のんびり続けてきたこの企画も今回がラスト。最後は外国産種牡馬です。実際にリスト化してみると、社台グループに導入されている海外種牡馬は大半が米国血統なんですよねぇ。改めて思いました。
 
欧州系種牡馬は、今をときめくFrankelですら日本で走らせた上で結果が出た馬だけを種牡馬として導入してるので、やはり日本と欧州の芝では同じ競馬でも競技が違う、ということなのでしょう。
そういう意味でも、種牡馬入りチャンスを狙うにはノーザン系クラブの欧州産マル外はロマンがあるんでしょうけどね笑。
 
 

 

 

ブリックスアンドモルタル(10歳) 種付料:600万円

●クラブ募集されそうな馬

・レイリオン(祖母リリサイド)⇒

・ディオジェーヌ⇒

・アグレアーブル⇒

・サンソヴール⇒

・リリカルホワイト⇒

  ひとこと

産駒デビュー前に付けられた年なので、質・量ともにかなり抑えめ。ということは、馬体面でのノーザンファーム内の評価はそこまで高くなかったということなのかも知れません。社台は相変わらずお熱ですけどね。

初年度産駒は複数勝利が4頭、交流重賞も含めて重賞3勝とまずまずのスタートを切りました。日本の高速な芝向きのキレ味というよりは、Storm Cat的な持続力が持ち味だと思うので、芝馬というよりはダート馬なのかなぁというここまでの印象。気性面での課題も多いので、芝ダートのマイル前後がイメージしやすいかもしれません。の割には募集価格がお高めなんですよね。個人的にはもうちょい様子見したい種牡馬です。

 

 

 

ドレフォン(11歳) 種付料:600万円

●クラブ募集されそうな馬

・ターシャズスター(姉エスメラルディーナ)⇒

・リラヴァティ(母GⅢ勝)⇒

・クイーンスイープ(祖母スイープトウショウ)⇒

・フェアリーグルーヴ(3代母エアグルーヴ)⇒

・ゴールドティア(祖母ヒストリックスター)⇒

・ハウナニ⇒

・ラストプリマドンナ⇒

・キラービューティ⇒

・オールポッシブル⇒

・グリューヴァイン⇒

・ボージェスト(祖母アドマイヤグルーヴ)⇒

・ポレンティア⇒

・タッチングスピーチ(母GⅡ勝)⇒

  ひとこと

個人的にはダート種牡馬だと思ってるんですが、芝系の母を集めてますね。初年度に皐月賞馬ジオグリフを出しましたが、以後重賞で勝ち負け出来る馬は出てきていません。ダートor芝短距離のコルトサイアーに種付け料600万円ですから、個人的には非常に割高という印象。値付けが落ちるまでは様子見したい1頭です。

 

 
 

マインドユアビスケッツ(11歳) 種付料:300万円

●クラブ募集されそうな馬

・キャンディケイン⇒

・シフォンカール⇒

・ブルーメンクローネ⇒

・スペクトロライト⇒

・オージャイト⇒

・キープシークレット⇒

・コーディエライト⇒

・アンデスクイーン(母交流重賞3勝)⇒?(グリーン

・ガルデルスリール(姉モリアーナ)⇒

・マスターワーク⇒

・ベルディーヴァ(祖母ハルーワソング)⇒

  ひとこと

初年度からデルマソトガケを輩出。父譲りのダート馬を多数送り出していますが、そのデルマソトガケは社台産。ノーザンは現状そこまで力を入れてる印象はないですね。シルクとキャロットのアワブラ血統が目立つ形ですが、ダート三冠狙いなんでしょうかね。本家での募集は少なそうです。

 

 
 

ナダル(7歳) 種付料:300万円

●クラブ募集されそうな馬

・メリッサーニ⇒

・カイカセンゲン⇒

・シャンデリアハウス⇒

  ひとこと

クラブで募集されそうな馬は少なそうなナダル。とにかく自身も産駒もデカいという印象で、こういうタイプは繁殖初年度や小柄な母を多く集める印象です。後は、日本で走れるだけのスピード能力があるのか否かで、ここは初年度産駒の走りっぷり次第というところでしょう。

 

 
 
 

ニューイヤーズデイ(13歳) 種付料:200万円

●クラブ募集されそうな馬

・トリプライト⇒

・ミクロコスモス⇒

・エレガントマナー⇒

・シャンボールフィズ⇒

・ピュアブレンド⇒

・アラゴネーゼ⇒

・エールデュレーヴ⇒

  ひとこと

代表産駒であるマキシマムセキュリティが、ドーピングによりサウジカップの優勝が剥奪。そのマキシマムセキュリティがいなければ、大した成果を挙げられていないのがニューイヤーズデイ、というのが個人的な評価です。

現3歳が初年度産駒で、新馬〜未勝利クラスでは芝ダートを問わず比較的安定した戦績を残していますが、上位クラスでは決め手に欠ける印象で、大物輩出は難しいのではないかと思ってます。個人的なNG種牡馬の一頭ですね。

 

 
 
 

シスキン(7歳) 種付料:200万円

●クラブ募集されそうな馬

・アウェイク⇒

・パストフォリア(姉サブライムアンセム)⇒

・レネットグルーヴ(兄ローシャムパーク)⇒

・フェアレストアイル⇒

・ネオフレグランス⇒

・デグラーティア(母GⅢ勝)⇒

  ひとこと

大事な初年度に、種付け中の転倒により数を付けられず。3世代目となる今年も、種付け頭数は70頭程度と少なめです。人間もそうですが、成功には運の要素が不可欠ですね。

とは言いつつも、質の面では最低限はノーザンから担保されており、逆に言えば頭数が少ないとはいえこれで全く結果が出ないようであれば……という圧も感じます。血統的には日本で一発あってもおかしくないと思うので、うまく母系の良さを引き出せればという感じでしょうか。

 
 

ホッドロッドチャーリー(6歳) 種付料:150万円

●クラブ募集されそうな馬

・リングネブラ⇒

・レッドソンブレロ⇒

・カイカヨソウ⇒

・パールデュー⇒

  ひとこと

供養1年目の種付け世代です。自身はGⅠ1勝ながら、米チャンピオンスプリンターを兄に持つ血統と、その個性的な血から輸入されました。母父を選ばないことと安価な種付け料が魅力なので、当たりは社台グループ外から出そうな気もします。

母系由来のスピード能力はありそうなので、日本の芝向きの肌と配合されたときに、芝をこなす産駒も出てきそうな印象。とはいえ繁殖の質は低めで、ノーザン系クラブでの募集も殆どなさそうなラインナップです。

 

 

 

ハービンジャー(18歳) 種付料:Private

●クラブ募集されそうな馬

・アルミレーナ⇒

  ひとこと

ついに実質的な種牡馬引退となりました。お疲れ様。

結局後継種牡馬は確立出来ず。チャンスもあったように思いますが、社台グループからは語弊を恐れなければ「不要」と判断されてしまいました。一方で、ブルードメアサイアーの血故か、今後の日本競馬を母父側から盛り上げてくれるという確信はあります。実際に、早速レガレイラがGⅠを制しましたしね。

程よい筋肉の柔らかさと、そこからくる瞬発力が産駒に伝われば、国産・外国産種牡馬を問わず好相性を見せてくれることでしょう。固く出やすいキズナやコントレイルなんかは、母父ハービンジャーとの相性はきっと良いはず。好きな種牡馬だったので、残り1世代は出資のチャンスを狙いたいと思います。