みなさん
こんにちは。
今回は、婚姻の無効及び取消しを見ていきましょう。
■ 婚姻の無効
1、 (婚姻の無効)
第七百四十二条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。
無効はこの2つのみです。
① 人違いについて
人違いとは、相手方について同一性を誤ることであり(結婚詐欺などで完全に別人)、相手方の性格(温厚だと思っていたがそうではなかった)や属性(出身地を偽っていた)などを誤る場合はこれに含まれない。
2、 届出の追認
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合(無効原因)、他方がこれを追認した時は、その婚姻は、届出の当初にさかのぼって有効になる。
■ 婚姻の取消し
1、 不適法な婚姻の取消し
① 婚姻適齢(731条)
婚姻適齢になったときに取消権はなくなり。
不適齢者は、適齢に達した後、3ヶ月間は婚姻の取り消しを請求することができる。
② 重婚の禁止(732条)
③ 再婚禁止期間(733条)
再婚禁止期間にした婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して100日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができない。
④ 近親者間の再婚の禁止(734条)
⑤ 直系姻族間の婚姻の禁止(735条)
⑥ 養親子等の間の婚姻の禁止(736条)
この規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
※親族相続に関して、ほとんどが家庭裁判所です。もし、異なる裁判所がでてきたらそれのみ例外として覚えていきます。
※検察官は、当事者の一方の死亡により、この取消し請求をすることができません。
2、 詐欺又は強迫による取消
詐欺又は強迫による婚姻の取消しの場合、取消権者は、詐欺又は脅迫を受けた者に限られる。
※民法総則の詐欺及び強迫は婚姻の取消しに適用されない。
※詐欺を発見し、強迫を免れた後3カ月を経過し、又は追認した時は、取消権が消滅する。
3、 婚姻の取消方法
婚姻の取消は、必ず家庭裁判所に請求しなければならない。
4、 婚姻取消の効力
婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
これは子供が生まれた場合、取り消しによって嫡出子が被嫡出子になる等の不都合があるからである。
5、 後婚が離婚によって解消された場合
重婚において、後婚が離婚によって解消されたときは、特段の事情のない限り後婚の取消しを請求することができない。
これは、既に離婚によって取消に準ずる効果が発生している為、婚姻の取消しを請求することについて法律上の利益がないためである。
以上です。
身分行為なので期限が短い事が特徴ですね。
それぞれの取消権者と消滅を確認しておきましょう。
では次回もよろしくお願いします。