年の瀬も押し迫った2021年12月29日のこと、年末年始で社畜としては長めの6連休となった管理人は「くろしお」16号に揺られて、日根野駅に降り立ちました

 

 

「くろしお」を終点の新大阪駅ではなく、途中の日根野駅で降りたということは、それは即ち関空から空路を利用するからに他なりません

今日から3泊4日の日程で北海道を目指し、8月に低気圧の影響で乗車が叶わなかったキハ283系に何としてでも乗ってやろうと、半ばやけくそで今回のプランを立案しました

 

12月の時点では、キハ283系は翌年3月のダイヤ改正をもって”完全”引退するとの見方が大勢を占めていました

年度末から年度初めの繁忙期に4日以上の休みは取れないので、ダウンジャケットやらホッカイロやら考え得る限りの防寒対策をとって、4ヶ月振りとなる北の大地を目指します

 

この時はまだオミクロン株が猛威を振るう前で、久々に地元に帰省したり、あるいは私がそうであるように旅に出かけたりする人が多かったようで、KIX→CTSの運賃がなんと3万超えなもんですから、本当は家のこたつでゆっくりしておきったかったところです

 

 

そのまま乗っておけば、そのまま第1チェックポイントでもある関空まで連れて行ってくれるのに、ここでヲタクは日根野駅から乗った関空快速をわずか5分で下車する奇行に打って出ます

りんくうタウン駅で下車した深い意味はありませんが、飛行機の出発時刻が15時過ぎでかなり余裕があったので、しばらく撮り鉄に勤しむことにしました

 

 

りんくうタウン~関空間はJRと南海が線路を共用しており、この駅ではJRの電車が発着する同じホームに南海電車が発着する不思議な光景を見ることができます

ただし、2面4線ある発着線のなかで、JRと南海のホームは厳密に分けられていて、外側の1・4番のりばを南海電車が、内側の2・3番のりばをJRが使っています

 

 

JRの特急「はるか」が当駅を通過するのに対して、南海の特急「ラピート」はα,βの全便が停車します

つまり、りんくうタウン駅を通過する列車はJRの「はるか」だけということになります

 

 

クリスマスから日が浅かったからでしょうか?それとも冬だからでしょうか?

運転席には愛くるしい雪だるまが鎮座しています

 

 

225系の5000番台と5100番台が並びました

同じ形式の車両ではありますが、灯具類の形状が大きく異なるほか、後者は種別・行先表示がすべてフルカラーLED化されています

 

ところで、関空快速から中高生と思しき若人がわらわらと下車していました

ふと、ここで降りて遊びに行く場所なんかあっただろうかと、首を傾げながらGoogleマップを見ると、りんくうプレミアム・アウトレットを始め、意外と駅周辺に大規模な商業施設が多いのですね

 

 

駅の西側には、阪神高速4号湾岸線と関西空港自動車道、関西国際空港連絡橋が交わるりんくうJCTの高架橋が美しい弧を描いています

 

 

気を取り直して、再び関空快速に揺られて関空を目指します

関空へ向かう唯一の移動手段…KIX⇔UKB間の航路を除く…であるこの橋は、正式名称が関西国際空港連絡橋で、瀬戸大橋と同じように上層部が道路で、下層部に鉄道が通る道路・鉄道併用橋となっています

 

長さは3,750mで、これまで管理人も知らなかったのですが、トラス橋としては世界最長を誇ります

一応、スカイゲートブリッジという愛称が与えられていますが、認知度はそこまで高くないようです

 

先述したように、りんくうタウン~関西空港間はJRと南海が線路を共用している関係で、車窓から離合する南海電車を見ることができます

 

 

 

終点の関西空港駅に到着しました

今しがた乗ってきた関空快速は、すぐに折り返し大阪方面行きとなります
 

 

この時は、昼間時を走る「はるか」が殆ど運休しているため、関空アクセスは専ら関空快速が担っていました

LED発車標にも「はるか」の文字は見当たりません

 

 

改札こそ分かれていますが、関西空港駅はJRと南海の電車が仲良く並んで発着しています

 

 

駅を降り立つと、エアロプラザの方には上級旅行者御用達のホテル日航関西が聳え立っています

前回、関空を利用したのは、寝台特急「北斗星」の完全廃止が差し迫った2015年6月に今回と同じくCTSを目指した時まで遡ります

 

 

りんくうタウン駅で寄り道しましたが、まだ飛行機の出発時刻には余裕があります

まずは、第1ターミナル1階のリムジンバス乗り場で撮りバスを楽しむことにします

 

