走れないメロス④ | (旧)薄口コラム

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進撃の巨人の一話で、エレンが泣いたのは何故なのか?
SONYが復活するためにはどういう戦略が必要か?
身近な時事ネタやビジネスなど、さまざまな事に斜めに構えて考察します!

つづき


六章 結婚式翌日



ナレーション  そして翌日。最後の夜ということもあり、思い残しがないようにと存分に騒いだ

メロスは、日が昇るころ、まだ夢の中にいた。

メロコ     (心配そうな顔でメロスをゆすりながら)「お兄ちゃん、起きて。ねぇ、お兄ちゃ

んってば」

メロス     (眠たそうに)「んん?まだ大丈夫だろ…」

        (目をこすりながら時間を見るためにスマホに手を伸ばす。そしてそこには王様

からのメッセージが。[←スライドで]そこには「間に合うの?」というコメント

が)

(現実に戻り顔が青ざめた様子で)「やばい!」

      (あせって飛び出す)(財布忘れる)

メロコ     (焦るメロスの袖を引っ張って)「待ってお兄ちゃん!」

        (無垢な笑顔を浮かべてレッドブルを両手で手渡し。)

メロス     (車を飛ばす。スライドでマック登場。お腹をさあすり空腹の仕草。マックにイ

ンするスライド。注文のところになって)「やべっ、財布家や…」

       (とぼとぼ歩くしぐさ。同時にスライドで駐禁の張られた車の絵。)

       (舌打ちしながらぼそりと)「ふざけんなよ…」

(事情を妹に伝えようとケータイを取り出すと電池切れ。メロス肩を落とす。)「は

あ…」

ナレーション   悪いことは重なるもので、メロスは車もお金もない。おまけに連絡もつかない

状態になってしまいました。一方その頃、そんな事になっているとはつゆ知らず

王宮では、ひとりセリヌンティウスが途方に暮れていた。

王様      (高笑いしながらセリヌンティウスをいじめるように)「ついに連絡も取れんくな

ったな。結婚式をみて命でも惜しくなったんだろ。いろいろ啖呵を切って見せた

が、お前の友達も結局この程度だ」

セリヌンティ  (悔しそうに唇をかみしめる)





七章 おわり



メロス   (何もできないで途方にくれながら)「どうしよう?ホンマ時間無くなってきた。」

      「このままじゃアイツ殺されてまう…。何とかせんと」

ナレーションとにかく王宮につかなければと考えたメロスは王宮まで行くためにヒッチハイクをは

じめました。しかし止まってくれる車などあるはずもなく時間は残酷に過ぎて行きま

した。しばらくすると、何時間も車の前でヒッチハイクをするメロスを不審に思う警

察官が一人、メロスに声をかけてきました。

警察官   (毅然とした態度で)「すみませんが身分を証明するモノを見せてもらえませんか?」

メロス   (何も持っていないため焦る。緊張しながら「えっと、あの…。今はちょっと何も持

っていなくて…。あの、ちょっと急いでるんで…。いやっ」、怪しいものじゃないん

で。」

警察官   (訝しげな表情で「あんたねぇ、怪しくないなら取りあえず一度車の中きてもらって

話聞かせてもらえる?」

メロス   (焦りながら両手で警察官をなだめながら)「ほんまに急いでるんです。ちょっと勘弁

して下さい。」

警察官   (あきれてメロスを強引にパトカーに連れて行こうとする)

メロス   (振りっ切って逃げながら一言)「ホンマごめんなさい。友達死んじゃうんで!」

警察官   「あちょっと君、待ちなさい」

ナレーション警察を何とか振り切ったメロスですが、朝からの不幸の連続に昨日の酒から来る頭痛

も重なり、すっかりふてくされてっしまいました。

(スライドが変わってどっかの道端)

メロス   (板を向いてぶつぶつ言いながら)「まったくふざけんなよっ」

     (ぶつくさいいながら、歩いていたら半ギレ状態で石につまづく。

「あぁっ!ムカつく」(いよいよキレて近くにあった缶を蹴飛ばす。缶は車にぶつかる

[スライド演出]ぶつけられた車から運転手が降りてくる)

ヤンキー女 (肩を揺らしながらメロスに近づいて「お前ふざけんじゃねぇよ!」

(メロスの顔を見たら思い出したように)「お前昨日のっ」

     (一方的にキレまくる←ここはアドリブでお願いします)

メロス  (初めはうつむいて謝りながら文句を聞く)「すみません。」「すみません。」

(しかし徐々にキレ始めて)「うっせーよ!文句垂れたいのはこっちのほうじゃ!」

(逆切れして、今までの経緯を話す。ひとしきり言い切った後に)「もうええわ。いくのやめたる。やってられへんし、アホらしい。」

ヤンキー女 (逆切れするメロスを面白がってスマホで撮影。ツイッターアップ[へタレ。ギブアップなう。])

ナレーション悪いことが重なってすっかりへそを曲げてしまったメロス。ヤンキーの投降した一枚

      写真により、メロスの現状は王宮にも伝わることとなりました。

(スライド王宮&ツイッターの画像「ふてくされたメロス」)

王様    (満面の意地悪な顔でほくそ笑みながら)「ほうら、あいつはだめだったろう?やはり人なんか信じてはいけないのだ。怨むならお前の親友を怨めよ」

セリヌンティ(驚きの表情で)「まじでか!?ハッピーエンドで終わるんじゃないんや…」


おわり



終わり