2010.12.29 SP  御書と青年18 「冥の照覧の誉れ」〔下〕

 御書と青年 18

   ── 池田名誉会長が語る 青春勝利の指針

【熊沢女子部長】 白蓮グループの友も、各地で真剣に仏法対話に取り組んでいます。
 岐阜のあるメンバーはこの秋、勇気を出して大学の友人を学会の会合に誘いました。
 その友人は平和のために行動したいとの思いを持っていたそうですが、以前、別の友達から「なに真面目ぶってるの」と言われ、何も行動できずにいたそうです。
 しかし、会合に参加して学会の平和・文化運動に感動。さらに白蓮グループの総会などにも一緒に行って、「私も、人のために尽くせる生き方がしたい」と、11・12「女子部の日」に晴れて入会をしたそうです。
 この弘教が大きな波動となり、多くのメンバーが立ち上がりました。

【池田名誉会長】 偉いね。大事なのは「一人」です。一人が立てば、皆が立ち上がる。
 御書に「竹の節を一つ破(わり)ぬれば余の節亦(また)破るるが如し」(1046ページ)と仰せです。
 人ではない。自分です。自分が勇気を出して壁を破ることだ。そこから、広宣流布の緑野(りょくや)は大きく開けるのです。

【棚野男子部長】 男子部でも、創価班、牙城会などの大学校生が先駆を切って弘教・拡大に挑戦しています。
 大阪のある男子部員は自身を高めたいと、本年、牙城会大学校に入りました。
 大不況の波を受け、自身の会社の経営も悪化し、大変な状況でした。「だからこそ」と折伏に挑戦し、石川県まで対話に走り、友人への弘教を実らせることができました。

 池田先生のご指導通り「誠実」をモットーに仕事に取り組む中、業績は大幅に向上。今では忙しすぎて困るほど(笑い)、全国を飛び回れるようになりました。

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◆ 訓練が人間をつくる
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【名誉会長】 青年が青年を呼ぶ。若き創造と開拓の生命で一緒に前進を開始する。ここに人間主義の時代を切り開く、広宣流布の新たな連帯が築かれます。
 弘教に勝る喜びはない。友の幸福を願い、真剣に祈り、語りきった福徳は永遠です。
 こちらが熱心に対話をしても、相手が信心しない場合も当然あるでしょう。それでもいいんです。すでに、仏になる種は、その心の大地に深く植えられているからです。
 大事なのは、勇気を出して、真心で語りきることです。そうすれば、何よりも自分自身が功徳を得、境涯を大きく開き、より確信を深めることができる。
 若き時代に、折伏をやり抜いた人は強い。自身の胸中に金剛不壊(こんごうふえ)の勝利の土台を築くことができる。今は、その最高のチャンスなのです。

【棚野】 男子部のリーダーの多くは、創価班や牙城会の大学校時代に信心の原点を築いています。皆、口々に語るのは「先輩が実によく面倒を見てくれた」ということです。
 一緒に題目をあげてくれたり、悩みを聞いて励ましてくれたり……あまりの情熱に「少し、しつこいなあ」と思う場合もあります(笑い)。
 しかし、時がたつほど、そのありがたさが身にしみてきます。

【名誉会長】 大学校生も大変だろうけど(笑い)、励ましてくれる先輩方も本当に偉い。
 皆、仕事も忙しい。自分の悩みとも格闘している。そうした中で、時間をこじあけるようにして、一人一人に会い、激励をしてくれている。
 「後輩のためなら」と労苦を惜しまぬ先輩がいるから、学会の人材の流れは盤石なのです。広宣流布は断絶することなく、未来へと発展していくことができるのです。

【熊沢】 学会の講演会に講師として招かれた識者は、深い信念を持ち、生き生きと行動する青年部の姿に、「ここに創価学会の大きな存在意義を感じます」と語っておられました。学会の青年部の役員が、一流企業の社員教育にも匹敵する訓練を受けていることに感銘したそうです。

【名誉会長】 「訓練の力ほど偉大なものはなく、その効果ほど強力なものはない」
 これは、イタリア・ルネサンスの思想家レオナルド・ブルー二の言葉です。
 若き日に訓練を受けきった生命は、時とともに、新しい歴史を創り開く力を発揮していけるものだ。
 御聖訓には「根ふかければ枝さかへ源(みなもと)遠ければ流(ながれ)長し」(御書1180ページ)と仰せです。人生においても「根」を張り、「源」を豊かにすることが大事です。それが青春の鍛えなのです。
 学会は、よりよい社会の建設のために、貢献する人間を育てています。ありとあらゆる分野に、深き生命尊厳の哲学を身に体した人材を送り出しているのです。

【棚野】 私たちも、日々の実践のなかで、皆で励まし合い、錬磨し合っていきます。
 とくに年末年始は、各会館でも、火災などの事故に対して、いっそう注意をするように心掛けてまいります。

