6月も終わり、加入している社台サンデー、東サラ両クラブの募集が終わりました。

東サラはいっぱい余ってるけど

 

今年の出資で言うと、あとは度々言及しているキャロットの入会チャレンジくらい。

東サラでこれ以上足す気はないので、ひとまずのポートフォリオは固まりました。

 

ということで、今年の愛馬達について、

自分の考えの整理も兼ねて纏めておきたいと思います。

 

 

先ずは大本命である、40口サンデーの出資馬から。

 

 

 
ヴァシリカの23[牝1] <美>林徹厩舎
父コントレイル×母ヴァシリカ(母父Skipshot)

  母系

母ヴァシリカは米国産。現役時は芝8F~10F戦で活躍を見せました。

デビューは3歳6月と比較的遅めでしたが、明け4歳から覚醒。重賞初挑戦となったジョン・C・マビーS(GⅡ)を制すると、勢いそのままに3連勝でロデオドライヴSを制してGⅠ初制覇。4歳以降は全て重賞レースに出走し、馬券外となったのは1度のみ(その1回も4着)。本格化以降は8-1-2-1(うちGⅠ2勝)という強烈な成績を残しました。

 

ラストランとなったBCフィリーメアターフでは、名門オブライエン厩舎の女傑イリデッサ(GⅠ4勝)にクビ差及ばず2着(イリデッサの仔も過去2年サンデーで募集されてましたね)。

引退後、2019年のノベンバーセールにて、ノーザンファームに150万ドル(1億6,000万円)で落札され来日しています。

 

ファミリー単位で見るとブラックタイプは少なく、母ヴァシリカの戦績が突出している形。若干突然変異気味なのかもしれません。米国の芝レースはレベルが疑問視されがちですが、母は先述のとおり本場である欧州のトップホースと差のない競馬をしているので、能力とい点では疑いようはないでしょう。

 

初仔のクラッチプレイヤー(ドゥラメンテ)はセレクトセールで1億1,550万円の高額で取引されました。苦戦を強いられていましたが、6/30(日)の福島芝2,000mで未勝利を脱出。開幕週の高速馬場でしたが、1:58.01の好時計でスピード能力を示してくれたのは良かったです。母と同じく、成長曲線はゆっくり目なのかもしれませんね。

2番仔は生後直死。本馬は3番仔になります。

 

 

  血統

コントレイルはこの世代が初年度産駒。ディープインパクトとの父子無敗三冠を成し遂げ、今年目出たく顕彰馬に選出されました。古馬になってからは、泥んこ馬場の大阪杯こそ離された3着でしたが、天皇賞秋では差のない2着。引退レースとなったジャパンCでは堂々の勝利を挙げ、花道を飾りました。通算8-2-1-0で一度の馬券外もない、安定した競争成績でしたね。

 

ディープインパクト×Unbridled's Songは、産駒22頭に対して95%の勝ち上がり率、AEI7.25という黄金ニックスのひとつ。コントレイルの他にも、ダノンプラチナが朝日杯FSを制しています。

ディープ内のSir Ivorと、母系のCequilloIncantationがトリプルニアリークロスとなり、柔軟性とスピード能力を遺伝。そこに母系からStorm Catを持ってくることでウインドインハーヘア内のAlzaoとニアリークロスしナスキロ的な跳びの大きさと柔らかな切れ味を補完して、欧州的な重たさを解消したのがコントレイルの配合だと思っています。

 

かなり北米色が強い血統で、2歳戦から早期始動~4歳あたりがピークとなる米国競馬的な速攻系の血ですね。昨年から、類似するサンデーサイレンス×Unbridled's Songのスワーヴリチャード産駒が2歳戦からブイブイ言わせていることからも、早期のデビューを期待しやすそうな種牡馬だと思います。

 

本馬の配合のポイントとしては、以下の3点になろうかと思います。

 

Haloの4×5およびTurn-toの中間断絶クロスによるサンデーサイレンスの刺激=日本的なスピード能力の供給

Sir Gayloadタミーズターン(Turn-to×Tom Fool)のニアリークロスによるスピードと柔軟性の増幅

ディープインパクト×Damascus×ナスキロ(≒Storm Cat的要素)=キズナ的な血統構成

 

キズナ的な要素(ディープ的な瞬発力+Damascus由来のパワー)を基本軸に、HaloクロスやSir Gayloadのニアリークロスでスピードと柔軟性を足したような形の配合。そこにUnbridled's Songが絡むことで、先述した北米的な仕上がりの早さを求めたようなイメージでしょうかね。

母も半兄も晩成っぽい成長曲線のようなので、日本競馬的なクラシック思考に則った組み合わせなように感じます。

 

懸念点としては、やや軽すぎるきらいがある血統構成のため長い距離はどうかな、という点。母父Skip Awayの血脈が未知数すぎるという点でしょうか。

配合のイメージからは、芝1,600~2,000mという感じですかね。

 

