す新年早々のご予約でNCロードスターにS2000純正デフを組むお仕事を頂戴したのだけど…実績がないw
出来る事は聞いた事あるけど…
サイドベアリングが特殊なサイズになるとか、、
シムが純正で用意されてるサイズで足らないとか、、
そのシムのオフセット分センターがズレるのでドライブシャフトCリングの位置調整が必要だとか、
んー、、でもそんな小難しい感じでもなく巷では組めているみたいなので、とりあえずやってみるか‼️と。
ちょうど練習機が新しくなりまして。
前のNC1が嫁いで行きましたので手に入れてたNC2に次期練習機として引き継いで貰います。
ちょうどデフ入ってないっぽいし、S2000で1回使って乗り味が好みで無かったATSメタルも外してストックしてある事だしそれでも組んでみようかと。
そもそもカーボンLSDだったがサイレントメタルのリペアキットでオーバーホールした1.5way。
組込時にイニシャル8キロだったのでそこそこマイルドかな?との期待も虚しく、というか加速カムの55だか60度だかの作用角に相まってチャタリングが抑えられずタイムは悪く無かったがストリートユースとしての乗りやすさにネガティブイメージが払拭できずに結果1回の装着で戦力外通告。いや支配下登録くらいかな。。
なので今回は内外ディスク1ペア殺してみた。都合の良いイニシャル5キロになった。オイルはOS純正でディスクを滑らせる(効きがマイルドになる)方向に振って良い感じにならないかな?と。
問題のサイドベアリングは岡山県のALTEXさんにお手配頂いた。主たる本業でも、主たる商いネタでも無いので実績あるトコから実績あるモノを、って事で。
まぁつまりS2000デフの内径でNCロードスターの厚みと外径のベアリングなら良い訳ですね。
もしかして機械式?と思わせるほどトラクションの掛かりが良かったので内視鏡で確認もしたがやはり降ろしたらノーマルトルセンだった。
なので機械式入れても良いかな、と思ったのが今回のキッカケ。
ただ巷では強化トルセンってのが有るんだってね。もしかしたらソレか⁉️って言うくらい旋回初期の効きは良かったけど。確かに旋回中期以降の蹴り出しはやはり純正かも?だけど僕的にはS2000純正ヘリカルLSDより乗りやすい気がしたな。
とりあえず一通り元に戻す様に組んでみた。
付いてたシムは右5.95と左6.10、スペーサー代わりの3ミリシムは無視すると左右で12.05の厚み。この数値を守ってアジャストするのが正攻法なのだが。やはり…軸方向ガタガタでまったくシム厚みが足りてない。。5速車のオープンデフだとシムはそのままだけど6速車はシム調整ちょっと面倒、と聞いてたのはこの事なのね。
とりあえずリングギアがピニオンに寄っていく方向、左側に最大厚のシム6.50を入れてみる。まだ足らない!どんどん厚くした結果右にも6.40でとりあえず軸方向は落ち着いた。しかし…バックラッシュ0.16〜0.18!うーん、乗れなく無いけど基準値からは大きく開いてるし、振れ幅からみて良好なギアなのでちゃんと期待値内に収めたい!
純正シムは6.50まで。
なのでそれ以上の厚みが無いから…もしや?と86/BRZシムを出してきたが…少し外径大きくて使えない。。惜しい!
ならばとシム調整の方向に切り替え最終はペール缶のフタをドーナツ状に切るAE86デフのシム増し作戦だな!と物色を続けます。しかしアレはスチール缶だから痩せるよなぁ、、、
有りました!OSデフのイニシャルUP用に鉄工所でカットしてもらってたステンの0.3ミリシム!
内径ほぼ同じ!
外径は金切りハサミでチョキチョキ。切り口のエッジはペーパーで均してプラスで整えて…ケガいた油性マジックのカットラインが途中から消えて適当カットなったけど…とりあえず万事休す。
(画像センターが今回の自作シム)
結果6.25シムに0.3シムが加算され6.55、これに対して6.30でバックラッシュ0.06〜0.08で決まりました。歯あたりも流石ハイトが出てるだけあって綺麗なセンター当たりでした。
つまり合計12.85と0.8ミリセット高が足らなかった計算ですね。も少しサイドベアリングのプレロード詰めたかったけど…86/BRZで欲張って入れすぎてゴロゴロ音が出た事あるから自制したw
S2000純正デフを組むならトータル0.3とも聞きましたが…意外とキャリアのロットや精度に個体差あるのかもね。
あとはデフマウント組んで完成です。
純正ツバ付きのブッシュは何処に治具を当てるんだ?って感時確かたがギロチン(ベアリングプーラー)で一撃でした。マツダは比較的圧入トルクが低い印象あるね。
とりあえずデフキャリアだけ載せて。
PPFは装着せず廃品ベルトで宙吊りに。
そのままクラッチも交換しました。
オグラのライトクラッチ、ハイパークラッチなのにノンアスディスクだから重宝します。
だけど画像撮るの忘れてたな。。
純正とディスクを比較的してみたら一回り外径が小さかった。でも慣性モーメントは大きく減少してない様子。ディスクが軽くなるとシンクロの止まりが良くなるのかシフトが入りやすくなった印象。
オートエグゼのフロアバー?
ノーマルだと思って買ってきた車輌なのに付いてた、けどコレは効果的?突っ張らない?
S2000だったら間違いなく乗りにくいw
では試走。
OS純正オイルのおかげでチャタリングは皆無、さすがだなぁ、、マイルドに効かせたい時はこのオイルに限るね。
恐らく55度以上作用角あらからイニシャル5キロでもしっかり効きます。弱めに抑えたサイドベアリングプリロードもゴロゴロ音は出てないし、今のところ至って問題なし。
危惧したドラシャのCリングオフセット問題も問題なさそう。
実に今の当社らしい作業でした。
ちょっと周りが何で?と不思議に思うほどNC楽しんでます。
乗ったら分かるよ、S2000乗ってたらNCの当たり前なひとつひとつに感心させられる。
やはりマツダ技術で作られてる部分があるS2000だから。
NCを紐解く事でどちらも美味しいのです。
ちょっとライバル車に戦闘力で軽視される感も下克上魂を燃えさせる要因であります。
僕は下克上車が大好物なので(笑)