 

どうやら最近中の人は鉄道だけに飽き足らず、バス撮影にまで手を出したようです

なお、今年の3月に大阪空港交通が同じ阪急阪神東宝グループの阪急観光バスと合併することが発表されたため、このカラーリングも変更される運命のようです

 

 

巨大構造物フェチの管理人としては、海上の埋立地にこんなぶっとい鉄骨が生えていることに、思わず小躍りしてしまいそうになります

多趣味ヲタクが関空を探検していたら、飛行機に乗る前から興奮を隠し切れないわけですよ

 

 

かくして、飛行機に乗る前どころか、ターミナル内に入る前から浮かれている管理人ですが、そろそろ建物の中に入ろうと思います

 

 

今回、関空を利用するにあたって見学しておきたかったのが、この4階にある国際線用のターミナルなんですよね

 

 

設計は、国際コンペで選ばれたレンゾ・ピアノワークショップジャパンが手掛けています

 

 

そして、レンゾ=ピアノ氏と共同でこのプロジェクトに参加したのが、VSEやMSEといった小田急ロマンスカーのデザイナーとして名を馳せている岡部憲明氏です

 

 

岡部憲明アーキテクチャーネットワークの公式HPによると、ダイナミックな「流れ」の形態を表現しているそうな

 

 

ゆるやかに弧を描く天井に、VSEのデザインとの連続性を見て取ることができますね

 

 

さきほど紹介した国際線ターミナルもそうですが、コロナ禍で国際線が両替カウンターや動物用の検疫所はシャッターが閉じられたままです

国際線が復活すると、ここも再びインバウンド観光客で賑わうことでしょう

 

 

スマホに表示されたQRコードをチェックインカウンターにかざして、チケットを受け取りました

運賃・料金の組み合わせが複雑な鉄道と比べると、これだけで搭乗手続きが完結してしまう飛行機は利用にあたってのハードルが低いといえそうです

 

 

保安検査を終えると、滑走路が一望できる待合室がありました

 

 

国際線はほとんど飛んでいないはずですが、ヴェトナム航空の機材がありました

 

 

こちらは全日空のボーイング737-800ですね

 

 

シルバーグレーのJetstar機が一足先にCTSへ向けて出発しました

そして後を追うようにして、管理人の乗ったJAL2505便(ボーイング737-800)は、定刻通り15時20分にCTSに向けてKIXを出発しました

 

私が予約したのは通路側の27H席だったので、特に機窓…飛行機だから車窓ではない…を楽しむことはできませんでした

本当は窓側を予約したかったのですが、私がJALのHPから空席を確認した時は、窓側はおろか通路側でさえほとんど予約で埋まっており、座れただけでも”マシ”なのかもしれません

 

年末の帰省ラッシュにあたることもあって運賃は33,810円でしたが、当初はPeachの2万円くらいの航空券を狙っていました

11月23日にPeachでKIX→CTSを検索した時は、バリューピーチで19,260円でした

 

この時に買っておけばよかったものを踏ん切りがつかず、せっかくの好機を逃してしまいました

そうこうしている間に、Peachの運賃もぐんぐん高くなってしまい、遂には2万円台後半まで値上がりしてしまいました

 

KIX発のJetStarやNGO発のSkymarkは既に満席で、手数料として1,000~2,000円程度運賃にプラスされるLCCの運賃体系を踏まえると、JALの運賃と大差ないと考えたわけです

とはいえ、往路だけで30,000円オーバーの出費は財布に優しくないですね

 

 

窓から外の景色を眺めることができないと、2時間弱のフライトは少々退屈でした

そして、せっかく窓側に座ってるのに、爆睡をかましている人がいるのは腹立たしいですね

 

 

定刻通り17時10分に雪が舞い散るCTSに到着しました

私の首からぶら下げたデジイチ…LUMIX DC-G99…を見たCAさんから、「いい写真撮ってきてくださいね」と愛想のいい笑顔で見送られ、飛行機を後にしました

 

ちなみに、このCAさんは私がカメラを片手に座席に座っている時も、「いいカメラをお持ちですね」と話しかけて下さった方で、初対面の利用客相手にコミュニケーションを図る接客術に、プロの技を垣間見たような気がします

 

スマホのお天気アプリを見ると、17時過ぎの気温はマイナス3℃を表示しており、自分を試す意味合いも込めて玄関から外へ出てみました

そこまで吹雪いていなかったこともあり、これならなんとか私でも耐えられる寒さでした

 

次回、年越し北海道旅行記2021‐2022②~新千歳空港探索編~につづく