母と兄は仲良しだった
兄も特別扱いされるのは
当然だと思っていた
傲慢だった
妹達を見下していた
兄はそこでしか生きられなかった
社会人として一人前には
なれなかった
何か失敗すると挫けて
帰ってきて
母が慰めた
私はそんなことでは
兄が駄目になってしまうと
意見したが かえって
恨まれた
あんたは何でもないんだから
早く家を出て行けと言われた
だけど私だって
何でもなくはなかった
相当傷ついていた
家を出ることはできなかった
私が支えるんだと
強情に思っていた
が
それは分かってもらえなかった