 

  馬体・歩様

スラっとした手脚の長い体付きで、上下左右のバランスは良いと思います。管囲18.7cm、馬体重372㎏と数字上は小柄ですが、体高が160cmあるためツアーでもそこまで小さくは見えませんでした。キリっとした顔つきで集中力もあって、顔立ちは好みですね。

現時点では若干肉付きが薄い印象はありますが、フレーム自体は悪くないので、成長に伴ってある程度筋肉が付いてくる素養はあると思います。とはいっても、半兄もそこまでマッチョという感じではないですから、軽さを感じるシルエットのまま行くのではないでしょうか。

トモ高でキ甲も成長していませんから、まだまだ変わって来るとは思います。飛節や球節はしっかりした作りで、脚元もしっかりしています。毛ヅヤも悪くはなかったですから、体質などはそこまで心配はなさそうです。

肩と首の角度が良く、ゆとりのある作り。どう見ても距離は持ちそうなタイプで2,000~2,400m辺りで良さを出して欲しいですね。

 

歩かせると非常に柔らかさとバネを感じました。特に飛節が綺麗に伸び、後肢の踏み込みも十分で、繋ぎのクッション性の高さを感じられます。

もう少し重心の低い歩様であれば言うことなしでしたが、それでも首を上手く使ってハキハキと歩けており良く見えました。前肢もしっかり伸びていましたし、動きの質は高かったと思います。

 

トモにはまだ緩さを残しますが、飛節や繋ぎはしっかりしていて、そこまで晩成傾向といったタイプでもなさそう。

側尺や体付きからも、大きくなって~450㎏サイズ。そのアドバンテージを活かして早期始動という可能性も全然あると思います。期待の新種牡馬コントレイルの産駒ですし、ノーザンFとしても早めにお披露目したいでしょうからね。動きさえ良ければ6月の府中で、という期待はしばらくの間は持っていたいです笑。

 

  厩舎

マイルGⅠ3勝のソングラインを育て上げた林厩舎になります。2023年は自己最高のリーディング32位を記録しましたが、ソングラインやアナザーリリックといった牝馬の稼ぎ頭達が引退し、今年は104位とやや停滞傾向です。

東大医学部卒という経歴が先行しがちでしたが、ここ数年で完全に独り立ちした印象で、今はどちらかというと「ソングラインの林厩舎」の方が肩書きとしては強いですね。

 

特徴としては、クラブ馬比率43%と高い傾向。社台グループ率も42%を占めており、社台系クラブ馬が高い割合の厩舎と言えます。クラブ馬回収率も197%と高水準ですが、これはソングラインが1頭で引き上げているのもありそうです(回収率3,223%)。

また、これまでの平均募集価格は2,400万円前後だったため、回収率が上振れやすかったという点もあるでしょう。

 

現在はノーザンファームから美浦の若手トップ5的な扱い(木村、田中博、宮田、黒岩)を受け始めており、今年の預託馬を見ても募集価格と馬質は明らかに上がっていますから、この中で結果を出せるかどうかがまたひとつ重要になりそうな気がします。

 

そして、林厩舎といえばとにかく牝馬の成績が抜群に良いというのが大きな武器。勝率、クラシック出走率、重賞馬輩出率、AEIのどれを取っても牝馬が上回ります。

馬のケアが非常に丁寧で当たりが柔らかいというのが、繊細な牝馬と噛み合っているような印象ですね。飼い葉をかなり工夫しており、馬に喰わせるのが上手いというお話も今年のツアーバス内で耳にしました。

 

私自身は初の出資ですが、馬に対して丁寧なアプローチをする厩舎というイメージで、SNSなどでの評判も非常に良いので楽しみにしています。

 

 

  まとめ

今年40口でコントレイルの産駒に出資するつもりなんて、当初はさらさらなかったんですが……これも巡り合わせですね。父の種付け料は既に1,500万円まで上昇していますし、この血統にこのお値段で出資できるのももしかしたら最後かもしれません。

40口は新種牡馬を狙えって言われますしね。

 

今年の募集で様々なコントレイル産駒を見ましたが、感想としては"走ってきそう"でした。ゴリゴリのパワータイプであるキズナと違い、ディープらしい柔らかさとバネを持ち合わせた馬が多い印象で、芝王道での活躍が期待できると思います。結果出してくると思いますよ、コントレイル産駒。

キズナと住み分けが出来そうなのも良いですね。

 

私の過去2世代の40口出資馬は育成段階で何らかの頓挫があった(元々体質が弱い血統なのもありましたが)ので、この仔はとにかく無事に順調に行ってくれることを望みます。2歳戦から古馬になるまで、クラシックディスタンスで息の長い活躍を期待したいですね。

 

 

 

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