HYBEは大手で大きいけどKPOPの歴史がないためSMを吸収するとKPOPの起源と歴史を持つことになり

多くのIPが増えて色んな展開ができグローバル活躍戦略の基盤となる。

 

カカオはソウルにアリーナをつくるし、KPOP IPが無いためSMと手を繋ぎたい(丸呑みと言うより手を繋ぎたい)

 

 

 

 

2月19日

K-POP業界では、今年の世界景気はさらに低迷し、デビュー時から世界を見据えるK-POP界も打撃をこうむる可能性があるとみられている。このため、HYBEやカカオのように企業運営に「グローバルスタンダード」基準を持つ規模の大きいエンターテインメント会社だけが持ちこたえたり、さらに成長したりするという分析もある。

K-POPを開拓したSMは大きな会社だが、イ・スマン氏のいわば1人プロデュースシステムの下、彼の個人会社「ライク企画」が相当な利益を持っていく不透明な経営構造が問題となり、危機を迎えた。

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SMの筆頭株主であるイ・スマン氏の持分14.8%(352万3420株)を4228億ウォンで買収することにしたHYBEが今度は筆頭株主になり、SM買収に有利な状況だ。だが、カカオがHYBEと公開株式買付を繰り広げる可能性もある。

 

かつて、エンターテインメント業界で攻撃的な合併・買収(M&A)に真っ先に乗り出したのはSMだった。2012年に韓国新興市場のコスダック上場だった旅行会社BT&Iを買収し、社名を「SM C&C」に変更。放送コンテンツ事業の拡大に本格的に乗り出した。さらに、「SM C&C」はこの年、俳優チャン・ドンゴンが設立した企画会社「AMENT」を買収した。翌年には放送コンテンツ製作業者と、当時人気グループだった「INFINITE(インフィニット)」などが属した「ウリム・エンタテインメント」も吸収合併した。2018年には当時、国内最大の俳優マネジメント会社であり韓流スター、ペ・ヨンジュンが設立した芸能事務所「キーイースト」とドラマ・芸能製作会社である「FNCアドカルチャー」も買収。その後、モデルエージェンシーの「エスチーム」、ユン・ジョンシンの所属事務所「ミスティックエンターテインメント」にも投資。SKプラネット広告事業部門(M&C)も買収し、事業領域を拡大した。

HYBEとカカオエンターテインメントも同様に、他社を買収して規模を拡大した。

 

パン・シヒョク議長が率いるHYBEは、SEVENTEEN(セブンティーン)のPLEDISエンターテインメント、GFRIEND(ジーフレンド)のSOURCE MUSIC、ラッパー兼プロデューサーのジコのKOZエンターテインメントなどを買収した。特に、一昨年には世界的なポップスターであるジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらが属した米芸能企画会社イサカ・ホールディングスを買収し、世界のエンターテインメント業界を驚かせた。

 

カカオエンターテインメントも、カカオの中でもさまざまな規模の大きい会社が一緒になって生まれた。カカオエンターテインメントの前身であるカカオMは2018年8月、カカオから音楽プラットフォーム「メロン」を除いた残りのコンテンツ・エンターテインメント事業を分社化して設立された。以後、STARSHIPエンターテインメントBHエンターテインメントなど、またサナイピクチャーズ映画社月光などの映画製作会社、そして公演製作会社ショーノートまで、次々と買収した。2021年2月、ウェブトゥーンなどを担当するカカオページと合併し、カカオエンターテインメントになった。同年9月、メロンカンパニーと合併し、メロンも運営することになった。

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カカオエンターテインメントは、SMを通じて迂回上場などの計画があるとの観測も広まった。現在K-POPグローバルファンダムプラットフォーム「Weverse」を運営するHYBEは、SMの子会社ディアユーが運営する「バブル」を統合させれば、この分野で絶対的な影響力を誇示することになる。

