気が付けば、2023年も終わりに近づいてきました
だからというわけではありませんが、夏くらいから記事の更新をサボっていたので、個人的に気になる2023年下半期の気になる鉄道ニュースをまとめてみました
●南海・泉北高速、経営統合へ
去る12月20日に南海電鉄より、2025年度の早期を目標に泉北高速鉄道と経営統合を図ることが発表されました
昨年の4月には、南海電鉄が泉北高速の株式を100%取得して完全子会社化しており、沿線人口の減少やコロナ禍後の生活様式の変化により、利用者数の大幅な伸びが期待できない中で、グループ内の経営効率の改善を図る狙いがあります
また、経営統合により初乗り運賃の二重払いが解消されるため、通勤・通学定期については値下げが行われます
現在は独自のカラーリングやロゴを纏う泉北高速の車両ですが、経営統合後は南海のカラーリングに統一されるのでしょうか?
既に、今年登場した泉北高速の9300系は、イニシャルコストの低減を狙って南海電鉄の8300系と共通設計となっており、泉北高速のオリジナリティは徐々に姿を消していくことが予想されます
▲泉北高速のオリジナルカラーは見納めに…?
●立山トンネルトロリーバス、来シーズン限りで引退
富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルートとして国内外から人気の高い立山黒部アルペンルート
ロープウェイやケーブルカーなど様々な乗り物を駆使して、険しい地形を克服していますが、室堂駅と大観峰駅の間の立山トンネルでは日本で唯一の存在となったトロリーバスが運行されています
2018年までは関電トンネルにもトロリーバスが運行されていましたが、翌19年シーズンよりBEVバスに切り替えられ消滅しました
運行事業者である立山黒部貫光によると、修理部品の調達が困難になったといい、25年4月からは関電トンネルと同様なBEVバスに取って代わります
ところで、24年6月30日より欅平と黒部ダムを結ぶ黒部宇奈月キャニオンルートが一般開放されますが、トロバスの運行が24年11月いっぱいなので、僅か5ヶ月間だけではあるものの両者を体験することができます
▲立山トンネル中央にある交換所で離合するトロリーバス
●VSE、12月10日完全引退
2022年3月のダイヤ改正時に定期運用から離脱した50000形VSEですが、このほど12月10日のツアーをもって完全に引退しました
まるで芸術品のような秀麗さを持つ車両が18年ほどの活躍で、その生涯に幕を下ろしてしまったことが残念でなりません
小田急にとっても特別な存在であることから、海老名のロマンスカーミュージアムでの保存が検討されているようですが、VSEの引退に伴い同車からは連接車体の特急車両は消滅しました
ここからは、趣味人の願望でしかないのですが、できれば先輩のいる長野で第二の人生を歩んで欲しいと切に願っています
▲/▲▲引退が惜しまれる小田急ロマンスカー50000形「VSE」
●THE ROYAL EXPRESS 瀬戸内クルーズトレイン
JR西日本・四国・貨物の協力のもと、初めてとなる四国への運行が話題を呼んでいる伊豆急のロイヤルエクスプレスですが、このほど行程が発表されました
来年の1月から3月にかけて6回催行されるツアーは、いずれも岡山発岡山着の3泊4日となっており、最終日は高松港から新岡山港まで水戸岡デザインの「おりんぴあどりーむせと」に乗船します
2名1室でツアー料金は、もっとも安いプランで96万円からなので、管理人のような一般庶民には縁の世界といえそうです
なお、プレスリリースにはロイヤルエクスプレスを牽引するEF210形電気機関車が描かれており、同車が営業用の旅客車両を牽引する初のケースとなりそうです
●小浜線に観光列車「はなあかり」登場
10月25日には、JR西日本より24年10月から運行を始める観光列車「はなあかり」の詳細が発表されました
福井県の敦賀駅と兵庫県の城崎温泉駅の間を、小浜線・京都丹後鉄道・山陰本線経由で結び、24年3月に開業する北陸新幹線と呼応して、広域観光を促進する狙いがあります
車両は「はまかぜ」に使用されているキハ189系のうち、3両1編成を全車グリーン車のハイグレード仕様へ改装します
さらに、1号車はグリーン車のさらに上をいく”スーペリアグリーン車”とし、室内には2人用のセミコンパートメントが10室設置されます
内外装のデザインは、「WEST EXPRESS 銀河」や273系「やくも」に引き続き、イチバンセンの川西康之氏が手掛けます
なお、運行区間についてですが、四半期ごとにJR西日本管内の他線区を走る予定としており、「銀河」のように山陽・山陰地区を走る姿を見ることができそうですね
▲観光列車「はなあかり」へ生まれ変わるキハ189系
●鶴見線にE131系投入
本日12月24日より、鶴見線にE131系がお目見えしました
既に車両は一般公開されており、これまでの房総地区や相模線、宇都宮線へ投入された車両と違って、拡幅車体ではなく、建築限界の関係なのかストレート車体を採用していることが特徴です
最終的には、3両編成×8本の24両が投入され、現在走っている205系をすべて置き換えます
●阪急京都線 座席指定サービスPRiVACE始動
昨年の10月に阪急電鉄から発表されたプレスリリースで明らかになった京都線への座席指定サービス
今年の11月には、名称がPRiVACE(プライベース)に決定し、2024年夏頃から運行開始予定であることが発表されました
京阪のプレミアムカーを嚆矢として、JR西日本が新快速にAシート導入するなど、追加料金を支払ってもゆっくり座って移動したいというニーズの高まりを受けて、同社では初めてとなる座席指定サービスの導入に踏み切ることになりました
PRiVACEには、PrivateとPlaceを掛け合わせた造語で、移動時間を単なる移動としてでなく、プライベートな自分時間を過ごして欲しいという意味合いが込められています
イメージ図を見ると、ドアは車両中央に1ヶ所だけ設置され、ドア横には京阪のプレミアムカーのようなガラスサイネージの行先表示を目を惹きます
一方、車内へ目をやると、シートモケットは阪急の伝統ともいえるモスグリーン色になっており、落ち着いた木目調のインテリアで、独自色を演出しています
このPRiVACE車両は、新たに京都線へ導入される2300系のほか、既存の9300系の一部にも連結予定で、大阪梅田方から4両目に設定されます
▲大阪梅田駅で発車を待つ阪急電車