Z31 リヤゲートヒンジ 逝く
上の画像は、1988年9月登録のPGZ31エンジンルーム。
SNS繋がりで今現在3台のフェアレディーZ31オーナー様とのご縁があります。
たまたま各車色違いなので、黒Zさん 銀Zさん 白Zさん という愛称に。
私は整備士なので、ボンネット開いて広がる光景も大切にしたいと想うのですよ。
横置きに配されたインタークーラーは、大抵パーツ皿代わりにされて、フィンを潰されてたりします。
車歴30年超ともなれば、エンジンのロゴがくすんでいたり色が剥げていたり。
その他、金属製エアクリーナーケース等が錆びて赤茶けていたり、
ボディー同色各部に積年の汚れが溜まっているのが普通ですが・・・
数次に渡るご入庫を経て、ご覧のレベルまで復活♪
しかし残念ながら、白Zさんは錆に関して3台中一番状態が悪かったかもです。
Z31のラジエターは斜め置きレイアウトで、後側にPULLタイプの電動ファンが2個装備。
それらの前にはクーラー放熱を司るクーラーコンデンサーがあるのですが、
ちょうどラジエター真下のボディー鋼板が薄過ぎるのが泣き所なのでしょう。
長年、防錆処理をサボっていた為か、腐食穴が所々に見受けられました。
クーラーの冷えにとっては大減点なんです!
これ以上錆が進行しないよう処置した後に、ステン板をボルトナット固定して塞ぎました。
面倒臭がりの作業者だとテープ仕事で済ますのでしょうが、信条的にそんな仕事は出来ませんね。
他の下回り各部も、車検整備で一度ご入庫下さったので概ね対処済みになってます。
今回のご入庫理由は、累計走行20万キロによる二度目のタイベル交換一式
追加ご用命事項として、ボンネットダンパー&リヤゲートダンパー交換 でした。
古い車両であれば誰もが通る道でしょう。
各ダンパー純正品は既に製造廃止ながらも、渉猟すると社外品が入手可能で、
発注した品が届いたので替えたところ・・・・・
トランクスペースに装備されたルームランプが、何故だか点いているのに気がつきました。
「あれれ?」 「どーして?!」
原因探求すると衝撃の事実でした!!
なんと、リヤゲート左上部分が、ルーフ面から1センチほど浮き上がってるじゃありませんか!
左側ヒンジの軸両端がポッキリ折れていました。
それまで辛うじて耐えていたのが、ダンパー新品になったせいでご臨終。。
慌てて部品在庫を調べても既に製造廃止で中古品もHITせず。
中古リヤゲートASSYには漏れなくヒンジも付いてくるだろうと考え、
それも探してみましたが、2020.09現在、皆無でした。 ・・・・・ Omg
とりあえずオーナー様に、事件報告入れるとともに、
なんとか現物修理する方策を、あーでもない、こーでもないと練りだしました。
ヒンジ両端の軸穴5mmで、拡張は不適切 ・・・・・
対する内側部分の内径7mm ・・・・・
凸状の金属製カラーを製作すべく図面を引いて、ボルトナット固定方式にして ・・・・・
ネジ山による脆弱化と耐腐食を考慮して、スチールよりも剛性の高いステンを採択。
最後に、切断は焼いてしまわぬよう、敢えて電動工具は使わず手作業で!
本格的な熱処理としてではなく、単に赤く焼きなましてしまうと、経験的に強度が落ちしかも錆易くなる気がするからです。
そして製造廃止リヤゲートヒンジ、なんとか現物修理成功しましたの図。
錆転換剤で下処理した後、塗料を三度塗りして丸一日乾燥させてから、グリス塗って組み付け。
固定ナットは天張り内側。 雨漏れせぬようルーフ接合面にはしっかりシーラー処理を施してます。
一時は相当頭抱えて焦りましたが、無事に回避できて本当に良かったです。
修理した所が向こう数十年、もう決して折れませんよーに! ^^;