・・・・スーパーIP(知的財産権)はもちろん、スーパーIPがなくても、補充可能な優良IPが複数必要な状況になったのだ。

・・・・・必ずしも合併・買収でなくても大手同士が連帯するケースも増えている。SMとJYPはオンライン専用コンサートプラットフォーム「ビヨンドライブ」で団結した。HYBEはYGエンターテインメントの子会社で、アルバム・音源流通会社YGプラスの2大株主としてYGと血盟関係を構築した。・・・・

女性グループ「MAMAMOO(ママム)」などの所属事務所RBWが買収したDSPメディアは、カカオエンターテインメントと音楽・コンテンツ流通契約を締結した。DSPメディアは昨年、カムバックして好評を博した女性グループ「KARA(カラ)」などの知的財産権(IP)を保有している。これに先立ってRBWは「OH MY GIRL(オーマイガール)」などが所属したWMエンターテインメントを買収している。

 

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デビューするやいなや注目されるグループを作るためには、少なくとも数十億ウォンが必要だ。大々的なプロモーションまでやるとなると、100億ウォンを超えることもありうる。小規模な会社には耐え難い構造だ。状況は異なるが、大手のSMまで買収対象となった状況で、今後、大手が資金不足の会社や内部的な問題がある会社を買収する流れが続くだろうとの見方もある。

・・・HYBEがSMの大株主になって買収に至ることになれば、独占・寡占に対する懸念も生じる。この両社の合併が、公正取引委員会の企業合併審査対象になるかどうかも注目されている。

・・・・、ファンプラットフォームはもちろんアルバム販売量の占有率でも他を寄せ付けない威力が発生すると予想されるからだ。・・一方、今やK-POPが海外輸出向けになったため、むしろSMとHYBEの提携やSMとカカオの提携は、K-POPの世界進出の心強い橋頭堡になるかもしれないという肯定的な見方もある。

 

 

HYBE、カカオが「K-POPのパイオニア」であるSMエンターテインメントの経営権をめぐって繰り広げる争いは、知的財産権(IP)確保のためでもある。・・・HYBEは、大手3社のSM、JYP、YGエンターテインメントに比べ「K-POP遺産」が不足している。

HYBEは今、BTS以前のK-POPアイドル第1、第2世代がいない。だが、K-POPアイドルの歴史を作ってきたSMならば、これを一挙に埋めることができ、最適の選択肢だ。K-POPの開拓者であるイ・スマン元SM総括プロデューサーを迎え、K-POPの系譜を引き継ぐ適任者を自任できるわけだ。

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イ・スマン氏は今後3年間、海外だけでプロデュース業務を遂行できるという条項もあり、自分たちの色を溶け込ませることもできるとみられる。また、中東市場で相次いでラブコールを受けたイ・スマン氏を、該当地域にK-POPとHYBEの伝道師として派遣することもできる。

・・・カカオエンターテインメント・・・HYBEレーベルズと違い、つながりはやや緩い。IU(アイユー)の所属事務所EDAMエンターテインメント、アイドルグループ「MONSTA X(モンスタエックス)」とガールズグループ「IVE(アイヴ)」などが属したSTARSHIPエンターテインメント、女性アイドルグループ「Apink(エーピンク)」や「THE BOYZ(ザボーイズ)」などが属したISTエンターテインメント、そしてシンガーソングライター集団アンテナなどがある。

・・・・「国民歌手」のIU(アイユー)は独自に動いており、ガールズグループ「IVE(アイヴ)」のほかに確実に前面に押し出すK-POPチームがない。

 

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ディズニーはこれまでピクサースタジオ、マーブルスタジオ、ルーカスフィルム、21世紀フォックスなどを相次いで買収して規模を拡大。現在、世界最高の文化コンテンツ会社「ディズニー帝国」を作り上げた。ディズニーはキャラクター、物語関連IPが無尽蔵だ。これを通じて文化コンテンツだけでなく、飲食物、ファッション、文具など多様な事業領域に進出している。

