あの娘を膝に抱えて
後ろからむぎゅってしてたな
キュッて上がった小さなおしり
棒のように細っこい脚
髪の生え際のにおい
小さな小さな手
あんなにも小さな手のまま
大きくなれることもなかった
あの娘の胸の傷
なんども開胸して
厚くなってしまった胸骨
膨らんだ胸元
傷に傷を重ねた跡
赤ちゃんの頃には
両脇からも開けた傷が
肩甲骨の方まで
体のひとつひとつの場所を
思い出す
術後はあの娘の胸に手を当てて
ガンバった、ほんとガンバったね
って、
たくさんの痛みと苦しみ
思い出すと…
なんとも言えない気持ちになる
心えぐられる
4、5才の頃から
術後泣き叫ぶこともなく
ベットの手すりを強く握り
痛みを耐えた
辛そうな顔
我慢強かったよ
まわりもそんなくるみに慣れちゃって
それが当たり前のようだったけど
どれほど痛かったろうと思うよ
7年という月日が過ぎて
もう前のこと、過ぎたこと
お空に上がった、くるみ
みたいな空気になってるけどね
ままはずっと
くるみの痛みを苦しみを
想像でしか感じられないけど
ごめんね、ごめんね
ありがとう!
あの頃の痛みと共に
生きていくよ
くるみをずっとずっと
あの頃のように抱っこして
みんな、踏ん張って、踏ん張って
与えられた時間を生きるしかないんだね
お空のくるみのお友だち
お誕生日おめでとう