前回、旭川から「スーパーカムイ」20号に揺られて札幌駅に到着しました

本来であれば、ここで一休みしてから寝台特急「北斗星」に乗り込みたいところですが、「オホーツク」と並んで今回の渡道で記録しておきたい列車がもう1つありました

 

それは、青函間を津軽海峡線経由で結んでいた485系「白鳥」号に他なりません

485系と共に青函間の移動を支えていた789系0番台は経年も浅いことから、785系の置き換え用として道央圏へ転用されることが内定していましたが、485系は新幹線延伸後に廃車となることが確実視されていたため、どうしても一目見ておきたかったのです

 

 

↑/↑↑14年11月撮影

 

一応、「スーパーカムイ」20号で札幌駅に着いてから「北斗」12号が発車するまで1時間少々あったのですが、この間何をしていたのかまったく覚えていません

いつもの私なら、ホームでカメラを構えていると思うのですが、「北斗」の入線後に外観さえ撮影するのを忘れていたみたいなので、ここでも前回の写真を流用させてもらいます

 

 

途中、新札幌で789系1000番台車による快速「エアポート」と離合しました

789系0番台やキハ261系とほぼ同一の先頭形状ながら、JR北海道の特急用車両としては初めての非貫通型先頭車両ですね

 

 

お昼…とは言っても既に14時過ぎです…なので、札幌駅で購入した駅弁を車内をいただきました

パッケージに北海道の鉄道路線があしらわれていますが、中身は普通の幕の内弁当ですね

 

 

ちょうど私が北海道を訪れた2015年頃は、インバウンド観光客が激増していた頃で「北斗」の車内も大いに賑わっていました

自由席の利用でしたが、確か座席を確保するものやっとだったと思います

 

それだけ混雑している状態だったので、客室内を撮影した写真がなんとこの1枚しか残っていません

既にキハ183系は「北斗」系統から完全撤退しており、いま思い返せばR55形座席が並ぶ客室内をもっとしっかり記録しておけばよかったと後悔しています

 

ところで、キハ183系のうち、DML30HZ型エンジンを搭載しているN・NN183系と呼称されるグループでは、スライジングブロックの破損の起因するトラブルが起きていました

エンジンそのものの経年劣化も進んでいたことから、DML30HZからキハ261系で実績のあったN-DMF13HZKに取り替える工事が進んでいました

 

もし、エンジン未換装車であれば、私の好きな水平対向12気筒サウンドが楽しめたのですが、残念ながら私の乗り込んだ自由席車はN-DMF13HZKに換装済みでした

 

 

気分転換に、デッキへ出てみました

JR世代の車両であれば、デッキ部分であっても配色やマテリアルに配慮して、利用客を迎える空間にするような努力が見られますが、国鉄生まれの車両ということもあって、金属剥き出しの直線がやたらと目立つ実用性上等な空間になっています

ただ、この国鉄感漂うデッキは嫌いではなく、むしろ好感を持ってしまうあたりが”病気”なのかもしれません

 

 

キハ183系でアコモで特徴的といえるのが、こちらの洗面所です

レール方向にかなり広い面積がとられており、鉄道車両としては他に類を見ない巨大なサイズの鏡が設置されています

 

 

他のキハ183系と同様に、この車両もご多分に漏れずトイレは和式から洋式に改装されています

 

 

この写真は、列車がちょうど北舟岡駅に差し掛かったところで撮影したもので、車窓からは進行方向左手に雄大な噴火湾を望むことができます

紺碧に煌めく噴火湾と走りゆく列車の共演を記録できることから有名な撮影地になっており、「北斗星」狙いの撮り鉄が車内からでも確認できました

 

なお、キハ183系の貫通型先頭車両は、その構造上助士席側から前面展望が可能となっています

その気になれば、事前に1号車のかぶりつき席を押さえることもできたわけですが、この時は「北斗星」に気を取られていたので、何も考えずに自由席を利用しました

現在、「北斗」に充当されているキハ261・キハ281系はいずれも客室からの前面展望は不可能なため、差額520円をケチらずに指定席を利用すればよかったと後悔しきりです

 

 

 

さすがに日の長い初夏とはいえ、17時を過ぎるとだんだん陽が傾いてきました

水面に反射する大沼公園を車窓に迎えれば、終点函館はもうすぐです

 

 

どこの駅だったのかは忘れてしまいましたが、DF200の牽引する貨物列車と離合しました

いまでは、関西本線でも見ることのできるDF200ですが、15年時点では道内における貨物列車の牽引にのみ充当されており、本州民からすると、いわば”未知”の車両でした

まさか、この翌年から関西本線へ投入するための下準備が始まろうとはつゆ知らず、車内から必死にDF200に向かってシャッターを切っていました

 

それにしも、道南地区に限ったことではありませんが、特急が停車する大きな駅ならともかく、駅周辺がとにかく寂しく人家も疎らなんですよね

車窓からも北海道の人口密度の低さをひしひしと実感できるわけですが、道理でJR北海道の経営状態も苦しくなるはずですよね

 

 

北海道新幹線の開業を9ヶ月後に控えている渡島大野駅を通過しました

既に新幹線駅舎の躯体や在来線との乗り換え改札口は完成しており、あとは乗客を迎えるための準備を僅かに残すのみといった感じですね

 

 

青函トンネル内を走る貨物列車の牽引機もED79&EH500から、AC25kV/50Hz対応のEH800へバトンタッチ

ちょうど9ヵ月後の本格稼働に向けて調整が続いていた頃です

 