・・・・マーブルのアベンジャーズのように、SM所属ボーイズグループメンバーとガールズグループメンバーがそれぞれ集まった「Super M」と「God the Beat」が作られる理由だ。HYBEもネイバーウェブトゥーンと手を握り、グループ「BTS(防弾少年団)」「TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー、TXT)」「ENHYPEN(エンハイプン)」「LE SSERAFIM(ルセラフィム)」の世界観を作っており、SMを買収することになれば多様なアイデア創出が可能だ。

・・・これまでBTSとSEVENTEEN(セブンティーン)が「THE CITY」プロジェクトに参加したが、SM内には日本に進出したK-POPチームの中で唯一、7万席規模の日産スタジアムで公演した東方神起をはじめ、「EXO(エクソ)」や「NCT(エヌシーティー)127」「NCTドリーム」など、「THE CITY」プロジェクトに参加可能な招待客力のあるチームがある。カカオは、現在建設中のK-POP公演場ソウルアリーナのためにもSM所属グループが必要だ。

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HYBEはグローバルなファンダム業界1位のプラットフォーム「Weverse」を運営中であり、ネイバーのファンプラットフォーム「Vライブ」も譲り受けた。SM子会社ディアユーが運営中のプラットフォーム「バブル」まで手中にすれば、業界を掌握することになる。カカオエンターテインメントは、ITプラットフォーム業界で重要なファンプラットフォーム分野での活動領域を失うことになるわけだ。

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HYBEとカカオのSM買収合戦は、プラットフォームにIPを確保するための対決でもあるのだ。

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HYBEは「自社の力とネットワークを基盤に事業の三本柱であるレーベルとソリューション、プラットフォームのすべての分野でSMエンターテインメントと戦略的相乗効果の創出に乗り出す方針だ。プラットフォームを通じた協力はもちろん、SMエンターテインメント傘下の多様なソリューション事業と、HYBE の既存ソリューション事業との間でも相乗効果を模索していく」と明らかにした。

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カカオのペ・ジェヒョン副社長は10日、実績発表カンファレンスコールで「カカオとSMは長い間、多様な事業で協力しようと議論を進めてきたし、今回の契約締結で、それぞれの長所であるプラットフォームとIT技術、IPパワーを結合して多様な相乗効果を上げる」と話した。

 

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SMのイ・スマン氏のプロデュースとユ・ヨンジン理事のミュージック&スーパーバイザーが作り出した「SMP無用論」が、ファンの間で上がり出始めた。

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SMPはSM所属ミュージシャンの歌、振り付けを最適に混合したスタイルを指す。ダイナミックなパフォーマンスを誘導する華やかなダンス音楽、ここには社会批判的な内容の歌詞も含まれる。難解だがサウンド・メッセージが塊となって舞台の上に広がり、爆発力を生み出した。「広野(KWANGYA)」(SM歌手が集まっている世界観)に追従する「スムドク」(「SM」を「スム」と読み、オンラインでSMマニアを指す)あるいは「ピンクブラッド」(SMのアーティストとコンテンツを応援するファンダム)が量産された。

 

K-POPが海外輸出向けになり、まず聞きやすく共感しやすいメッセージに重きを置くようになった。

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以前のようなマニアを狙った音楽には限界があるという指摘はあった。グローバルグループ「BTS(防弾少年団)」も初期の世界観に共感したマニアが中心となってファンダムを構成したが、結局、彼らを世界的なグループに仲間入りさせたのは――BTSメンバーが望む音楽的方向性ではなかったということはともかく――「ダイナマイト」と「バター」のようなポップダンス曲だった。

・・・・4大企画会社の中でSMだけが、米ビルボードメインシングルチャート「ホット100」に1曲もランクインさせられない状況が続いた。70歳を超えたイ・スマン元総括プロデューサーに対する感覚を疑う声が、SM内部とファンダムの間から出てくるしかなかった。・・・そのうえ、aespa(エスパ)の「ネクストレーベル」、「Red Velvet(レッドベルベット)」の「フィル・マイ・リズム」、「NCT(エヌシーティー)ドリーム」の「キャンディ」などを除けば、この数年間に大ヒットした曲もなかった。

