被災地の写真洗浄ボランティアに先日参加してきました。
震災から早くも7ヶ月が経ち、首都圏ではほぼ震災前と変わらない
日常生活が送られていますが、仮設住宅への移住が進んだものの
まだまだ被災地では大変な状況が続いているようです。。
ただ、現在ボランティア活動もだいぶ制限されていて
実際現地で今募集しているのは週末のみがほとんど。
以前私が行った福島県いわき市のボランティアセンターも
現在は木曜日から土曜日までの受付となっており、他もたいてい
週末のみでの募集に変わっています。
それだけ少しずつ復興が進んでいるのかな?とも思うのですが、
主に週末仕事の私はなかなか現地に行けなくなってしまいました。
もちろん平日だからといっても気軽に行ける距離でもありません。
最短でも車で片道5時間以上
仕事との調整やいろいろ事前準備も必要だったりします。
もちろん必要経費だってそれなりにかかる。
そういう意味ではボランティア活動って仕事しながら、
自分の生活をしながら行うのはそんなに容易な事じゃないっていうのが
改めてわかります。もっと気軽に参加出来ることがあればいいのに・・・。
先日も、清水国明さんの「森と湖の楽園」
へボランティアの問い合わせをしてみましたが、こちらもやはり現在は震災直後と違い平日は被災地のお子さん達はおらず、週末2~3日のキャンプ的な形として来られているようです。なのでボランティアもやはり週末がメイン。
一応平日でも施設の事務作業など運営のお手伝いとしては参加できるようですが・・・。
できれば今はまだ直接的に何か少しでも被災地の方の役に立てることがしたい。
そう思っていたら、偶然見つけたのがこちら。
「被災地の写真洗浄ボランティア」というもの。
これは都内にあるとある施設内で、富士フィルムさんと
わわプロジェクトさんが主催となって行っているボランティア活動です。
今回の震災で大きかったのはやはり津波による被害。
そこには本当にたくさんの思い出の品もあったはずです。
中でも、写真やアルバム。
最近はデジカメでとって必要な写真のみをプリントアウトして
データカードで保存とかが一般的になってきていると思いますが、
昔は現像した写真を一枚一枚丁寧にアルバムに貼って保管したりしましたよね。
それと一緒に思い出の品とかも。
そうしたものも今回の津波はすべて流してしまいました。
もし、自分の手元に残っていても水没して写真が汚れたり痛んだり
してしまった方も多いと思います。
今回この写真洗浄ボランティアでは、現地から届いたたくさんの
そういった写真たちを一枚一枚丁寧に洗って、乾かし、少しでも復元して
新しいアルバムに作り変え、また被災地の皆さんの元へお返しするというものです。
もちろん、ここに届いた写真は誰が持ち主かわからない写真もいっぱい。
だから少しでも目印になるような形で、一冊ずつアルバムを作っていきます。
そもそも写真には種類があって、最近のものは結構水に強いそうですが以前の写真は
「銀写真」といわれているものが多く、
いわゆる銀を含む化学薬品を動物性のゼラチンに溶かして塗布したものだそうです。なので、このゼラチン質のところにバクテリアなどの微生物
が付着して、それらを食べてしまうことで画像が消えてしまったりします。
それが写真の中の一部分なのかその写真全体なのか、それはその写真一枚一枚違うので、まずは水で泥などの汚れを落とし、少しこすると画像が消えてしまうようなものは、状態をちょっとでも持たせる為にはできるだけ洗い落としてしまうのがベストなのですが、腐食がひどいとその写真全部が消えてしまうことにもなるので、そのままの状態で残すか洗ってしまうかなどの判断も問われるところです。
ここでは洗うと消えてしまいそうな写真を事前に判断してデジカメでとってその場でプリントアウトするということもしているのでもし消えてしまっても残るのは残るのですが、やっぱり洗いながら手の中で消えていく写真をみるとなんだか切なくなります。
それでも状態よく残るものもありますし、少しでも顔が映っているようなものは残しているので、その写真を今度はアルバムごとやバラの写真でもできる限り同じ人のものでまとまるように、一冊一冊新しいアルバムに入れ替えて、表紙もその中で一番本人が特定できそうな写真を選んで貼り、被災地へ送り返します。
作業内容としては、いくつかのチームに分かれて、リーダーや経験者さんの意見を参考にしながら作業していきます。
