くろやぎです。


松下政経塾とは一体なんだったのか・・・
野田首相:消費税10%超言及「将来増える可能性」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120205k0000m010060000c.html

最近は、何につけても最終的に「増税」「増税」と、もはや決まっ
てしまったことのように、また、増税するという結果ありきの論調で
報道されていますね。

増税か財政破綻か?みたいな極めてシンプルな対立構造を作り上げ
て「破綻するくらいなら・・・」みたいに誘導する。
そして、大衆は「そうかもしれないな…」とそのまま真に受ける。

何て言うか、こういった日本全体の思考停止状態にはげんなりして
しまいます。。。


手段であるはずの増税が、目的になっているのも気に入らないし、
一体改革といいつつ、増税した分を社会保障費に使うってだけのお
ざなりな案というのも、形容しがたいほどに●●●ですよ。
こんなところで日本語の限界を肌身で感じるとは思いませんでした
。。。


本当は、、、今必要なのは増税ではなく、「増収」であるはずです
よね。

消費税率を上げたとしても、結果として税収が減ってしまえば全く
意味が無いということです。

実際に1997年の消費税率UPのときには、確かに消費税の収入は5兆
円増えました。しかし一方で、所得税と法人税の合計額は9兆円も
減ってしまっています。

消費税率が上がれば消費者の実質的な可処分所得が減って、企業の
売り上げは当然に伸びません。結果として企業が人件費の圧縮をす
ることで所得税収入は減少し、利益が出ないことで法人税が減少す
る。

しかも、これが悪循環を生み出してしまうのですね。
こういったごくごく最近の事例についても全く学習できていない。


個々の企業や消費者が経済的にみて最適な意思決定をしたとしても
、個々をたばねる全体として一国の経済を見たときにはそれが悪い
結果になってしまっている。

経済学の世界では、こういう現象のことを「合成の誤謬(ごびゅう
)」と読んでいますね。

我々消費者や事業者は、当然のことながら自身の経済的合理性を追
求すべきですが、政策担当者はそういったミクロの世界とは別の次
元で考える必要があります。単純に「収入を増やして、支出を減ら
せば財政が好転するわけではない」のです。

税率を上げて収入を増やそうとしても、経済規模全体を大きくする
こと無しには税収は増えませんし、政府の支出を減らすことはすな
わち経済規模全体を縮小させることに繋がりこちらも税収は増えま
せん。

増税という政策が効果を出す景気局面は存在しますが(過度のイン
フレ状態の時にこれを抑制する)、デフレの局面でまず必要なのは
「景気を回復させること(で名目GDPを増やすこと)」なのです。