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SMの長年のファンという30代の会社員は「イ・スマン氏のプロデュースにしばしば失望することがあっても、それでも支持したのは、発掘したアーティストとSMのブランドに最後まで責任を負う『ゴッドファーザー』という信頼があったためだ。だが、イ・スマン氏はその信頼を裏切った」と明かした。

SMがカカオと繋がった後、HYBEと手を組んだイ・スマン氏は、HYBEがSMを買収しても契約条件から3年間は国内でプロデュース活動はできない。3年後にイ・スマン氏の年齢は満74歳。事実上、今回の事態で、プロデュースから引退することになった。ユ・ヨンジン理事も、「イ・スマン氏のいないSMはSMではない」とし、SMプロデュースからの離脱を予告した。

 

 

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SMはどちらが勝ってもマルチレーベル体制を導入することになる。これまでSMは、イ・スマン氏の1人プロデュース体制で長い間やってきた。このような体制は、多様なグループが属する会社に「一貫性」を与えることができるいという長所はある。しかし、順番にチームのアルバムが発売され、チームごとに活動空白期間が長くなる。
グループのアルバム発売と活動が収益と直結し、すぐにアルバムを出す最近のK-POP企画会社の流れと違うのだ。行動主義ファンド「アラインパートナーズ」がSM経営陣にイ・スマン氏の個人会社「ライク企画」との契約を終了させろと要求したのは、イ・スマン氏に過度なロイヤリティが支払われていた点が最も問題視されたが、彼に集中する非効率的なプロデュースシステムを改善すべきだという理由も含まれていた。
・・・HYBEはマルチレーベルを最もよく運営し、相乗効果を出した会社だ。
・・・ほぼ同じ時期にデビューした「LE SSERAFIM(ルセラフィム)」とNewJeansが代表的だ。時差が多少あるSM所属のグループとは異なり、HYBEレーベルズは同時多発的に所属アーティストのアルバムを発売し、チャート順位に隙間を作らない。HYBEがSMを買収することになれば、このようなレーベルの多角化はさらに強固になるものと見られる。パン・シヒョクHYBE議長の性向から、各チームのプロデュースにある程度神経を使うだろうが、アドアのように、いったんSMを独自のレーベルとし、大きな絵だけを描くことも可能だ。
カカオが買収してもマルチレーベルは強化される。すでにSM現経営陣はカカオと戦略的提携を発表し「イ・スマン時代の終焉」を告げ「SM3.0」を宣言した。所属アーティストを5+1個の制作センターとして区分すると言ったが、これはマルチレーベル体制だ
 

 

2月19日(日)

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2018年に歌手兼プロデューサーのパク・ジニョン率いるJYPエンターテインメントが発表した「JYP2.0」もその一つだ。パク・ジニョンは当時「会社の中に4つの小さな会社を作ることにした」と言い「4つのレーベルが結合した一つの会社になるだろう」と予告した。実際、JYP内には「TWICE(トゥワイス)」や「NMIXX(エンミックス)」など各チーム別に専任チームがある

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マーブルのアベンジャーズのように、SM所属のボーイズグループのメンバーとガールズグループのメンバーがそれぞれ集まったSuperMとゴッド・ザ・ビートが作られた。カカオが今回、HYBEと争ってもし勝機をつかむならば、カカオはスーパーK-POP IPが直ちに必要なだけにこの世界観を維持していく公算は大きい。

HYBEが勝機をつかむ場合は、すでにHYBEもネイバーウェブトゥーンと手を握り、BTS、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、LE SSERAFIMの世界観を作っており、SMを買収することになれば、多様なアイデア創出が可能だ。

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ある業界関係者は次のように見通す。

「世界的な景気低迷のなか、元々不安定なエンターテインメント業界で買収合併は増えるだろう。それでも各社の遺産と個性を守る方法を皆一緒に考えてこそ、K-POPの生命力は強くなるだろう」