TPPを通じて学ぶ経済学~目次~

くろやぎです。

前回は銀行の機能とそれを全うできていない現状についてお話
しました。その続きです。


11月23日のドイツで国債の応札割れが起こったというニュースが
ありました。ドイツを始めEU諸国は自国の中央銀行で自国通貨
を発行することができない為に、市場の投資家に訴えかけて
国債を買ってもらうしかないのですね。

しかし、EUの一部の国は、今どんどん財政危機の方向に向かって
います。

ドイツはGDPに比較した輸出総額が38%(2010年)となっています。
その内、EU諸国に4割の輸出をしているドイツですが、EU全体に
危機感が広がる中で投資家は買いを控えたのかな。。。わからん。
http://www.jetro.go.jp/world/europe/de/stat_02/

国債の金利が上がってるのに札割れを起こしたってことは、その
程度のリスクプレミアムでは割に合わないと感じたか、あるいは
近い将来に金利が上昇する可能性をみたかのどちらかでしょうね。


ちなみに、日本の【輸出総額÷GDP】は14%です。輸出依存でも
貿易立国でもなんでもないのですね・・・韓国はおよそ46%ですので
国際市場での競争力がなければ死活問題となります。

それぞれの国の事情が異なる中で「他国がやってるから」うちも
やらなければ、という理由はちょっと考え無しが過ぎますね。

韓国との競争において一番クリティカルなのは「円高ウォン安」
でしょうに、、、輸出関税なんて、、、


■日本で国債が消化できなくなる可能性は?

結論としては消化できない可能性はゼロです。
現在のデフレ下では国内市場でさばけると考えています。

万が一、札割れが発生する可能性はあるかも知れませんが、発生
したら何がどうオワタ\(^o^)/なのか?については良く判りません。

なぜなら、札割れを起こした分は日本銀行に買わせれば良いから。
これがEU諸国と違い、自国で通過を発行できる国の強みなんですね。


■低い金利で安定的に運用されちゃってる国債

なぜ国債の金利が他国比較して低いのか?の辺りを書いて行こうと
思います。先進国の中でデフォルトしない国(米国とドイツ)の
金利が2%程度のところ、日本は1%を割ってます。

一言でいえば「低金利でも国債を買ってくれるから、金利を上げる
必要が無い」ことが理由です。


デフレでは、企業や家計は借金を返そう、貯蓄しようという形で金融
機関にお金が溜まっていきます。

一方で金融機関からすれば貯蓄というのは、将来に預金者にお金を
返さなければならない。つまり借金です。
僕たちがお金を銀行に預けると預金に対して利息をもらえますよね。

だから、金融機関は預けられたお金をただ持っているだけでは、
どんどん損をしていってしまいます。かといって、預金を断わる
こともできないので、何らかの形で運用しなければいけません。

とーこーろーがー、企業に融資しようにも企業からの資金需要は
冷えてしまっています。

では、手許資金をどうやって運用するのか……?

そうです、国債です。


■金利が上昇する時とは?

緩やかなインフレで景気が良くなれば、企業の資金需要が喚起され
それと共に国債の金利は自然に上がっていくでしょう。

金融機関が国債で運用するよりも企業に融資した方が高いリターン
を見込んでいる証拠です。国債を買ってもらうには金利を上げて
投資家にリターンをアピールしなければなりませんので。

もっとも、この緩やかなインフレが維持されている状況では政府の
出る幕はありません。公共財の維持程度の政府支出で良いです。

次の政府の出番は、インフレ率が高くなり過ぎないように増税や
規制緩和などで受給バランスを調整してインフレ率を下げること
でしょうね。


前にも言いましたが(多分…)、デフレを解消し名目GDPを増やさ
なければ、名目GDPの分配先である税収は安定的に増えません。
国債の償還だってできません。

今は金利が低く、低コストで資金を調達できるので、一刻も早く
国債発行で政府の直接投資を推し進めていって欲しいですね。


いやかなりマジで。。。消費税上げるなんて論外だろ。

つづく