基本的にはアルバムごと水没してしまったものが多いので、
まずはアルバムから一枚一枚写真と取り出します。
でも写真を挟むとこのフィルムが写真に張り付いてしまっていたりするので、その場合は一枚ずつはさみ等でフィルムごと切っていきます。一枚ずつにばらけたら、今度はそのフィルムを丁寧に剥がしていきます。
この時、綺麗にフィルムが剥がれなさそうなものは、剥がすと写真の表面を傷つけてしまう可能性があるので、その場合はまずデジカメで写真を撮っておきます。
こうしておけば万が一の場合でもちょっと安心。
表面のフィムルを剥がしたら、洗浄用の水槽を3つ用意し、一枚ずつ水の中で洗っていきます。
この最初の洗浄でたいていの汚れをとります。アルバムに入っていてもほとんどの写真は裏表に泥などが付着しています。また泥と一緒にバクテリアなどの細菌類もついており、手袋やマスクは必須です。
手袋などをせずに洗うと、例えばちょっとした傷口などから細菌が入り破傷風になってしまったりするそうです。空気中で吸い込んでしまう可能性もあるのでマスクをします。
だからこの作業も全くリスクがないわけではありません。
でもちゃんと防護しておけば大丈夫。
写真をやさしく丁寧に一枚ずつ洗っていきます。
大方よごれが落ちたら、次の槽でもう一度洗い、
更にもう一度綺麗な水で洗います。なので、ここでの洗浄は計3回。
この作業の中で、写真の画像がもうなんだかわからないくらいに消えてしまった場合はお悔やみ箱という箱の中に入れさせてもらい、その現物は後に供養してもらうと思うのですが、事前にデジカメで撮った写真をプリントアウトしたものを今度は新しいアルバムに一緒に入れます。元のものよりは少しわかりづらくなってしまうかもしれませんが、少しでも復元して残しておきたいという配慮ですね。
綺麗に洗った写真は、状態よく残ったものも、大半が消えてしまったものも、一枚ずつ丁寧に干して今度は乾かしていきます。
その後は、すでに乾いた写真をアルバムにする作業です。
アルバムごとにまとまっているもの、ばらばらになっているもの、それぞれ表紙にちょっとでも見つけるときの判断になるような目印(アルバムの内容や特定の判断になりそうな写真)をつけて、一枚ずつ今度は新しいアルバムに入れていきます。
これが一通りの作業。
私は午後の部で参加したので、作業時間は4時間。
私が作れたアルバムは計6冊。
中には場所や内容が特定できるものもあったりするので、被災者の方の元へ戻る確立が高いものもあるのですが、個人的なものが戻る確立は正直どのくらいなのかわかりません…。
聞いた話だと例えば公民館のようなところで探せるようになってるそうなのですが、そこから見つけるのって本当に大変だと思います。
それでも一人でも多くの方の元へ思い出が戻ってくれたらと願いながら作業していました。
チーム内でうまく流れを作って、みんなで協力していくことで新しいアルバムに生まれ変わります。その時に他では何かボランティアをしたことがあるか等お話ししたりもしたので、コミュニケーションの場所にもなります。
私がいたチームは7名で大学生と社会人が半々ずつ。
いろんなボランティアに参加している人もいれば、今回初めてボランティア活動をする人もいます。
きっと探せば現地へ行けなくてもいろんな形のやり方がまだまだあるはず。
ボランティアは強要するものでもないし、できる人ができる範囲でやればいいと
思いますが、でも誰かがやらなくちゃいけない。
もし時間や余裕のある人は一度でも参加してみると自分の経験や勉強にもなると思うので何かできそうなこと見つけたらまずやってみるのがお勧めです。
ちなみに下記のサイトに写真が水没してしまった場合の対処法などが載ってますので、必要な方はご参考になさってみてください。
写真の対処法 また、この写真洗浄ボランティアは今月23日までです。
週末は比較的埋まっているようですが、平日はまだまだ空きがあります。簡単な登録で、参加できますのでご興味ある方はご覧ください。
写真洗浄ボランティア詳細 3331スタッフブログ首都圏の私たち自身もまだまだいろんな不安はぬぐえませんが
少しずつでも前に進まなくちゃいけないし
、いつも心の片隅でも
東北の人たちの事を心に留めておきたいなって思っています。
本当の復興には本当にまだまだ長い長い時間が必要です。
平行して、いろんなことを知っていくこともとても大切だと思っています。
聞いて、見て、感じて、何が自分に出来るか考えていきましょう