昨日は、かなり深い闇に入り込んでしまったので、僕はまた、チェリまほの優しい黒沢さんに癒しを求めています。5話は、モンブラン社長、お姫様抱っこの回ですね。以前にも書きましたが、僕は5話を最初に見たので、1回目と2回目以降の感想が全然違います。簡単に言うと、1回目は安達さん視点、2回目以降は完全に黒沢さん視点で見ています。モンブランは、僕が一番好きなケーキなので親近感が倍増です。安達さんが、黒沢さんのために初めて積極的に魔法を使います。物語の構成上、大切なシーンであることは十分に理解できます。でも僕からすると、大好きな黒沢さんを惨めな感じで、あんなに長く立ち続けさせないで欲しいです。まあでも、問題解決後に、黒沢さんが安達さんに、「ありがとな。」と、目じりにしわを寄せて完全無欠な笑顔を見せてくれるので許します。(この感想は、僕の暴走です。)

 そして、元カノ(姉)への安達さんの嫉妬へと展開していきます。安達さんが妄想する黒沢さんと元カノとラブシーンは、後の黒沢さんが妄想するバスローブのラブシーンと対比的に描かれています。安達さんのは、男性目線の俗っぽいいやらしさを感じ(これはこれでエロくてよいのです。)、黒沢さんのは、ゲイ(女性)目線の上品なエロさを感じます(美しすぎるんです。)。ゲイの僕は、こんなシーンからも、安達さん=タチ、黒沢さん=ウケを感じます。それから、お姫様抱っこです。体調の悪い安達さんが倒れそうになるので、黒沢さんは安達さんを支えます。一瞬間をおいて、黒沢さんは意を決したような表情を見せ、お姫様抱っこをして、「全然大丈夫じゃないだろう。」と話します。この一瞬の間に、黒沢さんのゲイカミングアウトやむなしの決意が感じられます。一流オフィスビルの玄関でのあの行為は、完全にアウトです。疑惑を持たれ、当然噂になります。この行為は、黒沢さんの暴走です。でも、BLなどの女性ファンを大切にするための演出だし、何よりも僕が萌えたので許さざるを得ません。

 それから、タクシーに元カノが乗り込んでくるシーンになり、姉であることがわかり、その姉が「じゃあ優一が、泊まり込みで看病してあげたら。」と、黒沢さんにとって最高の状況を作り出します。僕も最初は、お姉さんの勝手な言動だと思っていました。でもよく考えてみると、お姉さんは黒沢さんがゲイだと気付いて(知って)いて、あの場ですぐに、黒沢さんの安達さんへの思いを察したのではないかと思いました。お姉さんなら、黒沢さんの七年間のプライベートな生活を、ある程度は知っているはずです。あんなイケメンエリートの弟が、彼女もいないこと、誰かに片思いをして悩んでいることを心配しないはずがありません。もしかしたら、過去の黒沢さんの成育歴の中で、お姉さんは、黒沢さんがゲイだととっくにわかっていたかもしれません。

 僕にも、姉がいます。二人っきりの姉弟で、両親は他界してしまったので、僕には唯一の肉親です。姉は、車で数分、歩いても15分くらいのところに住んでいますが、僕の自宅、姉にとっては実家に特別用事がない限り来ません。来る場合でも、必ず連絡してからしか来ません。僕の様子を見るために、姉からの連絡はある程度定期的にきます。実は僕、以前鬱状態となり、適応障害と診断され、仕事をしばらく休んだことがあるのです。だから姉は、僕のことが心配なはずなんです。それでも姉は、僕の家には来ないのです。僕も、その理由を姉に聞いたことはありません。でもおそらく、僕が自分のゲイに関するプライバシーを何一つカミングアウトしていなくて、それを知られることが嫌なことをわかっているからだと思います。両親を亡くして少し経ったとき、姉は僕に、お見合い的にある女性を紹介してきました。たぶん、亡くなった母が、姉に僕のことを頼んでいたのだと思います。僕は、全然気乗りしなかったのですが、断れなくて会うことになりました。会う当日僕は、割と広い駐車場にも関わらず、思いっきり自分の車を姉の車にぶつけてしまいました。姉はその時、「相手に失礼になるから、今日は会いに行きなさい。」とだけ言い、僕のことを怒りませんでした。そして、二度と女性を僕に紹介しませんでした。姉は、薄々気付いていたのでしょうが、あの時はっきりと僕がゲイだとわかったと思います。姉は、確かに僕の家には連絡なしには来ませんが、車で家の前を通過して、僕が普通に生活できていることを確認しているようです。もし今、僕が姉にカミングアウトしたら、「わかっていたよ。今まで苦しかったでしょう。よく言えたね。私は、いつでもあなたの味方だよ。」って、言ってくれると思います。でも、僕はまだカミングアウトできないです。ただ、以前は全く考えられなかったカミングアウトですが、機会があったら、僕でもできるかもしれないと思えるようになりました。それは、チェリまほの黒沢さんとお姉さんを見たからです。僕は、お姉さんは、黒沢さんに幸せになって欲しいと思ってあの場面を作ったのだと思います。