北海道新幹線の開業後の貨物列車の去就については色々と取り沙汰されましたが、結局新幹線の方が在来線時代と同じく140㎞/hまで速度を落とすことでいったんは解決をみました

19年春のダイヤ改正で、新在供用区間における最高速度は140㎞/hから160km/hへ引き上げられましたが、さらなる高速化についてはなかなか難しいようですね

 

 

 

 

私の乗った「北斗」12号は18時18分に終点の函館に到着しました

さっそく「北斗」を記録したいところですが、3分後の18時21分に「白鳥」96号新青森行きが発車してしまうので、こちらを急いでファインダーに収める必要があります

 

一応、「北斗」12号から「白鳥」96号に乗り継げるダイヤにはなっており、これに乗ると新青森20時40分発の「はやぶさ」96号仙台行きに乗り継ぐことができます

さすがに、新幹線が新青森発着の時代に、鉄路で札幌から東京を目指す人は少なかったと思いますが、北海道~東北間の移動なら、この「北斗」~「白鳥」~「はやぶさ」のルートが一番便利だったことでしょう

 

ちなみに、JR世代の789系に向こうを張って活躍していた485系「白鳥」は、この時点で定期列車はわずか2往復しか運行されておらず、お目にかかるのも難しい車両でした

485系3000番台の中でも、ブルーを基調にした新潟地区用の車両は見たことがあっても、イエローを基調にした青森地区用の車両は見たことがあったので、本当に引退ギリギリのタイミングでこの目に焼き付けることができました

 

できれば、このまま「白鳥」96号に揺られて青森まで行きたかったところですが、この時函館からの「北斗星」の寝台券を握りしめていたので、それは無理な相談ですね

北海道新幹線開業前に、急行「はまなす」や「白鳥」に乗りに行く計画は立てたものの、結局計画倒れに終わりました

 

 

 

 

「白鳥」96号が発車したので、キハ183系の記録に勤しむことにします

18年春のダイヤ改正で、「北斗」の定期運用からキハ183系は撤退しますが、この時はエンジンの換装工事を受けていることもあって、しばらく「北斗」系統で現役と思われただけに衝撃でした

 

そしたら、今度は22年度末…つまり23年春ダイヤ改正…で、JR北海道初の振り子車として華々しくデビューを飾ったキハ281系までもが引退するというのですから、時の流れは残酷なものです

 

 

 

いまと比べると機材があまり良くない上に、管理人の腕も拙かったのですが、キハ183系のエンジンだけはしっかり撮ってました

上が換装済みのDMF13HZK形で、下のキロ182形の床下に見えるのがDML30HZ形ですね

 

 

ひとしきりキハ183系を撮影していると、新青森からの「スーパー白鳥」21号が到着しました

 

 

 

こちらについては、内外装を大きく変えずに、いまも札幌~旭川間を結ぶ「ライラック」で活躍を続けています

 

変更点といえば、ヘッドマークがフルカラーLED化され、先頭車両側面と乗降ドア横にあったHEAT789のロゴが消されたくらいですね

最近になって、グリーン車は座席が換装されたほか、普通車ではモケットが789系1000番台と同じ色に交換されましたが、基本的には「スーパー白鳥」時代と大きく姿を変えることなく、今日も健気に道央圏を走っています

 

 

流麗な白鳥のイラストが印象的なヘッドマークも見れなくなって久しいですね

JR北海道の特急型車両は、一番最初に製造された785系から一貫してヘッドマークが装着されているため、見ているこちらも楽しめますね

 


乗降ドア横にはHEAT789の文字と共に、青函トンネルの位置をシンボリックに表記したロゴがありました

ヘッドマークもロゴもデザインが出色な出来栄えだったので、見れなくなって残念です

 

ところで、北海道新幹線が開業する前、津軽海峡線を走る「スーパー白鳥」は青森~函館間を約2時間で結んでいました

いまとなっては、同区間の移動に2回の乗り換えを要することから、青函間に限ってみると所要時間が新幹線開業前とさほど変わらない上に、料金が跳ね上がっているため、何らかの改善策があればいいのですが…

 

 

 

かつて、「白鳥」といえば大阪~青森間を走り、昼行列車としては在来線最長距離を走る列車としてあまりにも有名でした

2001年春のダイヤ改正で、この列車は「サンダーバード」「北越」「いなほ」の3列車に分割される形で消滅しました

 

しかし、翌2002年12月に北陸新幹線が八戸まで延伸開業すると、同駅と函館を結ぶ列車の愛称として華麗に復活を遂げました

そんな奇跡の復活劇を成しえた「白鳥」も新幹線開業の運命には逆らうことはできませんでした

 

1960年に秋田~鮫間を走る準急列車として生を受けた由緒ある列車名だけに、このまま途絶えてしまうにはあまりにも惜しい愛称だと思います

 

 

函館駅のホームの車体を横たえる789系も過去の姿となりました

青函トンネル内の電圧が20kVから25kVに昇圧された関係で、リバイバル運行も不可能ですね

 

 

ちょうど発車していく「北斗」17号と並びましたが、撮影技術が未熟である故に、被写体ブレを起こしていますね

残念ながら、この頃の私はSSを手動で調整することさえ知らなかったのです

 

 

函館駅で撮り鉄を楽しんだ後は、ブルートレインに揺られて、夢見心地で上野を目指します

乗車記については、以下のリンクよりご覧下さい

 

 

これで2014年の秋と2015年の初夏に北海道を訪れた時の記録は以上となります

なにぶん6年前の出来事なので、記憶があやふやなところもありますが、最後までお付き合い下さりありがとうございました