みなさん
こんにちは
今回もミニテストから見ていきましょう。
Aは、Bの所有する時計の修理を依頼され、その修理をしたが、Bは、時計の修理代金を支払っていない。この場合において、Aが当該時計をDに賃貸して引渡したときは、Aの留置権は、消滅する。
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留置権者は、留置物の保存に必要な使用を除き、債務者の承諾がなければ、留置物を使用若しくは賃貸しまたは担保に提供することはできず(民法298条2項)、留置権者がこれに反したときは、債務者は留置権の消滅を請求できる。
よって、AがBの承諾なしにDに留置物たる時計を賃貸したことにより直ちに留置権が消滅するのではなく、Bによる留置権の消滅請求により消滅する。
■ 手付
1、手付には証約手付(売買成立した証拠の手付)、違約手付(債務不履行があったときに意訳罰として没収される手付)等様々があるが、特別の定めがなければ解約手付(解約のための手付)と推定される。
2、「違約をした場合には手付の没収又は倍返しをする」という違約手付があるだけでは、解約手付の適用を排除する意思表示があるということはできない。
よって違約手付が解約手付の性質を持つことがある。
3、手付による解除
解約手付が交付された場合、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは次の方法で契約の解除をすることができる。
買主 手付の放棄
売主 手付の倍額を償還
※原則損害賠償の責任は生じない
4、当事者の一方が契約の履行に着手するまでの意味
「履行の着手」とは、客観的外部から認識することができるような行為である。
例:代金を支払う、登記を移転する、引渡しを行う。
※相手方が履行の着手を行えば解約できない。
※自分が履行の着手をしていても解約できる。
5、手付の倍返し
売主が手付を倍返しするとあるが、これは現実の提供が必要である。
以上です。
それほど難解な論点ではないと思います。
ミニテストを落としてしまった方は今一度、お手持ちのテキストで但し書や条文に立ち返ってみるのもいいと思います。
では、次回もよろしくお願いします。