参考程度に5月22日記事

LINEヤフー問題で爆発した韓国の反日感情、日本人メンバー在籍の「ルセラフィム」にも飛び火

 

きっかけは、個人情報漏えい事件を引き起こしたLINEヤフーに対する日本の総務省の行政指導に対する韓国社会の反発だが、韓国の野党政治家らが過剰に反日扇動したことで、一般市民の中にも反日機運が強まってきたのだ。  (参考記事)「LINEが日本に奪われる!」、LINEヤフーの資本関係変更をめぐり韓国で反日感情が再び爆発  この事態を緊張の面持ちで見つめているのが韓国の産業界だ。尹錫悦政権発足以降、急激に好転し始めた日韓関係は産業面でも好循環を生みつつあったが、No Japanムードはこれを急速に冷やしかねないからだ。  そして、真っ先にそのトバッチリを受けてしまったのが音楽産業、中でも2人の日本人メンバーが在籍する人気K-POPガールズグループ「LE SSERAFIM」(ルセラフィム)だ。

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韓国最大の政党「共に民主党」もLINEヤフー問題を口実に積極的な反日扇動をしかけている。また「韓日歴史正義平和行動」「韓国進歩連帯」「全国民主労働組合総連盟」など、反日デモの常連組も14日に日本大使館前で記者会見を行い、日本と尹錫悦政権を強く批判した。野党と足並みを揃えた格好だ。  韓国社会のこのような尋常ならざる雰囲気が、日韓両国の政界だけでなく、産業界にも影響を及ぼし始めているのである。 ■ 韓国ネット民からいわれなきバッシングを受ける宮脇咲良  ニュースエージェンシー「NEWSIS」をはじめとする複数のメディアは、「韓国に進出している日本ブランドと旅行業界は今回のネイバー・LINEヤフー事態で触発された反日感情気流を鋭意注視している」と報道した。

そして意外にも、韓国人の反日感情が高まりにより真っ先に被害を受けたのは、・・・・日本人メンバーが含まれたガールズグループで、中でもHYBEの人気ガールズグループのルセラフィムは最近、HYBEのお家騒動も重なったことで、ネット民から最も激しい攻撃を受けている。  BTSの所属事務所であるHYBEが22年5月にデビューさせた5人組ガールズグループのルセラフィムは、現在最も人気のあるK-POPガールズグループの一つと言っていい。ルセラフィムには日本のトップガールグループのAKB48出身のサクラ(宮脇咲良)と、芸能活動経験ゼロの素人から電撃抜擢されたカズハ(中村一葉)という2人の日本人メンバーがいる。  デビュー前からすでに超人気アイドルだった宮脇はルセラフィムがデビューした直後、グループが人気を獲得するのに最も貢献し、現在も一番人気を誇るメンバーだ。

 

その一方で彼女は、民族主義志向が強い韓国のネット民たちからの批判を常に受けてきた。ルセラフィムでデビューする前は、「AKB48時代、軍国主義を称賛する舞台に上がった」「君が代を歌った」「自衛隊の広報をした」などとバッシングに晒されていた。  ルセラフィムとしてデビューした後も、韓国人が「光復節」と呼ぶ8月15日を「終戦記念日」と呼んだとして叱咤され、「西郷隆盛を尊敬する」と発言したことで「右翼」と非難された。ちなみに韓国では、西郷隆盛は「征韓論」を主張した右翼主義者として認知されている。 ■ まるで陰謀論  さらに最近では、宮脇だけでなく、ルセラフィムのグループ全体が「右翼ガールズグループ」との批判を受けるようになっている。ネット民たちがその根拠としているのは、昨年5月に発売されたルセラフィムのファーストフルアルバム「Unforgiven」の中の一曲「Burn the Bridge」のプロモーションビデオ(PV)が「右翼的な内容を盛り込んでいる」というものだ。

いずれも荒唐無稽だが、彼らの主張をいくつか紹介しよう。  1、冒頭の白い床に赤いインクが広がるシーンは「日の丸」を象徴している 2、赤い夕焼けの背景は「日の丸」を象徴、夕焼けをバックに立っている木に青い液体が注入されているシーンは韓国(青色)の精気を日本に注入させることを象徴している 3、カズハの背中から伸びた白い翼が燃え上がり黒い翼に変わっているシーンは自衛隊戦闘機である三菱F-2のメタファーである 4、水面に浮かぶ宮脇の横顔は独島(顔が西島、胸が東島)を象徴しており、これは独島が日本の領土だという主張である――などだ。  こうした主張は1年前に韓国のネット上で出まわったが、当時は「とんでもない陰謀論」としてむしろ批判を浴びていた。  ところが、最近ネット空間で反日感情が高まったことで再びこの主張がクローズアップされ、急速に拡散しているのだ。YouTubeに上がっているルセラフィムのPVには、「売国アイドル」「導入部が日の丸なんて冗談じゃない」「これがK-POPかJ-POPかわからない」などの批判コメントが溢れている。

こうなると、なんでもかんでも陰謀論的に見えてくるのだろう。「今年4月の米コーチェラ・フェスティバルのステージや、昨年末のNHK『紅白歌合戦』でも日の丸を連想させる赤色の背景を用いていた」だの「HYBEのパン・シヒョク会長は日本カルチャーのオタクだ」といった、根拠のない誹謗まで溢れだした。  またHYBEが、傘下のレーベルで、人気アイドルグループ「NewJeans」を抱える「ADOR(アドア)」のミン・ヒジン代表と深刻な内紛を繰り広げていることも、ルセラフィムに非難が集中している原因となっている。  HYBEのパン・ヒショク会長とADORのミン・ヒジン代表は、ADORの経営権をめぐり、お互いにメディアを通じて激しく批判し合っているが、ミン代表は「HYBEが、パン・シヒョク会長が直々にプロデュースしたルセラフィムと、ミン代表がプロデュースしたNewJeansとを差別している」と強く主張し、これがK-POPファン層に大きくアピールされている。

K-POPアイドルについての世論を主導するのは韓国の若い女性層だ。そして彼女たちは、革新系の共に民主党支持者が多い。それだけに、共に民主党とチョグク革新党が煽る反日感情にもわりと簡単に同調し、ネット上の根拠のない反日主張にも積極的に加担してしまう傾向が強い。  LINEヤフー問題に対する野党政治家とメディアの姿勢が、感情に流されやすい韓国の若者たちをますます「反日」に駆り立てている。