この世界のどこかに 犬ならみな行くことのできる「犬の国」があります

生きている犬たちが自由に遊びに行ける国・・・ そして-

亡くなった犬たちがしあわせにくらしている国-

5年前-





「わ-っ 子犬がいっぱいいる-!!!」

ワンワン キュン

「マリ・・・じっくりえらびなさい」
「これからずっと一緒にくらすんだから」
「うんっ わ-んレトリバーもいいけど柴犬もかわいいな-〓」
「キャン」

とん★

「ん?」

ちょこん!

「アン!」
「わ〓かわいい・・・」
「さぁさぁ 子犬たちのおやつの時間で-す」

たたっ すたっ

「あ・・・」

ちょこん

「あれ?行かなくていいの?」
「アン!」


運命の出会いだった

この日以来毎日 一緒--





「行ってきま-す -っと」

ちょこん

「リリーったらかわいい-っっ でも学校にはつれてけないの」

きゅ~っ

「帰ったらさんぽに行っていっぱい遊ぼう やくそく!」
「アン!!」

ぱし!

「マリ 何やってるの遅刻するわよ!」
「きゃ- 行ってきま-す」

バタバタ

「やれやれ リリー毎朝マリと同じことしてあきない?」
「アン!」





「う~ ただいま-」
「ク-ン ヒュ-ン」
「リリー・・・ごめんね頭が痛いの」
「最近頭痛が多いわねぇ」
「ちょっと休む・・・」
「一度 病院で検査したほうがよくない?」
「いいよ-そんな大げさな」
「かわいそうに リリーはずっとおさんぽ行くのまってたのに」
「ごめんねリリー」
「よしっママとさんぽしよっか!!」

くるっ


ぴょこん!

ペロ ペロ

「あはは 、リリー〓」
「まったく・・・リリーはマリと一緒いるのが 一番しあわせなのね」





わたしだけを見つめて

大好きと気持ちを伝えてくる

まっくろなひとみ--





「ありがと・・・」





わたしもリリーが

大好きだよ--





ぴょこ

「アウン?」
「リリー それかじっちゃダメよ大事な紙だから まだ誰にも言ってないけどわたしね獣医さんになりたいの」
「?」
「犬のお医者さん!!そしたらリリーがおばあちゃんになるころにわたしが診てあげられるでしょ?でねっリリーは世界一のご長寿犬になっちゃうの-」
「!キュンキュウン」
「あははがんばれって言ってくれてるの?よし!やくそく!!」

ポン!

そのときは信じていた

わたしはきっと獣医になってリリーはとっても長生きするって

ずっと一緒にいられるって--





「ママ-!リリーとさんぽ行ってきま-す リリー 行こっ 今日から冬休みだから毎日たっぷりさんぽできるね〓」
「アン」

ズキ・・ン ふら・・

「!」





何これ

今までの頭痛とちがう





「リ・・・リ・・・」





ドサッ





「アン!アン!アン!!アン!!キャン」

キャンキャンキャン!!

「何かしらリリーったら」

ギャウ

「どうしたのリリーそんな声出して・・・!マリちゃん!?」

ピーポーピーポー





「えええ~!!手術~!?わ・・・わたしの病気そんなに悪いの?」
「そっそうじゃないのよマリ これからもこんな発作がおきたら大変でしょ?だから学校が休みのときに思いきってちゃんと治しましょ?ね?リリーだってどんなに心配させたか・・・」
「--うん・・・わかった」
「じゃあ今夜はご自宅に戻って準備して・・・あした改めて入院ということで」
「よろしくおねがいします」





頭の手術かぁ・・・





「さいあくだよ~クリスマスも正月も ずっと病院なんだよ~っ」

ドサ!

「何よりイヤなのは髪の毛そること!しばらくはベリーショートだよ~リリーともしばらく会えなくなっちゃうし も--ヤダヤダ!!リリー?」
「・・・・・」

こそっ

「リリー・・・病院についてくる気?」

さらにもぐる!

ゴソゴソ

「コラコラ ダメだよリリー」

ポイポイ

「せっかくつめたのにダメでしょっっ」
「キュ--ン」
「けい子おばさんがリリーをあずかってくれるからたっぷり甘えてきたらいいよ」
「キャンキャン」
「!」

たんっ

「アン!」

タタ

「え--っ こんどはさんぽ?ダ--メ!もう夜遅いものリード渡してちょうだい」
「!きゃうん きゃうん」

ぐいぐい

「あっコラ リリー!!ダメ!!」

しゅん・・・





正直そのときのわたしは

自分のことで精一杯で--

リリーの気持ちまで考えるよゆうはなかったのです--





「じゃあリリーちゃんは わたしが大切にあずかりますね」
「よろしくおねがいします リリーいい子でまっててね すぐ戻ってくるから そしたらいっぱいおさんぽしよう ね?」
「ヒュ--ン」





わたしだけを見つめてくれる

まっくろなひとみ--





「大丈夫!!心配そうに見ないで!はい〓すぐ会えるってやくそく!!」

パッ

「ん?どしたのリリー ホラ!ハイタッチ」
「・・・・・」

ポン!





