東サラ企画「配合リクエスト」記事第3弾。

今回は、繁殖牝馬のリストを見て「なんで東サラにいるの?」と驚かされた良血馬2頭をピックアップしていきたいと思います。

 

 

 

 

⑤ダーヌビウス

 

母ドナウブルーは重賞を2勝。

GⅠを7勝し、牝馬ながら2度の年度代表馬に輝いた三冠牝馬ジェンティルドンナの全姉にあたる血統となります。

祖母のドナブリーニは英GⅠを1勝、ファミリーからはダービー馬ロジャーバローズ、GⅢ2着のドナアトラエンテなど活躍馬が出てきており、日本において繁栄を見せる牝系です。

 

母ドナウブルーの配合を見ると、Northern Dancerの中間断絶クロスを呼び水に、Haloの母CosmahとNorthern Dancerの母NatalmaからAlmamoudをクロスさせることで、Lyphardを強調しながらスピードを確保するという、サンデーサイレンス系統お得意の配合形態。

このLyphardのクロスが、持続力の長いスピードと勝負根性に繋がっていたものと思われます。

 

そこにキングカメハメハを配合したのが本馬ですが、やはり気になるのはLyphardのクロス欠けですかね。

Northern Dancer自体はNureyevやトライマイベストを経由してクロスしていますが、その先はアウトとなっておりイマイチ血を強調しきれていないような印象です。

 

 

さて、この牝系からは、今年モーリス産駒のジェラルディーナがエリザベス女王杯を制しGⅠを初制覇しました。

仮に本馬にモーリスを配合した場合、ジェラルディーナと3/4同血ということになります。

キーとなるLyphardは5×6*6クロスを継続。

Danzigの5×5は米国系Northern Dancerらしいパワーと骨格を産駒に伝えます。

サンデーサイレンスのクロスはスピードと早熟性を同時に付与するクロスだと思っていますが、モーリスのような晩成血統には相性が良いのかもしれませんね。

 

問題は募集価格だけ。

めちゃくちゃ高値になりそうでイヤですが……血統的には完成しており結果も出てますからコレで!

 

 

 

 

⑥インデリブル

半兄に2020年の米最優秀2歳牡馬、2021年最優秀3歳牡馬に輝いた名馬Essential Quality(父Tapit/GⅠ4勝)、近親には無敗の三冠馬コントレイルの祖母であるFolkloreがいる超良血馬です。

半兄はダートで、近親Folkloreから生まれたコントレイルは芝でそれぞれ歴史的名馬として名を残しており、繁殖牝馬としてのインデリブルは芝ダート両面で活躍馬の輩出が期待されるところです。

ただ、ここは芝レースの格が高い日本ですから、まずは芝馬から狙っていくことになるでしょう。

 

Tiznowは米国でも指折りの早熟性を伝える種牡馬。

配合全体としては、Nearctic欠けのNorthern Dancerの中間断絶クロスを呼び水に、Princequilloのクロスを配合することで、Nasurullah+Princequillo=いわゆるナスキロの組み合わせによる大跳びと柔らかさを併せ持つ大箱適正が垣間見られます。

 

 

ここに追加したい血としては、

①Halo経由のAlmamoudのクロスによる日本的なスピードの付与

②Northern Dancerを強調するための血(特にLyphardStorm Catはクロスさせない=芝思考)

の2点です。

 

これにマッチしてくるのは、今年大出世を果たしたあの種牡馬。

そう、キタサンブラックですね。

ついでに7代血統表もご覧ください

 

全体の10.94%を締めるNorthern Dancerの中間断絶クロスが呼び水となり、父系からHaloの血が入ることでAlmamoudの血が4.30%クロスします。

ここまで散々書いてきましたが、Almamoudの血は日本におけるサンデーサイレンスの成功の母でもあり、クロスさせることで日本的なスピード、血統全体での活力や成長力を増幅させてくれるとみられています。

 

主導となるのはLyphardで、なんとキタサンブラックの曾祖母であるテイズリーの4×4という非常にレアなクロス発生。Northern Dancerの中間断絶クロスと合わせて、Lyphardの血を非常に強烈に強調してくれています。

⑤ダーヌビウスの項でも述べたように、Lyphardのクロスは持続力の長いスピードと勝負根性を産駒に伝えてくれるので、キタサンブラック産駒にはうってつけでしょう。Lyphardのクロスが成功するキタサン産駒の条件、と巷では言われていますので、その点もクリアです。

 

また、この配合の良い点は血統表における各世代(縦列)毎の年代ズレが非常に少なく、各クロスの効果が非常に有効に働きやすいということです。濃いインブリードがない点も、母7歳時の2番仔ということを考えれば良いでしょう。

 

キタサンブラックは今年種付け料が倍増するなど、馬産地でもファンの間でも非常に注目度が高い種牡馬。

このクラスの良血馬の相手としては相応しいのではないでしょうか。

 

 

 

続く