ゆうが国語のプリントを持ち帰った。
何か、物語のようなものが書いてある。
そして何やら、先生の赤ペンであちこち直されいる。
見てみると…
習った漢字をひらがなで書いている。
カタカタの言葉をひらがなで書いている。
句読点がない。
「お」と「を」の使い分けが出来ていない。
消しゴムを使っていない。
語句の間違いがある。
字と絵が下手なのは想定内だけれど、なかなかにヒドい
ついついまた説教してしまいました。
「お母さんさあ、前にも言ったけど、習った字は漢字で書かないとダメなんだよ。
せっかく、新しい字を覚えても、使わないと忘れるよ。
忘れたら、また覚え直さないといけないんだよ。
でも一度習った字はもう授業ではやらないよ、家でやるしかないんだよ。
まだ2年生だけどさ、これからもっともっと覚える字が増えるんだよ。
後でそれを覚え直すなんてすごく大変だよ。
だから忘れないように、覚えた字は使うんだよ。」
我ながら、長々しい説教です。
ゆうは「本番(清書)はちゃんと直したよー」
と言いますが、先生に直されてからじゃなくて、最初からちゃんと書け!と思いながら、物語を最初から読んでいきました。
すると…意外に…
物語の内容はよくできていました。
他の子の作品を見ていないので、小2のレベルとしてどうなのかは分かりませんが、意外な文章力に驚きました。
説教モードがいきなり誉め誉めモードに。
「ねえゆう、これお話はとてもよく出来てるよ。自分で考えたの?」
説教が続くと思っていたゆうの顔が、ぱっと明るくなりました。
「当たり前だよ。全部自分で考えたよ!」
そして言います
「なんだー、俺また怒られるのかと思ったよ。そしたら誉められちゃって、何この怒られ地獄から誉められ天国の状況?」
とても気分よさげなので、畳みかけるように誉めまくりました。
「だって、お話を考えるだけじゃなくて、最初に書いた、ころた(主人公)の性格がお話の後半でちゃんと活かしてあるし、ただ『ピクニックに行った』じゃなくて、季節の移り変わりまで書いてるのがいいよ。春だからピクニックに行こうと思ったんだよね。春は暖かくて、花が咲いて、ピクニックにぴったりだもんね」
ゆうはすっかり得意げになりました。
「そうだよ、俺ちゃんと考えたんだ」
そこでもう一度言ってみました。
「こんなに面白い話なのに、お母さん最初怒っちゃったね。だって、たくさん赤ペンで直されちゃってるんだもん」
「それに、こんな字が汚かったり、ひらがなばかりだったり、点や丸がないと、すごく読みづらいよね?」
「せっかくのいいお話なのに、読みづらいと内容が伝わらなくてもったいないよ」
「ちゃんと漢字やカタカタ使って、字もキレイに書いたら、コンクールとかに出せるかもよ」
もはや誉めすぎて飛躍していますが、ゆうにはこのくらいオーバーなほうが響きます。
「次はちゃんと漢字とか使って書く!俺、金賞とかとっちゃったらどうしよう~。」
とりあえず、漢字とカタカナのやる気が、出た!
やっぱり、叱るより誉めるがいいのか…
誉めポイントが毎回あるとは限らないのが問題だな。