JR北海道は、2025年春のダイヤ改正で旭川~網走を結ぶ特急「大雪」2往復について、快速化を検討していることが判明しました

 

JR北海道は、快速化の理由として利用客が都市間バスやマイカーへ転移していることを挙げており、ワンマン化により運転要員のスリム化が図られ、特急料金不要で速達性が提供できることをメリットとして挙げています

ただし、これは表向きの理由で本当の理由は別にありそうです

 

石北本線を走る特急列車…「オホーツク」「大雪」…には、2023年春改正時からキハ183系に代えて、「おおぞら」で活躍していたキハ283系が運行を始めました

ご存じの方も多いように、同車は2011年に石勝線内で減速機の垂下に起因して脱線火災事故を起こしています

 

その後、JR北海道がスピードから安全最優先の方針を打ち出し、特急列車の最高速度が130km/hから120㎞/hへ引き下げられました

そんななか、キハ283系だけは車体の剛性に問題があったのか、他の特急型車両よりもさらに10km/h低い、110㎞/hに最高速度が抑えられました

 

キハ283系の最終増備は2001年であり、もっとも新しい車両でも今年で製造から23年が経過しています

一般的な車両では、そこまで老朽化が進む年数ではありませんが、同車は軽量化を突き詰めた構造であるが故に、思った以上にガタが来ているのかもしれません

 

そこへさらに、2030年度末に予定されていた北海道新幹線の札幌開業が”未定”になってしまいました

北海道新幹線が札幌まで開業すれば、札幌~函館間を結ぶ「北斗」はお役御免になるため、同列車に使用されているキハ261系1000番台を石北本線へ転用することができます

 

誰もが、キハ283系は北海道新幹線の開業でキハ261系1000番台が転用されるまでのつなぎと思っていただけに、JR北海道としても”アテが外れた”ような状態かと推察されます

YouTube上でも、石北本線内を走るキハ283系が激しく揺れる様子を収録したものが投稿されており、「大雪」の快速化で、なるべくキハ283系を延命して継続使用したい考えが見え隠れします

 

2017年春改正時に従来の「オホーツク」の運転区間を短縮する形で登場した「大雪」

1992年3月改正で消滅した歴史のある列車名が復活したことで、ファンからは好意をもって迎えられましたが、僅か8年で消滅の危機を迎えることになりました

 

なお、札幌~網走間を直通で結ぶ「オホーツク」は従来通り運行が継続されますが、ますますOKD~MMB間の空路を利することになりそうです

 

▲「おおぞら」時代のキハ283系