もう何度も書いてるので…
でも今初めて知るヒトも一定数いるから…
やっぱり書きます。
S2000ってファイナルギアがデフとミッションに各々あるのね。
なので二つを掛け合わせた数値が総合減速比になる訳。で、デフファイナルは全モデル統一の4.1なのね。
ミッションファイナルは2種類。
画像はミッションの後端を切り離した状態。で見えてくるのが当該の減速ギア。
AP1は減速比1.16
AP2は減速比1.21
つまり5%違う訳。
面白いのはピークパワー落としてトルク型エンジンになったAP2なのにファイナルギアをショートにするという奇策ともとれる変更がなされた事。その代わり5速と6速はAP1よりもロングにし巡航ギアとする事で高速域の帳尻だけ合わせたのね。
なので変速比こそ1〜4速まで同じだけどAP2の方がトルクあるのに速く吹けきる=回転上昇が速いのね。この減速比と変速比の変更はDC5からFD2になる過程で変更されたギア比&ファイナル比の構成に似ているんだよね。。
さすがインテグラ。
インテグラはコレまでも新規データ収集車の位置付けで、そのデータが改善されてシビックに反映されてきた。
なので何となくこの変更も納得なのね。
と、そんなS2000入門?情報はともかく。1枚目はお客様のご依頼でミッションファイナル比を確認する為に分解した画像なのでした。何せ譲り受けた時に渡されたストックパーツにAP1とAP2のセカンダリーギアがあったから。じゃあ昔売ってたATSセカンダリーギア1.27じゃねぇか?それならレアキャラだぞ!とか期待してみたり。
まぁ結果AP1にAP1ファイナルという超正攻法なギアが付いてたんだよねw
とにかく確認し判明する事が目的だから。
ココはコレでコンプリート。
続いてデフファイナルの確認。
ココは簡単。ピニオンギアの歯数が10か9かで分かれる。10なら4.1か4.3か。
数えたら43だったのでデフ側減速比は4.3だ。で…お客様のリクエストは完全なるAP1ノーマル減速比化。
なので4.1を組んだ訳ですが…
思えば初めてホンダからファイナル買いました(笑)だって…流用ファイナルはマツダ用だから基本マツダ部品にオーダーとなるのよね。きっと4.1も出所はマツダだろうけど何となく純正があるのだから迷いなくホンダパーツにした訳ですが…
ちょっと気になる事案が発生!
歯の側面にマーキングした部分が…リングギア1周回してもバックラッシュが変わらずタイトだったんです。
このエリアを0.05で調整すると他のエリアが0.15〜になる。他のエリアを規定値内に収めると…ロックしそうになる。
これはおかしいぞと。10丁おきならピニオンギア、だけど1周だからリングギアの問題と考察。
カナ尺で触れると少しギア歯のバリが立ってる様な感覚…本当?こんな事いままで無いぜ?いやあったかも知らないけどこんな数値振れる事も無かったし…と疑心暗鬼ながらも検証方法を考えてみました。
とりあえず一度全てバラしてリングギアだけに(涙)コレだけで心が折れる。。
機械は歯面が傷つくリスクあるからととにかくペーパーヤスリでその凸部分を段階的に馴らしていきます。リングギアって硬いよね。。こういう地味な作業嫌いだ。ちょっと爪が引っかかるかな?程度の凸。
しかもこの時点でコレが原因とも断定出来ないがダメ元感覚でのトライだけにダメなら不良部品として申告なのか?組み方がダメなんだろ!と門前払いかな?など色々とネガティブ妄想で心労しながらも、もう一度組んで…
万事休す!タイトエリアは解消。
結果的にそのバリみたいな凸が原因でクリアランスがタイトになってた事に…そもそも何故そのエリアだけそんな事なってんだ?って方が疑問ではあるのだが。
勿論組み付け段階でそんな変形するほどの応力がかかる工程もないし、落下させたり何処かにヒットさせる事もない。
まぁでも…結果オーライ。
ひとつ対策法が僕の引き出しに加わった訳だし。
でも今後もこういうの続くと困るな〜
その答えは今後も続くであろうファイナル交換作業に委ねられますが。
S2000のミッション変速比に対するデフファイナル比(開発順だと逆だろうけど)はノーマルが最も万能なのですが。実は何処も絶妙に合わない(笑)代わりに大きく外す事も無いのが万能な訳で。ただソレもフルノーマルで205&225の16インチという初期型での話。タイヤも太くインチも大径化すれば当然外径も変わるし転がり抵抗も増える。なのでコースや用途に合わせた最良のファイナルってのは例え街乗りでもノーマルが最良では無かったりしますから。
個人的にはAP1だと4.3、AP2だと3.909の方が万能だと思うけどな〜
まぁコレ、セカンダリーギアをAP1/AP2双方入れ替えたら良いだけの話でもあります(笑)