こういっても過言では無いだろう。

何処かの誰かが投下した爆弾。

GR86/BRZはオイルパン内のストレーナーにシーリング剤(液体パッキン)の余りカスが大量に落ちて目詰まりしエンジンブローを引き起こすと。。


どうも解せないのだが…

百発百中じゃない、でもまぁまぁの確率?

何せ不安要素は消さないと、、って事で外してみる。


オイルパンの合口は1Gでオイルが浸かってて、しかも始動時に10キロ以上の油圧が掛かるらしい。だからなのか整備書にはシーリング剤の盛り指示がやけに大盛りなんだよね。エンジン側を見ても内側は1段落ち込みがあってココにシーリング剤を溜めて壁でも作る設計だったのか…何にせよ噂の余りカス目詰まりトラブルの起因になってると考察するに容易いのであります。おいおい。。


ではご開帳。


はい、ビンゴ!


しかしよく見ると…


フィルターは1面ではなく5面の箱型で形成されている。なので油面が確保されている限りは余りカス詰まりで油圧ゼロまでは行かないと考察される。5面から吸ってる筈だしね。


このフィルター部はストレーナーのこのエリア。どうもこの下側が製造時は分離しててフィルター入れてから先端部を溶着かボンド固定したのだと思われる。

ちなみにストレーナーをこの状況から単体で取り外すのは無理っぽい。見えてるのだが…固定ボルトへのアクセスはフロントチェーンケースを取り外す必要がある。ちなみに…余りカス問題はフロントチェーンケースカバーのシーリング剤という説もあるが…見る限りオイルパンほど余りあるシーリング盛りでは無いと感じた。


さてシーリングカスをどう除却するか。


コスパ重視の簡易内視鏡。

結構しっかり確認できます。

これがオイルパン付いた状態でドレン穴から見えれば有難いのだが。


オートマチェンジャーのノズルと内視鏡のライトを同時挿入して吸引。大半はコレで除却できた。細かいのは…耳かき形状の工具、TIG溶接棒を先端曲げ、など駆使して吸引、書き出し、内視鏡確認を繰り返す。

この感じ。

何となく…この作業、チーメカにやって貰うのが正解だろうな。もしくは車輌オーナーとか。とても丁稚には任せられないな。技術じゃなくてマメさが求められそう。

画像にも2つカスが残ってるのだが…パッキンとフィルターが同色化するから小さくなるほど発見しにくい。いい加減心も折れる。コレは結果溶接棒で書き出して除却した。


もうこの辺で良いか?

まだまだ!徹底的に確認除去しないと!

脳内で善のオハラ、悪のオハラが戦う作業でした。こういう単調作業ホント嫌い。。


コレで作業は折り返しな訳だが…カップカーレース組は当面毎戦オイルパン脱着、ストレーナー確認するのかなぁ。そうなるとしてもできればドレン穴からストレーナー入口にアクセスできる内視鏡が欲しいよね。

どんくらい溜まってるかの確認だけでも出来ればね。

医療用は現実的で無いにしてもあれくらい手首操作で自在に動くような内視鏡があればなぁ。。


で、レースはオイルパンバッフルの装着が認可され、その説明の一部にストレーナーフィルター清掃の事も触れてるらしいが…結局偏りなのか目詰まりなのか?

デモカーで見れば画像くらいカス詰まりあっても油圧のドロップや失速感、高回転においてノイジーなエンジン音が出た訳でもないので、バッフルで油面さえ安定させていればストレーナーフィルター奥面に少々シーリングカスが詰まっても問題無いのでは無いか?なので優先すべきは油面、バッフル対策するまでは多めのオイルで凌ぐが正攻法か。

現時点では出口の見えないトンネル状態でどうするのが正解なのか皆手探りなのだが…
来週末のレース開幕戦で何かしら対策なり見解の進展なりあるだろうね。
僕は業界でいえば関係者ですがレースで言えば部外者なので…しっかり見届け情報収集し持ち帰りたいと思います。

マフラー、車高調、ブレーキ…
プロクラスは我々の仕事にも通ずるアフターパーツが認可されてるから組み合わせも個々のパフォーマンスも気になる所です。

速い代償の損傷なら仕方ない。
だけど現状はババ抜き状態、ハズレを引いたら何せアウトなんだよね。

レースはヒトのカネでやるモンだよ!
昔何処かで聞いたこの言葉が今になって響きます。プライベートチームはさぞ不安かと心中お察しします。
我々ショップも同じ事、壊したくない、けど速くしたい!幸いにも勝敗は無いけど…無いだけにババを引く敗者にはなりたく無いよな〜