2010.03.09 SGI代表研修会
【SGI会長のスピーチ】

■ 同志愛の心で
一、御聖訓には、「異体同心なれば万事を成し同体異心なれば諸事叶う事なし」(御書1463P)と仰せである。異体同心でなければ、勝てない。異体同心とは、信心の心と心を合致させていくことだ。その「美しい心」「同志愛の心」、そして「勝利の心」を、決して忘れずに行動する精神のことだ。ゆえに、断じて威張ってはならない。同志を見下してはならない。軽んじてはならない。あくまでも平等な心で、尊敬し合っていくことだ。学び合っていくことだ。たとえ、結果が出ないことがあっても、優しく忍耐強く、同志として、後輩として、どこまでも慈(いつく)しみ護っていくことだ。何でも語り合える、和気あいあいとした仲良き集いこそ、真実の仏法の世界である。
一、その異体同心の団結の根幹が、師弟である。「華果成就(けかじょうじゅ)御書」には断言なされている。「よき弟子をもつときんば師弟・仏果にいたり・あしき弟子をたくはひぬれば師弟・地獄にをつといへり、師弟相違せぱなに事も成べからず」(同900P)ともあれ、師弟不二の心がなくなったら、勝利はない。派閥ができ、団結が崩れる。もはや力は出ない。そうなれば、我見と増上慢で仏罰を受けてしまう。大聖人は、「一生空しく過して万歳(ばんさい)悔ゆること勿れ」(同970P)と仰せになられている。「異体同心」そして「師弟不二」の信心で、晴れ晴れと一生を送ることだ。勝ち抜いて一生を送ることだ。

仏になって、最高の満足の一生を送ることだ。
一、私が入信したのは、昭和22年(1947年)8月24日。19歳の時である。当時、戦後の日本社会はまだまだ太陽が昇らず、陰湿な夜明け前のような時代だった。正しき大仏法を弘めるのは、民衆の幸福のため、社会の繁栄のため、生命の尊厳を護るため、そして、慈愛に満ちた平和の世界を創るためである。第2次世界大戦中、軍部権力と戦った先師・牧口常三郎先生は牢獄に入れられ、1年4ヵ月後に、獄死なされた。荘厳な殉教のその日、11月18日は、創価学会創立の記念の日であった。その牧口先生に勇んでお供した声田先生は、2年間の獄中闘争の後、出獄されて、学会の再建のため、妙法の巌窟王となって立ち上がられたのである。戸田先生は、牧口先生を偲んで、「あなたの慈悲の広大無辺は、わたくしを牢獄まで連れていってくださいました」と感謝された。これが弟子である。私もまた、師匠である戸田先生に、それはそれは、諸天も驚くほど、忠実にご奉公申し上げた。先生の事業が失敗し、給料は何カ月も遅配。真冬でもオーバーもない。新しい靴が買えず、高下駄を履いて出かけたこともある。そのなかで私は、働きに働いて、借金を返済していった。一切の苦境を勝ち越えて、先生の第2代会長への就任の道を開いたのである。
学会を護り、師弟の道に生き抜けば、永遠の大功徳に包まれる。
皆さんにも、この道に続いていってもらいたい。
一、私が入会した当時の学会は、理事長であられた戸田先生を中心として、学会員は実質、5~600人であったと記憶している。戸田先生が会長に就任される前も、折伏は、月に100世帯に満たなかった。「このままでは、広宣流布に5万年かかってしまう」と嘆かれる先生に、私は「断じて私がやります!」と一人立ち上がった。そして、私が蒲田(かまた)支部の支部幹事に就任して、2月闘争で陣頭指揮を執り始めてからは、学会は大回転して、毎月、何千、何万世帯もの弘教の上げ潮へと変わっていったのである。

■ 旭日のごとく新しき同志が

一、私もまた無実の罪で、関西の地で牢に入った。戸田先生が出獄された12年後(1957年)の同じ7月3日である。その後、4年半の法廷闘争によって、当然ながら、無罪判決を勝ち取った。私は、昭和35年(1960年)の5月3日、32歳で第3代会長に就任し、全身全霊で走り抜き、迫害の嵐のなかを、青年会長として勇敢に戦い、世界広布のうねりを巻き起こしてきた。そして、戸田先生のお心のままに、師弟不二の仏法を体現して、理想の創価学会を構築してきた。偉大なる同志の皆様とともに戦い、192ヵ国・地域に人間主義のスクラムを築き上げたのである。今、全世界に太陽が昇りゆくがごとく、新たな同志が誕生していることは、皆様がご存じの通りだ。私は、世界中の指導者や識者とも会い、平和と文化の語らいを重ねてきた。あの国でも、この国でも、一級の知性と友情を結び、信頼と共感を勝ち取ってきた。一つ一つが忘れ得ぬ思い出である。一つ一つが黄金の輝きを放つ歴史である。私は、ヨーロッパ広布の道も開いてきた。当初、ヨーロッパ広布は遅々として進まなかった。私は、初代の欧州議長で医学博士でもあった山崎鋭一(えいいち)さんを中心に、あらゆる角度から手を打ち、メンバーへの激励を重ね、私自身も各国を飛び回って、ヨーロッパ広布の基盤をつくった。
山崎博士の奥様・良子さんもお元気であるとうかがっている。うれしい限りである。私は「ヨーロッパ、頑張れ! 師弟不二で新たな広布前進の歴史を!」と強く申し上げたい。創価学会は、地球に輝く民衆の大連帯となった。平和と社会に貢献する模範の団体として、各国・地域からの顕彰も相次いでいる。事実の上で、全世界が讃える希望の団体となった。

■ 使命に生き抜け

一、御聖訓には、こう仰せである。「あなたが仏になろうと思うならば、慢心のはたほこ(軍の指揮に用いる旗)を倒し、忿(いか)りの杖を捨てて、ひとえに一乗の法華経に帰依しなさい。名聞名利は今生だけの飾りであり、我慢(がまん=我を傲{おご}り他を軽んずる)や偏執{へんしゅう}は後世の成仏を妨げる足かせである」(同463P、通解)リーダーは、どこまでも、誠実な、純粋な心で、同志のため、学会のために尽くしていくのだ。そして、偉大な仏の境涯を開いていっていただきたい。「仏」とは幸福の極致、勝利の極致の生命であり、慈愛と喜びに満ちた極致の生命である。悔いのない人生を送っていただきたい。書びに満ちた自分をつくりながら、 「立正安国」の精神を胸に、自身の一族と国家の安穏・繁栄を祈り、行動していくことだ。弘教に走っていくのだ。弘教は、仏の使いの尊き実践である。その福徳は無量である。永遠にわたる、その誉れ、その崇高な使命、仏になりゆく喜びの生命をつくるために今世があるのだ。今があるのだ。

同志、万歳!北米、万歳!オセアニア、万歳! 中南米、万歳!ヨーロッパ、万歳!アジア、万歳!アフリカ、万歳! 世界、万歳!お帰りになったら、各国、各地の大事な大事な同志の皆様方に、くれぐれもよろしくお伝えください。どうか、体を大切にしてください。私と妻は、毎日、皆さんの健康と無事故と長寿を一生懸命に祈っています。きょうは、本当にありがとう!
サンキュー!