★TPPを通じて学ぶ経済学~目次~★
くろやぎです。
11/11夜、なんちゃら総理がTPPについて関係各国との協議に参加
する表明をしました。。。悲しいですね。
もっと悲しかったのは、総理の表明を受けて反対派(慎重派?どっ
ちでもいいよ)の民主党議員で前農水大臣であるなんとかさんが
総理の表明の内容について「ほっとした。交渉参加表明ではなく
事前協議にとどまった」とか「党の提言をくんで踏みとどまって
くれた」とか言って評価したらしい。(by時事通信、産経新聞)
この2つは文言は違うけどTPP参加へのプロセス上で、一体何が
違うのかな…言葉遊び?
交渉の内容次第で途中で抜ければいいといわれてるけど、米国の
ワイゼル主席交渉官が「参加の決断は前もってなされるべきだ。
真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」と、牽制して
きてますが・・・(10/29産経新聞、日経新聞)
抜けられるといいな。
さて、個人的な気持ちの主張はこのくらいにして・・・
■企業が頑張ってもデフレは解消できない
我々は消費者であると同時に生産者である。
したがって、物の価格が下がることは消費者としては嬉しい反面、
生産者としては売上高の低下という嬉しくない結果に繋がります。
企業は営利団体ですので、売り上げが減る中で利益をあげるために
コスト削減を行います。そうすると、従業員の所得は少なくても
横ばい、あるいは企業は不景気の中で内部留保を貯めようとする
ので所得は減ってしまう事になります。社会保険料も増えるし。
また、国内の市場が縮小しているから海外へ打って出ようという
声もよく聞こえますが、
例えば自由貿易によって輸出が増加し輸出企業は潤ったとしても、
円高や世界中が不況の中で競争力を維持するために人件費は増やさ
ないでしょう。企業がいくら儲かったってその実感はありません。
2002年から続いた好景気は“いざなぎ景気越え”と言われた一方で、
実感なき景気回復と揶揄されました。純輸出の増加によりGDPは
成長しましたがそれが国民の所得増には繋がらなかったからです。
グローバル化の進展というのは、企業の利益が国民の利益に結び
つかなくなっていく面もあるようですね。アジアの成長を取り込む
だの、グローバル化に乗り遅れたらいけないだの、今の国民の誰が
聞いても甘美な響きを持つフレーズだけで輸出拡大を「良い事」
だと言っていますが、実際は輸出拡大で国民所得を増やす事は
難しいと、リーマンショック前の日本経済が証明していたんです。
■デフレの解消法
営利企業が、その経済活動のなかでデフレを解消できない事は
判りました。では、誰がデフレを解消できるのでしょうか?
消去法でお分かりかもしれませんが、その主体は「政府」です。
政府だけが経済活動の原理を超えて介入できる存在なのです。
より具体的には、望ましいインフレ率にすべく潜在供給能力を
超えるまでの需要を創り出すために、採算度外視の投資を続ける
ことのできる存在ということです。
そんな存在は政府しかあり得ませんよね。
ですから、今政府がやらなければならない事は、民間に対して
投資を行い国内の需要を増やすことに尽きます。「投資」と
やんわり表現していますが要は政府調達。つまり公共投資です。
■なぜ公共投資「悪」と決めつける?
この公共投資という単語を聞くと、我々は反射的に「悪いもの」
とレッテルをはり「税金のムダだ!」と、一様に声をあげます。
その理由として考えられることは、
1.「本当に無駄」な公共事業をメディアを通じて刷り込まれて
いるため、全ての公共事業が無駄だと誤解してしまっている。
2.公共事業をするときに「赤字国債を発行して公共事業なんか
やって、財政破綻したらどうするんだ?」という財政破綻に
対して誤った認識をもっているため、国債発行を嫌っている。
他にもあるでしょうがこのくらい?
まず言っておくと、いわゆる財政破綻?という現象は日本では
発生しません。次のテーマは国債にしようかな。説明はそこで。
個人的には、一刻も早く国債を発行して公共事業をやって欲しい
ですね。
理由は、
・国民所得が増えないグローバル化の進展
・失業者が生まれセーフティーネットの為に歳出が増えたり、
効率性が上がることでデフレを促進する構造改革/民営化
・デフレ時は拡張的な拡張的な財政政策をしなくてはならないのに
インフレ時の対策である緊縮財政やっている
・消費(需要)を増やさなければならない時に可処分所得を減らす
増税をやった
以上の政策はインフレを抑えるための政策(=デフレ拡大策)です。
これらの的外れな政策をやっている限りデフレは続き、それに伴い
歳入は減り続け、歳出は増え続けるでしょう。
つまり、遅かれ早かれインフレ転換のための財政出動は必要に
なってくるのです。日本の舵取りに係わる方たちはインフレと
デフレの違いが解っていないのかもしれません。
長くなってきたので、具体的なデフレ解消策は次へ持ち越し。
基礎的なマクロ経済学の知識によって導くことが可能です。
ちなみにWikipediaのデフレーションを読めば対策が載ってますw
以上