特殊なトルク設定もなく、サブフレーム半おろしする事さえ知ってれば整備従事者なら特に難しくもないクラッチ交換作業なのだが。

1度どころか2度も3度も交換する事だってある、どちらかと言えば生活必需品の部類でない車輌カテゴリーなのにやたらと距離乗る方が多い車輌だけに、昔聞いたことのあるディスクだけ交換⁉️とかカバーとレリーズ含めた3点セットだけ交換、では正直リフレッシュにならないのよね。


今回のAP2さんもまさにそんな状況でした。
ディスクが摩耗するからクラッチ交換、これが普通なら修理経緯だよね。

でも…S2000のプル式クラッチカバーってホンダも当時相当気合入ってたのか相当な圧着力で300psまではノーマルでもイケる‼️とかいう情報もまんざら嘘では無いほど強い、そしてペダル踏力も重い。。

恐らく5速9,000rpmからのシフトアップでも滑らない圧着力と純正部品に求められる一定の耐久性なども考慮されてるのだろうけど流石にコレをストリートユースで使うとなかなか減らないのよね。免許取ったらマニュアル車から!そんな時代でも無いから敢えてマニュアル乗る人ばかりでミートが下手なヒトも相当減ったんだとは思うけど。

つまりですね、、消耗してそうなトコは大して減って無いし劣化してないのよね。それでもクラッチ関係の入庫が多いのは…つまりその耐用性から生まれる副産物、摺動部分の劣化が多い訳です。


なのでCSOでは、強化クラッチなど要らないからノーマルで充分なので、その分しっかり周辺パーツをリフレッシュしましょう!とオススメしてます。
デモカーですらスプーンさんのノンアスディスクですからね(笑)強化品ですが作ってるトコが安心の純正と同じ会社だしちょっぴり強化でメタルディスクを使わない事が機関を保護するのにも大きく貢献しますから。自慢ですけど…デモカーのミッション、新車からのノンオーバーホールです。あれだけ走っても壊れないのはメタルディスクを使わないからですね。


クランクシールは…もれなく交換部品となりつつあります。これ外すの苦手〜
でも大きいだけあって挿入は簡単です。
シールのリップ部分は密着性があるだけに素材は柔いのだけど何万回、いやそんな数字では無いくらい擦れながら回ってるだけあって相手が皮膜処理された鋼材であっても摩耗してたりするから…元位置より少しズラして挿入するようにしてます。少しでも摩耗が促進されない様にと。。

そして、その上にあるキャッププラグ。
コレもオイル漏れしますから増し締めしておくと良いです。意外と盲点かな。


最後にフライホイール。
AP2、特にタイプSの方はそれなりにスポーティなイメージで購入されたと思いますが、正直エンジンレスポンスに関しては想像するほど刺激的でも無いでしょう?だって…フライホイールが10キロ近くあるから。

コレ、2.2Lになってストロークが長くなった事から起こる脈動を抑制する為なのか、単にAP1との差別化でトルク型エンジンをアピールしたかったのか、とにかく重すぎる。ま、その分乗りやすくなってるのだけどS2000ユーザーはそこ求めて買ってないよね。

って事でAP2には特にオススメしたいAP1フライホイールの流用です。だいたい30%軽量化されます。
見比べると…どうやらAP2は裏面の肉付きが多い。昔は純正加工フライホイールってのが流行ったんだけど、コレって削る部分が外周寄りか中心寄りかで同じ重量削ってもフィーリングはかなり違う。いわゆる慣性モーメントの問題ね。当然外周寄り方が恩恵は大きかった。
でAP2も比較的外周寄りにAP1にはない肉付きが。。
なので実際の重量差以上に恩恵あるのよね。

でもCSOってAP2用クロモリフライホイール売ってるやん…と思った方正解!よくご存知ね。
スポーツ部品は特化してるから意味があるので全ての車輌にプラスでは無いのです。特に今回のリフレッシュメニューからクロモリを付けるのは単なる便乗の押し売りです。

あと…何と無くですけどホンダが相当な熱量で作ったと思われるS2000。AP1の方が正直開発に精査されたであろう部品も多く、AP2は仕方ないけど後発車。互いに一長一短だけどフライホイールはAP1用使うのがF型エンジンには正攻法じゃ無いかと思うのね。

あれ?何でクラッチ交換したんだろ?
そうだ!ペダルストロークに引っかかりがあって違和感どころか発進もしにくいほど操作性に影響してたほどだからのお修理依頼でした。
距離も相応なのでこれからも気持ちよく乗れる様に劣化する部分、摺動部を中心にすべてフル交換。
ガイドだけは指定のWPC処理品で。
ついでに汚れてたクラッチオイルも交換して…バッチリ本来の、いや本来以上にレスポンスも良くなって復活です。

操作性に不具合あると気になって仕方無いよね。
チューニングやカスタムと違い常に感じ取る部分だから今回の改善は大きいな。
ご納車をどうぞお楽しみに。