北朝鮮問題、長期化の背景は…韓国を狙う核・ミサイル、開発資金は韓国から

 
 
北朝鮮には変化が生じています。昔の北朝鮮は全てを国が与えていました。食べ物、洋服の生地など配給券を配っていた。小学生は鉛筆からかばんまで国が与える。新学期が始まる際は子供を集め「偉大な将軍様が皆さんに文具を与えるのです」というような儀式を行い、子供は皆、涙ぐんで受け取る。そうして忠誠心を植え付けていたのですが、これが最近できなくなった。
 
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従来、工場などの生産物は全部国が買い取って分配していたが、金正恩政権では30%は国に納め、残りは自分たちで売りなさいと、そういうことをやっています。
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最近特徴的なのは、金正恩の統治体制というのは国民が勝手に自給自足をしているため、上層部は集中してミサイルと核の開発に注力しているということだ。
国際社会もそれがわかってきたため、金正恩に入るおカネに焦点を合わせて制裁を始めた。
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北の貿易業者が中国の銀行で口座を作るのは非常に簡単で、数年前はパスポートを持っていけばどこの銀行でも口座を作れたんですね。

 ですから北朝鮮は稼いだカネは全部中国にプールして、その口座(のカネ)から中国で必要なものを買って北朝鮮に運ぶ。北朝鮮の銀行口座が制裁で取引できなくなっても問題はなかった。

 それが今年の6月から金融実名制となり、世界的に誰のお金でどれだけのお金があるか全部見られるようになった。北朝鮮はいま、お金を全く動かせなくなっています。

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3週間ほど前に同じ貿易関係者に話を聞くと、北朝鮮は本当に困っているといいます。「希望が見えない、どうすればいいんだ」と。これが政権内部でじわじわと広がっているわけです。