7月24日に行われたJR西日本の社長会見の場において、同社の保有する500系新幹線について、2027年を目途に営業運転を終了することが発表されました

1997年に登場した500系新幹線は、TGVと並んで当時世界最速の300km/h運転を実現した車両です

 

同車の特徴は何と言っても、トンネル微気圧波を低減するために、先頭車両の半分以上が流線形となっている点であり、円筒形の車体断面やグレー系の塗装も相まって、そのジェット戦闘機のようなエクステリアはちびっ子から大人まで幅広い人気を集めていました

 

しかし、そのカッコいいロングノーズの代償として、先頭車両の座席配置が300系や700系と異なること、定員確保のために先頭車両に客用扉が1ヶ所しか設けられておらず、ダイヤが乱れた際の運用面で少なからぬ混乱を来していました

2007年に300km/h運転が可能で、なおかつ車体傾斜装置を備えたN700系が登場すると、徐々に500系は「のぞみ」運用から退き、2010年2月28日を以って東海道新幹線内での運行、並びに「のぞみ」での運用が終了しました

 

合計で9編成(W1~W9)製造された500系ですが、W2~W9の8編成については、8両に短縮された上で、新たにV2~V9の編成記号が与えられ、2008年12月から0系を置き換える形で、山陽新幹線内で「こだま」として再スタートを切っています

なお、W1編成については短編成化改造は行われずに、1号車が京都鉄道博物館で、16号車が日立製作所笠戸事業所で保存されています

 

8編成が改造された500系ですが、既にV5・V6編成は廃車になっているため、残りは6編成となっていました

今年の2月14日にも500系の去就について発表があり、

・2024年度から2026年度にかけて、N700系4編成を16両から8両へ改造

・2026年度末までに6編成ある500系のうち、4編成を上記の短編成化されたN700系で置き換える

の2点が明らかになっていました

 

さらに、今回の発表では、

・500系の営業運転を2027年で終了すること

・短編成化されるN700系は合計で14編成となること

・500系6編成に加えて700系”レールスター”8編成を置き換えること

の3点が判明しました

 

これまでは500系の置き換えだけに言及されてきましたが、ここにきて16編成在籍している700系”レールスター”についても、2027年までに半数の8編成がN700系によって置き換えられることになりました

平成初期生まれで関西で育った人間からすると、新幹線といえば500系「のぞみ」と700系「ひかりレールスター」だったので、「平成は遠くになりにけり」と感じてしまいます

 

なお、500系については2027年の完全引退までに、惜別企画が実施される予定です

 

▲2027年に完全引退する500系新幹線

 

▲雨降りの姫路駅で発車を待つレールスター