今年は無敗三冠馬であるコントレイルの初年度産駒が募集される年。後輩イクイノックスのインパクトが強く、(個人的に)ややインパクトが薄れている感もありますが、とはいえ馬産地の期待も大きいでしょうし楽しみですね。
今日取り上げるのは、そんなコントレイル産駒です。
 

 

 

 ヴァシリカの23 (牝)

予想募集価格:150万円/口

配合:コントレイル×Skipshot

生年:2月19日生、母9歳時(2番仔、産駒勝ち上がり0/1)

母:海外18勝(米GⅠ🥇×2回、米重賞🥇×8回)

兄:クラッチプレイヤー(ドゥラメンテ) 未勝利

母はアメリカでGⅠ2勝を含む重賞8勝。アメリカ産繁殖は、個人的にはBCで勝利 or 連帯をしていない限りはあまり信用しないんですが(アメリカにGⅠが多すぎる)、BCフィリーメアターフの2着もあるのでこの点はクリアしています。

そこまでブラックタイプが多い牝系というわけではなく、一族で見ると母ヴァシリカが突出しているような形ですね。牝系の活力はそこまででしょうか。

 

初仔のクラッチプレイヤーは、セレクトセールにて金子オーナーが1.15億円で落札しましたが、4月現在で勝ち上がれていません。

本馬は2番仔になりますが、このパターン(初仔セレクト→2番仔牝馬がサンデー募集)は三冠牝馬リバティアイランドと同一。サンデーで募集される「母が輸入馬の牝馬かつ1〜2番仔」はジェンティルドンナグランアレグリアも合致しており、このパターンは大物率が高くなります(もちろんその分三振率も高いですが)。

 

コントレイルは、先述の通りこの世代が初年度。ディープインパクト×Unbridled's Songというニックス配合ですが、この形は現在一斉を風靡するスワーヴリチャード(ハーツクライ(=サンデー系)×Unbridled's Song)と非常に近しい血統構成をしています。

 

スワーヴリチャードにおける配合のポイントは、

①Danzigなどの血によるハーツクライ特有の緩さの補填

②Incantation≒Sir Ivorのニアリークロスによるスピードの注入

の2点が現段階ではよく挙げられています。

 

コントレイルにおいては、

①はハーツクライ特有の問題ではあるが、ミスプロやDanzigの血は早熟性が増すためクラシックを期待するのであれば有用

②はコントレイル自身の配合パターンと同様であり、即ちコントレイル自身の強みを更に増幅する配合

となるため、個人的にはいずれも有用な血であると思っています。

 

強いて言えば、更に③父父ディープインパクトとニックスであったStorm Catの血は、ウインドインハーヘア内のAlzaoとのニアリークロスにより柔らかなストライドをもたらすため有用ではないか、と考えています。

本馬については、残念ながら①〜③いずれの血も持ってはいませんが、母母にあたるLa Belle Marquetはナスキロ(=Nasrullah×Princequillo)を豊富に含んでおり、これは③で記述したStorm Catとのニックス要素であることから③については満たしている形。
血統で考えると、1,600〜2,000mの大箱コースが適正になるのではないかなぁと思います。
 
また、母父Skipshotは非常に貴重な④Damascus系の血統ですが、このDamascusという血はコントレイルと同じディープインパクト産駒の先輩であるキズナの母母父にあたります。キズナは母父Storm Cat+母母父Damascusですから、つまるところ本配合は
 
ディープインパクト×(母父Damascus系(④)+母母父ナスキロ(≒Storm Cat③))=キズナ×Unbridled's Song(日本的なキレ味)
 
という図式で表現してよいのではないかと思います。
 
キズナ×Unbridled系の配合からは、今年のクイーンカップを制したクイーンズウォークが出てきていますが、あの馬も鋭いキレ味を武器としています。イメージはあの競馬になるんではないでしょうか。
 
 
懸念点としては、特に母父Damascusのラインの影響からこの配合は硬く出る可能性も高く、芝向きの柔らかさを持っているか否かというところ。
半兄クラッチプレイヤーもやはり硬さが見られる馬ですので、この辺りはツアーや歩様動画を念入りにチェックした方が良いと思います。
 
 
ディープインパクト自身も、同じディープ系のキズナも牝馬の方が走る印象ですので、コントレイルについても当面は牝馬を狙うのが◎だと思っています。
サイズなども含めて、コントレイルがどんな子を出すのかはよーく観察したいですね。