加入クラブの今年度の募集が終わってしまったので、ブログの更新ネタに乏しい昨今。ということで、やりたいなぁと思いながらもタイミングがなくて着手していなかった企画を細々とやっていきたいと思います。
種牡馬分析ですね。
今後の募集に向けて、自分の思考を整理するためにも、そして後で見返せるようにしておくためにも、つらつらと書き記して行こうと思います。
ピックアップする種牡馬は、ひとまず種付け料の高い順に行きましょう。第一回は国内最高額を誇るも、イマイチ一口では人気のないエピファネイアです。
●特徴
①早熟性
始動が非常に早く、2歳戦の早い時期からデビューが可能な早熟性が最大の持ち味。少なくとも3歳いっぱいまではピークアウトすることもなく、クラシックを狙う者にとっては非常に魅力が高い。早枯れが世間的に心配されるが、イズジョーノキセキやジャスティンカフェが5歳で重賞を制するなど払拭の兆しあり。
②高い芝中距離適性
いわゆるクラシックディスタンス(2,000〜2,400m)に高い適性を持つ。3,000m近い長距離になると、後述する気性の影響か持ち味が薄れる。
③トップスピードの持続力に秀でる
エピファネイア自身も、後述するナスキロ的な血から来るスピードの持続性が持ち味の馬で、府中の直線でもトップスピードを維持したまま走り抜けていたが、産駒にもその能力が遺伝している。牝馬に出ると瞬発力に優れた産駒も。
④気性の荒い産駒が多い
エピファネイア自身も、シーザリオ由来の制御が効かない激しい気性で知られていたが、産駒も気の強い馬が多く、あまり過度なインブリードや気性の荒い母系とのカップリングは避けたい。
⑤募集時にトモの弱い産駒が多い
牡牝を問わず、全体的な特徴として前駆が強く後躯が貧弱なケースが多い。胸周りの力強さは、エピファネイアの母シーザリオ由来の心肺機能の高さや力強さを受け継いでいるケースが見られるが、反対にトモはKrisS.≒Habitatのニアリークロスで強調された柔軟性が要因か、Habitat的な弱さが目立つ(これはエピファネイア自身もそうだった)。
⑥ダート適性はからっきし
シンボリクリスエス系×サンデーサイレンス系の組み合わせからは、ダートGⅠ4勝のルヴァンスレーヴや交流重賞を制したプリティーチャンスなどが出ているが、本馬の産駒はダート適性は非常に低い。シーザリオ牝系の影響の強さからか。
●配合
エピファネイア自身は父シンボリクリスエス、母父スペシャルウィーク由来の胴長なシンボルと、前述したシーザリオ(=Sadler's Wells)由来の深い胸前と高い心肺能力を持っていた。配合としてはいわゆるナスキロ(Nasrullah×Princequillo)的な要素が強く、これが跳びの大きさと柔らかさの原点になっている。
シーザリオ牝系は、とにかくこの母系の優秀っぷりで飯を食っている馬が多く、産駒が種牡馬入りしてもやはり意識的にシーザリオの血を刺激していきたいところ。シーザリオの根幹はSadler's WellsとTurn-toにあるので、ここに触ることが出来る血が相性が良いです。Sadler's Wellsについては、名牝Specialのクロスが発生するNureyevなどの血が有効。Turn-toについては、皆さんご存知サンデーサイレンスを母系から入れるとクロスが出来ます。
逆に相性の悪い血は欧州・米国系を含む海外種牡馬の母父で、要因としては恐らくSadler's Wells(=Special)とTurn-to主導のエピファネイアの血統表に対し、Northern Dancer色が強い海外血統はそもそも主張が異なるため、強調点が不明瞭になること。馬齢を重ねるごとに筋肉が固くなりやすい父父シンボリクリスエスの特徴から、重たくなりすぎると古馬での伸び代に乏しくなること。エピファネイア産駒のダート適性が低いため、パワー色の強い海外血統と相性が悪いことなどが挙げられるでしょう。
●注目のBMS
★キングカメハメハ
デアリングタクトやイズジョーノキセキを輩出した配合。キンカメの父であるKingmambo、その母Miesqueの父がNureyevであるため、上述したSpecialのクロスが自動的に付いてきます。母系がマイル色が強く、スピードにヒイデた牝系であればなお相性が良いです。
★ハーツクライ
同じサンデーサイレンス系統にはディープインパクト(72頭/AEI0.99)やアグネスタキオン(40頭/AEI0.66)、ダイワメジャー(25頭/AEI0.42)といった組み合わせもありますが、その中でもハーツクライは僅か14頭ながらAEI4.51。エフフォーリアを含む7頭が中央で勝ち上がっています。上述した筋肉が硬くなりやすい父父ボリクリの特徴を、ハーツクライ特有の緩さで緩和しつつ、相性の良いサンデーサイレンスの血を注入出来る点が優れているように感じられます。
●出資の際の注意点(まとめ)
①芝専用機として腹を括って出資する
②トモの形、肉がつく骨格があるかに注目
③気性に特に気を付けて馬を選ぶこと
④母父キングカメハメハ、ハーツクライはニックス
⑤逆に母父海外馬は成績が悪い