今日は新入社員がきたときのC代のお話です。
うちの会社は4月の新卒入社はもちろんのこと、中途採用も年に何度か行います。
「新しい人が来る」となると、彼女たちは大騒ぎ。
私は人事課に勤務しているので、一番最初に質問攻撃を受けることになる。
「この前さぁ、求人の募集かけていたみたいだけど、もう決まったの?」
どっからそんな情報を得ているのか。本当に怖い
決まったと答えると、まずは男性か女性かと聞かれる。
男性と答えると、「何歳?独身?外見は?」などの質問へうつる。
女性と答えると、「何歳?かわいいの?」などの質問へとうつる。
男性新入社員はもしかしたら、今度こそ運命の王子様かもしれない・・・と思っているのだろう。
女性新入社員だと、ライバルが増えたりしないかなどの心配をしているのだろう。
これ以上、かわいい若い子が増えたりしたら厄介らしい。
そんな中、C代の部署に男性新入社員が来ることになった。
彼はC代と同じ歳で、独身。
もうすでに一週間前に入社はしており、現場研修を終えてC代の課に配属が決まった。
C代がすぐさまに私のところに飛んできた。
「履歴書見せて。」
見せることなんて出来ない
私が管理していないから無理だと答えると、がっかりして戻っていった。
それ以上のことを聞いてこないということは、彼の年齢と独身かは確認済みなのであろう。
履歴書を見たがったのは、彼の写真を見たかったご様子。
給湯室でC代が話しているのを聞いてしまった。
「今月の占いに”運命の出会いがあるかも”って書いてあったの!
でもさぁ、この歳で結婚してないってことはアキバ系かもしれないし~。
期待しなーい。」
アキバ系って・・・
彼とあなたは同じ歳でしょ
あなたも結婚してないけど
じゃああなたは何者なの
明らかに期待しているでしょ
と突っ込みを入れたかったが、もちろん言えない
前日に彼のデスクがC代の隣に準備された。
軍手をした男性社員たちが新しいデスクを運んできていたが、C代に手伝う気配はいっさいなく、イスに深く腰を掛け、自分の席に座っていた。
先輩男性社員が雑巾がけを始めても、手伝わない。
さすがである。
でも、いつもになく目が輝いているように見えた
新しいデスクが準備された後、C代は席を立ち、どこかに行った。
数分後、大量の文房具を資材課からもらってきて、新しいデスクの中に整頓しながら入れていた。
「おい、そんなことは明日教えながらやるから、準備しなくていいぞ。」
課長がC代の行動を見て注意した。
文房具ひとつでも資材課からもらうのに手続きがある。
新入社員にはその手順を教えながらまずは自分で必要なものを準備する。
持ってきてしまったので、この文房具は明日から彼のものになった。
次の日、アキバ系ではなかったが、残念ながらC代のタイプとはちょっと思えない男性だった。
席について、引き出しを開けた彼を見てC代が言った。
「きのう、忙しい中、それ全部私が用意したんだから。」
きのうの行動の目的がわかったような気がした。
気が利く女性だと思われたかったのかな・・
彼はC代の運命の王子様ではなかったようだ。
残念っ