競馬の祭典、第91回日本ダービーは横山典弘騎手騎乗のダノンデサイル(エピファネイア)が、ラチ沿いを鋭く伸びて後続に2馬身を付ける快勝。皐月賞を無念の競争除外となった悔しさを、この大舞台で晴らして見せました。
 
横山典弘騎手は、56歳と3ヶ月でのダービー制覇が史上最年長。
逆に調教師の安田翔伍師は史上最年少かつ管理馬初出走でのダービー勝利。
そして馬主のダノックスは、苦節22年で初の八大競争制覇がダービーとなりました。
 
色々と記録尽くしとなった今年のダービー。関係者の皆様、本当におめでとうございましたクラッカークラッカー
 
 
無敗の二冠を期待されたジャスティンミラノ(キズナ)は2着。
1番人気らしい真っ向勝負の競馬を見せましたが、スタート直後の折り合いに若干苦労した影響か直線では思ったよりも弾けず。それでも2着と強さは示しました。個人の予想としても、ダービー本命予定で皐月賞消し(その皐月で優勝)→ダービーで本命視して2着は、昨年のソールオリエンスと全く同じ流れでした。来年は同じパターンなら2着付けかな・・・。
 
3着には豪脚で追い込んできたシンエンペラー(Siyouni)。
皐月賞の時よりも状態が良いと矢作師が言っていた通り、体つきを大きく見せるこの馬らしい立派な作り。東京替わりがどうかなと思っていましたが、素晴らしい脚を見せてくれました。坂井Jも、腹をくくった良い騎乗でしたね。
秋は凱旋門へ向かうとのことで、欧州血統ですし躍進を期待したいです。
 
15番人気ながら、最後方から捲って4着に残したサンライズアース(レイデオロ)、出遅れ後方追走でノーチャンスでしたが上がり最速の脚で自力は見せたレガレイラ(スワーヴリチャード)、好発から直線を向くまでは夢のあったシュガークン(ドゥラメンテ)も晩成血統と、この3頭も秋以降が楽しみですね。
 
 
さて、ダービーをダノンデサイルが勝利したことで、父エピファネイアは今年の牡牝クラシックをどちらも勝利したことになります。国内最高となる1,800万円の種付け料となりながら、2022年は重賞1勝、2023年も重賞3勝で2年連続GⅠ制覇なし。非常に残念な成績が続いていましたが、今年に入ってからは既に重賞8勝(うち3歳馬が5勝)、GⅠ3勝(ステレンボッショ、テンハッピーローズ、ダノンデサイル)と絶好調です。
 
ここから2世代(現2歳~1歳)は更なる黄金世代ですので、更に結果が付いてくるはず。古馬GⅠも制して早熟という声にも結果を見せつけた今、再び1,800万円の種付け料に返り咲く日もそう遠くはなさそうです。
 
 
また、ダノンデサイルは母父A.P. Indy系、母母父Storm Cat系で、母系は完全な米国血統。つまり非サンデーサイレンスであり、エピファネイアのスターターセットといわれたサンデーのクロスは含んでいません。
デサイルの血統表はNasrullah×Princequilloのいわゆるナスキロの血が非常に豊富に入っており、自身の血統表内でクロスしているSeattle SlewとRobertoはもちろん、Storm Cat内のSecretariatもナスキロの血脈。柔らかなストライドとトビの大きさを伝えますので、戦前のレビューでは「中山向き」と書きましたが血統的には正に府中のような大箱コースこそ似合う馬だったということですね。
そこにSadler's Wellsを入れて緩くなりすぎないようにネジを締めるとともに、シーザリオ由来の心肺機能を注入した馬ということで、どちらかというと父系の良さを引き出す配合。これまでの成功したエピファネイア産駒には珍しいタイプの血統表だと思いますし、この馬が成功したことによる馬産地への影響は大きいような気がします。
 
来週から始まる1歳馬募集、エピファネイア産駒は大物目白押しですが、お陰様でお値段も張っています。
今回の活躍で、来年以降も値の張るお父さんになりそうなのは残念ですが、クラシックを意識するならエピファネイアという定石は今後も変わらなさそうですね。
 
 
(P.S.)
馬券は◎ジャスティンミラノから〇ダノンエアズロックと▲ダノンデサイルへの馬連を各2,000円ずつ。これが13万7千円の高配当になりました。やったぜ!
 



 
でももっと張っとけばよかった・・・!