伝統の春の盾は、6歳にしてステイヤーとして完成されたテーオーロイヤルが横綱相撲で完勝。リオンディーズから、長距離GⅠホースが生まれました。これで後継種牡馬確保ですね。菱田騎手、岡田調教師はこれが嬉しいGⅠ初制覇。本当におめでとうございますクラッカークラッカー
 
一方、人気を背負った4歳馬ドゥレッツァはブービー敗戦。軽度の熱中症とのことでしたが、それにしても負けすぎな気も……。
2,000mではプログノーシスに子供扱いされ、長距離でも厳しい敗戦。2,400m前後の距離は年上馬や下の世代の層が厚く、同期の三冠牝馬も立ちふさがる形になりますから、国内でGⅠを勝つには大変な運が味方をしないと厳しそうだなぁという感想です。
ノーザン的にも何とかもうひとつ勝たせて種牡馬にしたいんでしょうが、国外遠征して空巣が出来そうなレースを狙うしかないかも知れませんね。
 
4歳世代、やっぱり厳しいのかな……?
そんな話を前置きに、サンデー予定馬の検討を続けましょう。
 
 

 

 

 ギエムの23 (牡)

予想募集価格:90万円/口

配合:サトノダイヤモンド×Medaglia d'Oro

生年:5月3日生、母9歳時(5番仔、産駒勝ち上がり3/3)

母:未出走

祖母:海外10勝(米GⅠ🥇×2回)

兄:ショウナンバシット(シルバーステート) 3勝(23' 若葉S🥇)

母は未出走ながら、アメリカでGⅠ2勝を挙げ最優秀2歳牝馬にも選ばれた祖母オーサムフェザーの血が評価される形で繁殖入り。その期待に応える活躍をここまで見せており、デビューした産駒は全頭勝ち上がっています。2番仔ショウナンバシット(シルバーステート)は若葉Sを制し、牡馬クラシックも皆勤賞でした(その後は頭打ち気味ですが)。

 

牝系からは重賞3勝を挙げたシルクフェイマスなど活躍馬も出ています。また、5代母Quillまで遡るとあの"スーパーカー"マルゼンスキーの名前も出てくる、日本に縁のある牝系です。

 

本馬は父がサトノダイヤモンドへと変わっています。ここまで通算AEI/CPI(繁殖の質に対するAEI)が0.31。デビューも遅く、父のように切れる馬もほぼ出てこないということで非常に厳しい種牡馬としてのスタートとなっています。

とにかく牝馬の成績が悪く(括弧内は牡馬の成績)、勝ち上がり率26%(39%)、重賞馬率0%(1.5%)、AEI0.33(0.72)と散々。まだ牡馬に出ただけマシですが、社台スタリオンから追い出されるのも納得です(ちなみにレイデオロはこのサトノダイヤモンドをさらに大きく下回る指標でかなり厳しい)。

 

唯一の重賞ウィナーであるサトノグランツの配合は、母父Danzig系×母母父Nijinsky系。牝馬で走っているシンリョクカも母母父Nijinsky系と、Nijinskyとの相性は良さそうですね。本馬はNijinsky入ってませんが

 

サトノグランツで言うと、Alzao≒リリズムのニアリークロスが入っており、ディープ直系種牡馬とこのニアリークロスは非常に相性が良いです。同一クロスはありませんが、本馬も4代目に入っているMais Oui(Lypard×Turn-to×Teddy)がニアリークロスとなっていますね。

 

ただし、サトノダイヤモンドの活躍馬達と比べるとSadler's WellsやDamascus、Dupity Ministerといったパワー系の血が濃い印象で、ただでさえ重たいサトノダイヤモンド産駒が血の影響から更に重たく出そうな雰囲気があるので、芝でやれるだけの素養があるか否かという点はよくよく見極めなければなりません。

 

 

サトノダイヤモンドは残念ながら社台スタリオンでは失敗の烙印を押されてしまいましたが、スタリオン追放後に活躍馬が出るのは競馬あるあるだと思っていますので、今年のサトダイ産駒は要注目だと個人的には思っています(オカルトですが)。

母の仔出し能力を味方に、走る馬となってくれてることを祈ります。