そのとき

リリーのひとみが

本当は何を伝えたかったのか--

もっとちゃんと

考えてあげなきゃいけなかったのに--





・・・手術中・・・

「マ・・・・・ん マリちゃ・・・」
「だあれ?わたしを呼ぶのは」
「マリちゃん」
「わぁリリー!!どうしたのそのかっこう」
「マリちゃんもう大丈夫よ」
「え?どういうイミ?リリー?どこ行くの?リリー!!」





「・・・ん・・・リちゃん!!」





誰か呼んでる--?





「マリ」

ふっ

「マリちゃん!!」





目をさますと

パパとママが泣いていて--

そのときはじめて

自分の手術がとてもむずかしいもので

手術中もあぶなかったことを知りました





「検査の結果もとてもいいし思ったより早く退院できそうだよマリちゃん」
「本当!?先生!!やった--っ 早く退院してリリーに会いたいの!!おばさんったら写メ送ってくれないんだもん・・・そうそう手術中のときね夢を見たんだ リリーが出てきて--今思うとすごくふしぎな感じなの」

ガチャン!

「ママ・・・?なんで泣いてるの?」
「マリ・・・おちついて聞いてほしいんだが・・・リリーは死んだんだよ--」
「は・・・?何言ってるの そんな・・・イミわかんないよ」
「マリが手術の日--急にたおれて・・・けい子おばさんすぐに病院に行ったけどついたときはもう--」
「うそっっそんなのありえない ずっと元気だったのに急にたおれるなんて」
「獣医さんの話では「うまれつき心臓にけっかんがあった」って--」

「そんな・・・」

はっ

『もう大丈夫だよ』

あれは・・・

リリーの

おわかれのあいさつ--?

「きっとリリーは自分の命とひきかえにマリを守ってくれたのね・・・」





リリー・・・

ごめん

ごめんね

きっとリリーはわかってたんだ・・・

だからあのときも

あの時も

あれは精一杯の最後のわがままだったのに--

わたし・・・それをしかるなんて--

飼い犬失格だ--

こんなわたしが獣医になれるわけがないよね





ぽふっ!

「アン」
「すみませんうちの犬です!!汚しませんでしたか?」
「いいえちっとも !あ あれ」

ポロ ポロ





一瞬・・・





「おじょうさん!!どうなさった!?」
「な・・・なんでも」





リリーかと思った--





「そうでしたか・・・愛犬を亡くされて・・・わたしも去年大切な犬を亡くしましてね モクという名のかわいいやつでした」
「え」
「そのときは後悔ばかりでずいぶんおちこみました」
「・・・どうやって立ちなおったのですか?」
「ある日わかったのですよ モクが元気にくらしていて友だちもいっぱいできたことが」
「わかった・・・?」

にこにこ

「ええ!あのときはうれしかったですよ」
「それって・・・」
「キャウンアウン」
「そうかそうかハラがへったか 帰ろうか では失礼します きっとまた笑える日がきますよ」
「あ・・・はい」





・・・・・変なおじ-さん

なんであんなにキッパリと

『わかったからです』

確信もって言えるんだろ・・・?





「さて帰ろ!」





あしたも会えたら聞いてみよ--





びゅう

「きゃっ」

ひらり

「!」





手紙・・・?





「わたし宛て・・・?」

『リリーより』

「!うそ・・・っあるわけ・・・」

パサ





大好きなマリちゃんへ--

突然のおわかれでさよならも言えませんでした

いい子でまっていられなくてごめんなさい

そして--

マリちゃんが大変なときにわがままを言ってしまってごめんなさい--

リリーは今 犬の国にいます

看護士さんになるためにがんばっています

前にマリちゃんは「犬のお医者さんになる」って言ってたでしょ?

だからリリーは お医者さんをお手伝いするしごとがしたいのです

リリーは マリちゃんと出会えてとてもとてもしあわせでした

ありがとうマリちゃん

リリーより





「リリー」





リリーわたしもすごくしあわせだった・・・・・

わたし--きっと

リリーがじまんできるような

獣医さんになる・・・・・

約束するよ