【名誉会長】 よろしくお願いします。事故は断じて起こしてはいけない。皆が不幸になってしまうからです。
 御書には、「神の護ると申すも人の心つよきによるとみえて候」(同1186ページ)と仰せです。「心にふかき・えうじん(用心)あるべし」(同1176ページ)とも戒めておられる。
 絶対に、油断は大敵です。
 私は、この一念で指揮を執り続けてきました。皆も、「自分が学会を護る」との責任感に立って、強盛なる祈りと細心の注意を絶対に忘れないでもらいたい。

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◆ 挑戦は青年の特権」
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【熊沢】 今、一般に少子高齢化が進み、青年世代の人が少ない地域が増えています。学会でも、青年部だけの会館任務や行事運営が難しくなっている場合があります。
 こうした中で、どのようなことを心掛けていけばいいでしょうか。

【名誉会長】 大切な問題です。基本は地域の実情に即して、よく考えていくことです。
 新しい会館も増えているし、会合も多様化している。「昔はこうだった」という考えが通用しないことも多い。
 大事なのは、同志を思いやる「慈悲」から発する「智慧」です。
 皆で「団結」して「工夫」していくことです。
 壮年部や婦人部の方ともよく相談をしながら、「どうすれば万全の運営ができるか」「どうすれば役員の負担が過度にならないか」を考えていっていただきたい。
 今は、ありがたいことに、壮年部の王城会や婦人部の香城会(こうじょうかい)の方々も、着任してくださっている。青年部も、尊き百戦錬磨の先輩方に学び、智慧を出し合いながら、地域の宝城を厳然と護り抜いてほしいのです。

【棚野】 偉大な「厳護」の魂を受け継ぎながら、広布を拡大し、新時代を必ず勝ち開いてまいります。

【名誉会長】 牧口先生は「羊千匹より獅子一匹」と叫ばれた。学会青年部は、一人が万軍(ばんぐん)に勝る勇者の集いです。
 「挑戦」は青年の特権です。「現状を維持しよう」とか「失敗をしないようにしよう」といった「守りの心」に陥ってはいけない。
 どんどん、勇敢に打って出るのです。青年が少なかったら、祈って増やすのです。人材が足りなかったら、一人を一騎当千に育てればいい。
 学会は、何もないところから、ここまで広げてきた。まさに命懸けの戦いでした。
 大聖人は宣言されている。
 「日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一(いったい)・一微塵(いちみじん)のごとし、法華経を二人・三人・十人・百千万億人・唱え伝うるほどならば妙覚の須弥山ともなり大涅槃の大海ともなるべし仏になる道は此れよりほかに又もとむる事なかれ」(同288ページ)
 これが、永遠に変わらざる広宣流布の方程式です。
 広布の夫来も、人類の未来も、すべて君たちにかかっている。若き諸君が地涌の底力を発揮して、新しい「創価青年学会」を築いていくのです。
 「人材・躍進の年」は、その新たなスタートの重要な一年です。壮年・婦人の皆さんも、全力で青年部の活躍を応援してくれています。
 青年らしく、学会っ子らしく、生き生きと、挑戦してもらいたい。

【棚野】 はい。明年は、日顕宗と決別し、創価ルネサンスの大道を堂々と歩んで20年の節目です。一切に完全勝利するためにもまず、新年勤行会から開幕ダッシュをしていきます。また大躍進の決意を込めて、はつらつと、会館で同志の皆様をお迎えします。

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◆ 今から!ここから!
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【熊沢】 今、白蓮グループも、アメリカやブラジル、韓国や台湾など、全世界に広がっています。世界中の会館で、池田華陽会のメンバーが、訪れる方々を、最高の笑顔と真心で迎えています。

【名誉会長】 すごい時代になったね。全世界で地涌の若人が、地域のため、社会のため、人類の幸福と平和のため献身している。
 大聖人のお喜びはいかばかりかと、私の胸は躍ります。
 創立100周年への大闘争の幕は開かれました。いよいよ「今から」「ここから」「自分から」、新たな広布の山を登りゆくスタートです。
 2030年は、世界広布の70周年でもある。どれほど壮大にして絢爛(けんらん)たる妙法流布の時代を迎えることか。
 「広宣流布の時一閻浮提の一切衆生・法華経の行者となるべきを涌出とは云うなり」(同834ページ)と仰せです。人類は、いよいよ妙法の英知を待ち望んでいます。
 新しい一年も私と同じ信心に立って、「陰徳陽報(いんとくようほう)」という、着実にして偉大な一歩また一歩を踏み出してもらいたい。そして、踊躍(ゆやく)歓喜して、世界の青年と手を携えながら、人々が目を見張る勝利、勝利の歴史を築きゆくことを、私は祈っています。