ。さすがにいのちゃん家の風呂でも狭いか。それにしてもいのちゃん細くてうらやましいよ。‥‥‥この胸のあたりとか‥‥‥」


なんと、山田がそっとこっちに来て、俺の胸のあたりを撫でた。


伊野尾「‥‥‥っ‥‥‥」
山田「‥‥‥え、いのちゃん‥‥色っぽい顔‥‥」
伊野尾「あ、あいや//」
山田「えっ、乳首って撫でるとちょっと感じるのか?‥‥‥どれどれ」

山田が自分で自分の乳首を撫でた。

山田「ん〜~。自分で触ってもなんともないな」
伊野尾「‥‥‥‥‥‥」


その山田のしぐさが、ふと、かわいらしいというか、自分で触ってみるというのが、なんか一生懸命でいじらしい。


ドクン


胸の奥で、少しだけ、山田の反応を見てみたいという衝動が沸き起こった。



伊野尾「――――――‥‥‥‥こうするんだよ」


山田の乳首‥‥‥胸もとを、さっき山田が俺を撫でたように撫でてみた。


山田「‥‥‥人に触られると、予想がつかないからかくすぐってーな」
伊野尾「――――‥‥‥‥」


山田「フフ‥‥‥ふぁっ」


俺は、少しだけ山田にイジワルをした。
山田の乳首をつまんで撫でまわしたのだ。



山田「‥‥‥いのちゃん‥‥‥」
伊野尾「イジワルして悪いな」

すぐにやめて手を離す。

山田「――――――‥‥‥‥」


ん?


山田が少し下を向いて黙った。
うげっ!?昔されたことを思い出させたのかっ?!

伊野尾「わ、悪い‥‥‥」


山田「――――――‥‥‥‥いのちゃん‥‥の指づかい、なめらかでなんかいい」

山田は俺の手をつかみ、自分の唇に、俺の手をやる。
俺の親指が、山田の唇に触れた。


山田「ちょっとだけ、舌を触って?」


山田が口を小さく開けて、山田に言われるがままに、俺は人差し指と中指を山田の舌にちょんと置いた。
少しだけ指を動かした後山田の口から指を出すと、唾液が少し糸をひいた。
山田の目がさっきと違って、うつろになっている。

山田が俺を、そのままの目で見つめる。


ドキンドキン


俺の胸の奥のあたりで熱いものが、炎のようにゆらめくのを感じた。

も、もし‥‥‥もしも、このまま止まらなくなったら‥‥‥?

止まらなくなりそうで、怖い。



伊野尾「――――~~っ‥‥‥」
山田「いのちゃん‥‥‥‥‥」


伊野尾「お、終わりだっ!!熱いしあがるぞっ」

ザパンと出て、そのまま早々と着替える。


バタバタバタ‥‥‥(伊野尾が早々と着替える音)



山田「‥‥‥‥‥‥‥‥‥こんなんじゃ足りねぇよ‥‥‥‥‥‥‥‥‥」





第71話へつづく