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進撃の巨人の一話で、エレンが泣いたのは何故なのか?
SONYが復活するためにはどういう戦略が必要か?
身近な時事ネタやビジネスなど、さまざまな事に斜めに構えて考察します!

最近読んだ(おすすめの)本のレビューです。
再会/新潮社
¥1,575
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重松清さん作、子供の頃のちょっとした苦い思い出をつづった小説。
僕のおすすめはこの中の「チャーリー」というお話です。
小学校何年生だろうか・・・。幼いころは積極的であること、あきらめずに努力することで褒められていたのに、ふとした時から過程でなく結果が評価の対象になる。
「チャーリー」は、そんな変化に戸惑う普通の男の子が主人公のお話です。
いつしかなくなっていた「努力賞」。
間違えても手を挙げることが褒められた算数の時間。
ずっと自分は凄いんだと思い込んでいたのに実はそうでないのかもしれない、、、
誰もが感じたあのちょっとした喪失感がやさしく描かれた作品です。

2ZOO 1 (集英社文庫)/集英社
¥480
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もはやジャンルがわからないこの小説。

ごりごりのホラーが来たと思ったら次のページにはSF肌の人間愛が描かれる。

もちろんデビュー作「夏と花火と私の死体」からの天才的な情景描写は健在です。

おすすめは「ひだまりの詩」。

たった2人だけの登場人物が描く人間愛の物語です。

言葉で形容するのが難しいくらい、全編を通して透明感が漂う作品です。

びっくりするくらいきれいな言葉選びで描かれた「死」は、ほかの作品では味わえない良さだと思います。



3.夜の来訪者 (岩波文庫)/岩波書店

¥588
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友人に勧められて読んだ小説です。

多くの人が物語の構成について評価していたので、僕はちょっとだけ違った角度から。

僕がこの小説でオススメしたいポイントは、「貴族階級の自己肯定心」が如実に描かれている点です。

主人公たちは貴族の一家です。

ある夜、娘のシェイラと同じく富裕層の男ジェラルドの婚約祝いの宴を開いていたところに、警察官を名乗る謎の男が現れます。

その男の尋問によって、そこにいる人々が一人の女性を死に追いやったという事実が暴かれていきます。

尋問が進むにつれ初めは傲慢な態度をとっていた一家の人間は徐々に血の気を失い一度は深い反省の念に駆られます。

しかし男が帰ったあと、様々な理屈をつけ、男の主張が根も葉もないものであったと自分たちの非を肯定かしていきます。

この、「反省しない富裕層」の描写が、大変印象的であったため、一冊にえらびました。


4.自分のアタマで考えよう/ダイヤモンド社
¥1,470
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人気ブロガー「ちきりん」の思考法の本。

非常にわかりやすく物事を洞察する方法が描かれています。

この本の最大のポイントは具体例が多用されていること。

従来の思考術の本はでは抽象的な解説がおおかったのですが、本書では、身近なデータを使った思考法の実践方法が書かれています。

独自の切り口を養いたいという方にオススメの一冊です。

5.Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)/技術評論社
¥1,554
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こちらは発想術に関する本。

一見エバーノートの取り扱い方が書かれているように見えますが、実際には知識の集め方から発想の仕方まで言及した、かなり密度の濃いないようになっています。

この本の優れた点は、単なる「発想術」に終わらず、その基となる知識の蓄え方まで書かれている点です。

「知的生産の技術」をはじめ、発想術の古典と言われる本は数多くありますが、ここまで情報量の多い本は他に見当たらないと思います。

発想術の入門編として是非オススメしたい一冊です。




6.ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房
¥998
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「お金とは本質的に何なのであろう?」

貨幣の本質的機能について、シェイクスピアの喜劇「ヴェニスの商人」を例にとり、独自の観点から書かれた文章です。

高校の教科書で貨幣の機能(価値尺度機能や価値保存機能など)を習うと、何となくわかった気がしてしまいますが、実はよく考えると奥の深い貨幣の仕組み。

これから経済学部で勉強する人とともに、一度経済学部で勉強し終えた人に勧めたい一冊です。


7.名文どろぼう (文春新書)/文藝春秋
¥767
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読売新聞で現在朝刊1面コラムを担当している竹内政明さんの本。

いつもコラムを読むたびに、その知識の幅に感動させられます。

本書は、そんな竹内さんが、自身の知識の引き出しを利用して引用だけで作り上げた一冊。

その知識の幅と引用の技術は、大学生でレポートをうまく書けるようになりたいと考えている人たちにおススメです。

もはや芸術の域ともいえる言葉遊びの妙を楽しみたい人もぜひ読んでみてください。

8.間抜けの構造 (新潮新書)/新潮社
¥714
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「間」抜け、映画の「間」、話しの「間」

ビートたけしさんがあらゆる分野の「間」をテーマに書き上げたこの一冊。

落語家の話の「間」から現在の人々の生活の「間」まで、さすが芸人という独自の視点から現在社会の問題点に切り込みます。

ビートたけしさんの天才的なまでの洞察力の鋭さが感じられる本です。

違う視点を知るのが好きな方にオススメの一冊。