クルマーシーは日本にいるよ。 -36ページ目

クルマーシーは日本にいるよ。

今日もこんにちは。これから新しい生活です。

ここ最近、私の生活の中で小さくしかしとても激しい炎が生まれていました。
なにかと言えば、それはパンを焼くことです。

私は自分で思っているほど料理が得意ではありません。
だけど料理は嫌いじゃありません。
特に時間のかかる料理が好きなようです。
インドカレーとか、お釜でご飯を炊くとか、ドライトマトとか。
そういうちょっと「たまごっち」みたいに、時間をかけて育て、その成長や変化の過程を夏休みの自由研究みたいに観察していくものが好きなのです。

パン。といえばそれこそイースト菌を育てるところから始めます。
もちろんドライイーストで混ぜるだけよりも、お湯と砂糖でイーストがふわふわもこもこと発達していくところがパン作りの醍醐味なのです。と私は思う。

そして、先週の日曜日につくったのがこちら。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-ジャガマヨ★パン

おいしそうじゃないですか。
じゃがマヨ★パン。中にジャガイモとオニオンとマヨーネーズがぐねぐねになったのが入ってます。
上はチーズね。
すげーよ、あたし。パン、つくってる。

ということで今日も本を読みながら、その成長を見守ったパン。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-クリームチーズ★パン

クリームチーズ★パンです。
食べてから、「ああ、これも記念に写真をとっておこう。私のパン記録に残しておこう。」と思い立ったのです。
どうです?かわいいでしょう?このパン。あたしのベイビーです。

そんなこんなで、食べ過ぎでお腹パンパン、顔もパンパンです。
食パンマン?アンパンマン
「よーし、よっちゃんも帰っちゃったし。しょうがねー勉強すっか。」というとても良いとは言えない態度とモチベーションで机に向かったわけですが、論文をひとつ読み終わったところで「ふむふむ、なるほど。こりゃあそういうことか。」と納得・満足し「もう充分だな。」とわたしの勉学満腹中枢が言いました。

そんなわけで最近はまってるSu-dokuをやったり、ネットしたりしてたのですが、たいようさんからのメールで「ギャラリー巡りに行く。行く?」というパスをもらい「行く。」とトスを返しました。
たいようさんの「じゃあ、2時に待ち合わせ!」というスパイクをかなりの時間差で受けたため、みごとレシーブ失敗。待ち合わせには3時に着きました。ドクロ

待ち合わせはWilkinson Galleryです。
最近、不景気なギャラリー巡りですが、今日は景気のいい作品に出会えるのでしょうか。
期待はあまり膨らみません。

が!

ありました。さすがWilkinson Galleryです。スペースが広いだけじゃなかった!

まずは、これです。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-Istvan Laszlo
Istvan Laszlo Trei culori 2007-2008 Video 3 min, loop

ビデオ作品です。
おじさん、すごく眠そうですね。
共産主義時代のルーマニアの国家が流れている中で、このおじさんウツラウツラしています。
その眠そうな仕草がとてもうまくつくられていました。
あたしも学生の頃、水泳の後の授業はいっつもこんな感じだった!と思うとそうとう笑いました。
なるほど、現在のルーマニアの国家は「目覚めよ、ルーマニア人!」。

さらにこれ。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-Cristi Pogacean
Cristi Pogacean Caranime 2002 Video 8 sec, loop

ご存知、イタリアの画家カラヴァッジョの有名な絵画「聖トマスの懐疑」のアプロプリエーション作品です。
ビデオ作品で聖トマスがイエスの傷口に入れてる指をグニグニと動かします。

あとこれね。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-Ciprian Muresan
Ciprian Muresan Untitled 2009 Video, sound 50 mins, loop

軍人たちがもくもくとジャガイモの皮を剥きます。
たいようさんが「この軍服、ロゴがないね。」というので「これ、マクドナルドのロゴとかだったらおもしろいね。」と言ったら、「えー、マックじゃなくていいよ。」とまたしてもするどいスパイク!
こんな仕事があったらあたしやりたいなあー、と思います。
大泥棒ホッツェンプロッツにもそんな場面あったなあ、とも思いました。

その後も点々とギャラリーを巡りましたが、ここが一番おもしろかったです。

夜はよく行く安くておいしいけど変な効能がある葉っぱが時たま混ざって出てくるベトナムご飯を食べにいきました。
お店に着くと、二人の財布には子供のようなクオリティのお金しか入っていない事に気づき、携帯の電卓機能を駆使しつつ慎重に値段を計算してオーダーするという、27歳と32歳とは思えない風景でした。
それでも、おいしくお腹いっぱい食べました。

そして家に帰ったらたいようさんから電話があり、「家に帰ったらねえ、旦那がねえ「なんだクルマーシーは今日は家に来ないのか。」って言っててねえ、クルマーシーが来ると思ってね、バナナチョコレートパンを焼いてたみたいだよ。」という本当にがっかりな話を聞き、最後までレシーブできなかった自分を悔やみました。ドクロ

うぅ。バナナチョコレートパン、食べたかった。


先週、Tate Britainで開催されているAlterModernというショーを見に海を越えてやってきたよっちゃんと一緒に行きました。

キュレーターはRelational Aesthetic(関係性の美学)の著者であるNicolas Bouriaudさんです。
Relational Artは作品を通して作家と観客の繋がり、観客同士の繋がりを重視してお互いの対話を導こうとするインタラクティブな作品です。彼の著書は現在のアート界でも大きな影響を及ぼしましたが、いくつかの問題点を含んでいました。

ひとつはRelational Artがエンターテイメントに偏りがちで、それがアートなのかただのコミュニティー・アクティビティなのかの区別をつけづらい、ということ。
さらに理論の中で重要視している関係性がアートピープル間に限られてしまい、なかなかその意図がアートビギナーには理解されない、ということ。
対話をする場所は与えられているけども、あまりにオープンで漠然としているので観客が方向性を見つけられない、ということです。

さぁー、そんな問題点を抱えた中で注目の展覧会です。どうなることやら。

あぁ、そうそう。
AlterModernとは、PostModernはもう終わっていて次にくるのがAlterModernなんじゃないの?というBouriaudさんの新しい提案です。

とことこてくてく向かいます。

するとあらまあまあ!
おもしろい作品がありました。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-bob&roberta
Bob & Roberta Smith Off Voice Fly Tip 2009

こども達のプレイグラウンドのようなインスタレーションにスローガンが掲げられています。
「僕だって、オバマに投票したかった!」
「35歳に戻りたい!」など。
毎週この作家とBouriaudさんが会話したトピックから、こうして金曜日になると新しいスローガンが掲げられるようです。

あとは、昔の日記にも書いたCharles Averyさんの作品もありましたね。

これもこれも。

クルマーシーはロンドンにいるよ現代美術もあるよ-Marcus Coates
Marcus Coates In Plover's Wing 2008

Coatesさんは動物になってみることで、人間であるということはどういったことなのかを考えている方です。

こんな感じでまったくポリティカルな色も薄く、笑い展でもないのにちょっぴりおかしい展覧会でした。
勝手にわたしなりの解釈だと、いくつかの問題点は解決されていて関係性の美学も進化していたように思います。
キュレータートークにも行きましたが、私はAlterModern賛成派になりました。

でも最後に思ったのは、結局のところ関係性の美学は人々の心の中にあるんだなっということです。