4カ月ぶり上海で感染者、危機対応で見えた中国コロナ対策のすごみ

 

 

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11月9日、上海市東部にある浦東国際空港で貨物の搬送作業に当たる50代男性の感染が確認されたというニュースが中国全土を駆け巡った。海外からの入国者の感染例が見つかるのは今や日常茶飯事だが、入国者全員に検査と隔離を義務付けるなど水際作戦が機能している。今回の感染例が深刻視されたのは、渡航者との接触機会がない人が感染したためだ。

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すぐさま男性が住む浦東新区祝橋鎮の営前村は封鎖され、住民が村の外に出られなくなった。感染した男性の家族や同僚など26人の濃厚接触者は、10日未明までにPCR検査を受け全員の陰性が確認された。中国は現在、感染が判明した人の濃厚接触者と、その濃厚接触者を隔離対象としている。

 営前村の住民や男性が所属する会社関係者など約9000人にPCR検査が実施され、全員の陰性が確認された。それでも移動制限を敷いたのは、検査で陰性となっても14日程度の間に陰性から陽性に転じるケースが珍しくないからだ。

 翌10日、コロナは安徽省阜陽市潁上県に飛び火した。安徽省の自宅に帰っていた感染者の同僚男性が、感染していたことが確認されたのだ。この男性の濃厚接触者にもPCR検査が実施され、居住地域は移動制限の対象になった。その後の調査で2人の感染者はマスクを着用せずに北米から到着したコンテナ内の清掃を行っていたとされ、モノからヒトへの感染事例ではないかという見方が強まっている。