2010.03.16 SP 新時代第36回本部幹部会 全国壮年部総会〔下〕

【名誉会長のスピーチ】
一、きょうの幹部会では、カンボジアのソク・ソチェット青年部長が、SGI(創価学会インタナショナル)の友を代表して、素晴らしいあいさつをしてくださった。本当にありがとう!彼女は、わがアメリカ創価大学の出身である。母国に舞い戻っての活躍がうれしい。カンボジアの英知の言葉に、こうあった。「使わないと古くなる、よく使うと新しくなる」どんどん頭を使うのだ。友のため、勝利のため、平和のために。使えば使うほど、新鮮な智慧がわく。使命とは、「命」を「使う」と書く。広宣流布のために命を使えば、若々しい生命力がわき上がる。永遠の大功徳に包まれる。

■ 民衆の幸福こそ広布の大目的 

一、戸田先生は、女子部の「華陽会」の席上、こう語られた。「将来、必ず、世界各地から、同志が集ってくる時代が来るよ。夢のように聞こえるかもしれないが、決して夢ではないのだ。ゆえに、今はしっかりと、広宣流布に戦って、無量の功徳を開くのだ!」先生が言われた通り、今、世界広宣流布の時代が来た。あの国この国に、華陽のスクラムが広がっている。世界の池田華陽会、頑張れ!戸田先生は民衆の真っただ中へ飛び込んでいかれた。病苦や経済苦、厳しき宿命の嵐と戦う同志に、先生は、誇らかに、こう叫ばれた。「大聖人の御遺命は、世界の広宣流布にある。世界の民衆の幸福にある。これを、絶対に忘れてはならない。創価学会の闘いは、あくまでも、世界、そして人類の救済にあるのだ」この世界広宣流布の大使命を果たしているのが、わがSGIの友である。皆様は妙法の種を蒔いている。自身の人間革命が、一家を変え、社会を変え、やがては世界を希望の方向へと変えていけるのだ。日蓮大聖人の御賞讃は、いかばかりか。本当にありがとう!

■ 勇者の名は永遠

一、芸術部の皆さんに、ドイツの大音楽家ベートーベンの言葉を贈りたい。彼はノートに、こう書き記した。「勇気は汝を正しい道に導くであろう」(阿部謙太郎訳『べートーヴェン 心の手記及伝記』平原社、現代表記に改めた)芸術部の皆さん、勇気で勝とう!いつもありがとう!芸術部を、今までの何十倍も、皆で応援していきたい。一人一人の芸術部の名前が、広布の歴史に燦然と光っていくことは、間違いない。偉大な功労を永遠に留めたい。芸術部が輝けば、百人力、千人力である。芸術部、頑張れ!

■ 世界に開いた平和への対話

一、トインビー博士の歴史観の一つの結論は、「挑戦と応戦」の理論であった。博士は述べている。「文明というものは、つぎつぎに間断なく襲いきたる挑戦に対応することに成功することによって誕生し、成長するものである」(深瀬基寛訳『試練に立つ文明』社会思想社)広宣流布と人間革命の前進もまた、幾多の挑戦や試練に応戦し、打ち勝ってこそ、力を増すのである。トインビー博士と私の対話は、花薫る5月のロンドンで行われた。1972年と73年のことであった。かねて博士から手紙をいただいていた。"人類が直面している諸問題に関して、ぜひ意見交換したい"と。高齢の博士の身を思い、私のほうから、妻とともに、イギリスに向かったのである。博士の自宅で、対話が始まった。連日のように続いた語らいは、のべ40時間ほどになった。人間とは何か。平和の道は。生命とは何か ── 。20世紀を代表する歴史学者の、いわば遺言である。超一級の思索の結晶であった。しかし、通訳が難航した。緻密な論理や仏法用語を、スラスラと訳せる優秀な通訳が、当時は、まだいなかった。この時ほど、通訳・翻訳陣の重要性を痛感したことはない。ともあれ、私は、トインビー博士との対話を深き原点として、平和への対話の道を、全世界に開いていったのである。

■ 勝利の指揮を!

一、アフリカのコンゴの格言に、こうあった。「美しい物はイバラの中に育つ」(矢崎源九郎編著『世界のことわざ』社会思想社)苦難の茨(いばら)を乗り越えてこそ、心美しく、強き人間となるのだ。我々は、この精神で進もう!〈「ハイ!」と元気な返事が〉、ここで、もう少々、戸田先生の言葉を語り残しておきたい。先生のおっしゃったことは、全部、大切にしてきた。時には深夜までかかって、妻とともに記録してきた。師の言葉を、一言一句たりとも、漏らすまい。断じて、おろそかにはしない ── これが弟子であるからだ。戸田先生は言われていた。「肚を据えるのだ。人は人、自分は自分である。何があっても、私は戦うんだ! ── この精神が一番、大事なのだ」大難を一身に受けて戦う師を護り、師と同じ心で、"不可能"の壁を打ち破る。自分が師弟の魂を護り抜く!これが弟子の誓いであり、祈りであり、戦いである。後継の皆さん、頼むよ!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
■ 悩み苦しむ友のもとへ

