みなさん
こんにちは。
まずはミニテストから。
問題
善意の占有者は、自己の責めに帰すべき事由によって占有物が消滅した時は、回復者に対し、損害の全部を賠償する義務を負う。
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善意の「他主占有者」は、損害の全部を賠償する義務を負うが、善意の「自主占有者」は、「現に利益を受けている限度において」賠償をすればよい。よって、善意の占有者は、損害の全部を賠償する義務を負わないことがある。
しっかりと「他主占有」「自主占有」を分けて理解しているか問われる問題です。
問題文の主語をしっかり意識しましょう。
例えば、不服審査法の執行停止は、「処分庁」「処分庁の上級行政庁である審査庁」「審理員」の誰が行いますか。
この組み合わせの場合は「処分庁の上級行政庁である審査庁」ですね。
問題を解いて2肢で悩む場合主語を気にしてください。
そこに犯人がいる可能性が高いです。
では、今回から売買です。
売買から担保責任は頻出論点なうえ、担保責任が覚えにくいです。
しっかりと、復習していきましょう。
■ 総説
1、売買とは
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
売買は、双務・有償・諾成契約である。
2、売買契約に関する費用
債務の履行に関する費用は債務者負担。
売買契約に関する費用(契約書の作成費用等)は、特約がなければ、当事者が平等に負担する(558条)。
3、有償契約への準用
売買契約に関する規定は、その性質が許す限り、売買以外の有償契約に準用される。
※売買の規定が他の有償契約(賃貸借や請負等)に準用されることが多い為売買の規定は重要。
4、代金の支払期限
売買の目的物の引渡しに期限がある場合、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。
ここはあくまで推定であり、反証ができる。
5、代金の支払の場所
売買の目的物の引渡と同時に代金を支払うべき時は、その引渡しの場所において支払わなければならない。
6、果実の帰属
特約がなければ、引渡し前は売主、引渡し後は買主。
※代金支払後は買主。
買主が果実を得れる場合
① 引渡し後
② 代金の支払後
7、利息
買主は引渡しを受けてから利息を支払う義務がある。しかし、支払について期限がある場合、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。
8、権利を取得できない可能性がある買主の代金支払拒絶
① 二重譲渡
売買の目的について権利を主張する者があるために買主がその買い受けた権利の全部又は一部を失うおそれがあるときは、買主は、その危険の限度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供した時は、支払を拒むことができない。
例:Aは自己所有の甲不動産をBに売却し、その後Cにも売却した。
この場合BはAからの代金請求を、甲土地の所有権を失うおそれがあるため、請求を拒むことができる。
ただし、売主Aが買主Bの承諾を得てDを保証人としたときは、買主Bは、売主Aからの代金支払請求を拒むことができない。
② 抵当権がある場合
買い受けた不動産について抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続きが終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。
以上です。
では次回もよろしくお願いします。