みなさん
こんにちは
今回もミニテストからです。
問題
被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、貸付金の弁済を受けた行為は、取り消すことができる。
解答
○
被保佐人が「元本を領収し、又は利用すること」をするには、その保佐人の同意を得なければならず、その同意又はこれに代わる許可(裁判所)を得ないでしたものは取り消すことができる。よって貸付金の弁済を受けることは、「元本を領収すること」にあたるので、取り消すことができる。
※ポイント
テキスト等に載っている事例はできるだけ覚える。
「元本を受領し、又は利用すること」が「貸付金の弁済を受けた行為」ということをリンクできるよう、しっかりと復習が必要であり、他の論点も同様です。
■ 特殊不法行為
特殊不法行為とは、以下の5種類である。
加害者の代わり又は加害者と共に責任を負う者の規定を定めている。
1、責任無能力者の監督義務者等の責任(親権者・後見人)
2、使用者等の責任(雇い主)
3、注文者の責任(請負など)
4、動物の占有者等の責任(買主)
5、共同不法行為者の責任(加害者が複数人)
1、責任無能力者の監督義務者等の責任(親権者・後見人)
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
① 意義
責任無能力者は、一般不法行為の要件(責任能力を除く)を満たしている為、損害賠償の責任を負いません。
次の要件を満たす場合、監督義務者(親権者等)・代理監督者(保育士、小学校の教員等)が損害賠償の責任を負います。
※過失相殺には「保育士」が含まれていませんが、監督責任には問われます。
一 加害者が責任無能力者で責任の負わないこと
二 監督義務者、代理監督者による免責の立証がない事
※一般不法行為の場合、被害者側が被害行為について、監督義務者等に故意や過失があることを立証する必要はない。
② 未成年者が責任能力を有する場合
未成年者が責任能力(11~12歳以上)を有する場合、監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認めることができるときは、709条(一般不法行為)を根拠に監督義務者責任が認められる。
加害者(未成年責任能力あり)→709条(一般不法行為)による損害賠償
監督義務者(親権者・保育士等)→709条(一般不法行為)による損害賠償
※監督義務者は714条(監督義務者の責任)の損害賠償は請求できない。
ただし、親権者の未成年者に対しての及ぼし得る影響力が限定的(成年に達する目前で、職に就き、親元を離れている等)であれば、親権者は、被害者に対して不法行為責任を負わない。
2、使用者等の責任(雇い主)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
① 意義
使用者は、他人を使用することによって利益を得ているからそのリスクを負担すべきである。
そこで、次の要件が揃う場合、加害者に加えて、使用者・監督者(現場監督等)も損害賠償責任を負う。
一 加害者の行為が一般不法行為の要件を満たしており
二 使用関係があり
三 加害行為が事業の執行(出前の配達中等)につきおこなわれたこと
四 使用者・監督者に免責の立証がない事
被害者は、使用者(会社)にも被用者(従業員)に対しても損害賠償を請求することができる。
使用者(会社)は、損害賠償を支払った場合、被用者(従業員)に対して求償することができる(全額請求できるかは限らない)。
② 事業の執行について
事業の執行とは、必ずしも被用者がその担当する業務を適正に執行する場合だけを指すのではなく、広く被用者の行為の外形を捉えて客観的に観察したとき、使用者の事業の態様、規模等からしてそれが被用者の職務行為の範囲内に属するものと認められる場合で足りる。
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※似ている論点 「国家賠償法の外形標準説」
非番の警察官が、制服と警察手帳を使い通行人から金品目的で所持品検査をし持ち逃げしようとし、通行人を殺害した。
この場合、「客観的に見て職務質問の外形を備える行為」であれば、「職務を行うにつき」といえるようにしました。
記述でも問われる可能性があるので、まとめて覚えておきましょう。
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本日は以上です。
できるだけ、似ている論点、他とリンクする論点はその時に復習や比較をしていきましょう。
では次回もよろしくお願いします。