一、戸田先生は、苦難に立ち向かう友を励まして、こう語られた。
「人生は、トンネルに入ったような時もある。しかし、トンネルを抜ければ、また、きれいな景色が見えるではないか。途中で止まってはいけない。信心で最後まで戦い、進むのだ」不況の中で奮闘する同志も、長きにわたって病気と闘う同志も、断じて負けるな!私も一生懸命、題目を送っている。リーダーは、真っ先に、悩んでいる人、苦しんでいる人のもとへ駆けつけて、温かい励ましの声をかけていくのだ。ともに祈り、あらゆる手を打っていくのである。学会の役職は、同志に尽くすためにある。威張るためではない。広布の友は皆、仏子である。自分は、ひとつも偉くない ── そういう思いで、頭を下げる。謙虚な心を忘れない。その人が、本当に偉い人である。すっきりとした心で、広宣流布の志願兵として戦う。新しい人を伸ばしていく。そのリーダーの一念の中に、さらなる地域の発展があるのだ。

■ 「青年の陣列を必ず築きます」

一、昭和33年(1958年)1月、私は戸田先生に、男子部が10万人の陣列への拡大を間もなく達成できるとお伝えした。先生は、大変に喜ばれて、こうおっしゃつた。「青年部の陣容は揃った。これだけの数の青年がいれば、何でもできる。民衆のための、新しい時代の夜明けが来る!」戸田先生が第2代会長に就任された時、会員は実質、約3000人だった。青年部も少なかった。その後も、折伏はなかなか進まなかった。私は先生に申し上げた。"私が指揮を執ります。先生、心配しないでください。青年部も必ず10万人の陣列を築きます" ─ と。そして、各地で拡大の突破口を開いていった。私は、戸田先生の事業が挫折した時から、すべてをなげうって先生を支えてきた。先生は私の体を心配して、「大作は体が弱い。今のままでいくと、30歳までもたないかもしれない。俺も一生懸命祈る。お前も祈って、学会を大きくしてくれ」と語られたこともあった。私は先生に約束申し上げたことは、全部その通りに実現した。どんな組織も、見事な拡大の結果が出せるような、生き生きとした組織へと変えた。先生は「大作は有言実行だ。何一つ、嘘がない」とおっしゃってくださった。

■ 師の精神を具現

一、先生は亡くなられる前に言われた。「いい弟子を持って、俺は本当に幸せだ。牧口先生と一緒に牢獄に行ったことも幸せだったけれども、お前がいたおかげで創価学会の未来は開けた」私は先生の言葉の通りに、学会を日本中、世界中に発展させてきた。先生が逝去された後、各界の指導者とお会いする機会があった。その際に「池田さんのことは、戸田先生から聞いています」と言われたこともあった。本当に弟子のことを心から考えてくださる慈愛深き師匠だった。私は戸田先生の後を継ぎ、尊き同志の皆様とともに、先生の精神を具現して現在の世界的な創価学会を築いてきた。牧口先生、戸田先生、そして私の、三代会長の死身弘法の闘争によって、学会は構築されたのである。このことを夢寐(むび)にも忘れてはならない。この一点をゆるがせにすれば、学会は道を誤ってしまう。異体同心の団結ができなくなってしまう。

■ 生き生きと戦え

一、ともあれ、青年部の時代である。若き諸君の時代である。新しい人材をどんどん伸ばし、新しいリーダーが生き生きと戦っていけば、学会はまた一段と若返って前進していける。戸田先生は、こうも言われた。「大聖人の弟子ならば、大聖人の仰せ通りに戦うのだ。大聖人の御心を心として、広宣流布を本当に誓い、行動するならば、もったいなくも、大聖人と同じ戦いができるのである」大聖人と同じ大願に立って戦う同志を増やしていく。それが広宣流布である。

■ すべてが福徳に

一、全世界の同志の皆さん、きょうはありがとう! 皆さんの勝利、勝利の前進を祝して、万歳をしたい。アフリカから来られた方、どうぞ前に来てください!〈コートジボワールの壮年部、クアディオ=ダブラ・ボッソン=マチュ支部長が壇上に上がり、全員で万歳を三唱。同支部長は「先生のために戦えることを、広宣流布のために働けることを、心から光栄に思います」と述べた〉本当に、よく来てくださった。日本から遠く離れたアフリカの地で、喜び勇んで戦ってくれている。何とうれしいことか。何とありがたいことか。アフリカの友人の皆さんに、どうか、くれぐれも、よろしくお伝えください。ありがとう!メルシー!(フランス語で、ありがとう)
一、戸田先生は指導しておられた。「団結せよ!皆で祈り、智慧を出し合えば、どんな問題も、それだけ早く解決することができるのだ」それぞれの地域、それぞれの国にあって、異体同心の祈りと団結で、何があっても変毒為薬しながら、仲良く朗らかに前進していっていただきたい。友のため、社会のための学会活動は、結局はすべて自分の福運となる。このことを深く確信していくことだ。戦いは負ければ皆が苦しむ。だから断じて勝つことだ。自分のため、そして健気な同志のために、リーダーは勝ち戦の指揮を執っていただきたい。
きょうは、ご苦労さま! 海外の同志、ありがとう! 心から御礼を申し上げます。友の幸福のために行動しゆく皆様は、仏の使いです。どうか、お元気で! サンキュー!また、何回もお会いしよう!(2010・3・6)