みなさん
こんにちは
今回もミニテストから。
Bは、Aの車庫から自動車を搾取して乗り回した後、これをCに売り渡した。Aは、Cに対し、Cが自動車の占有を取得した時から1年以内に限り、占有回収の訴えにより、自動車の返還を請求することができる。
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占有回収の訴えは、「占有を奪われた時」から1年以内に提起しなければならない。
時の問題も良く出題されます。
普段の問題集を解くときに意識しておきましょう。
■危険負担
危険負担とは、簡潔に言うと債権者と債務者のどちらにも非がなく目的物等が滅失してしまった場合、どっちがその負担を持つかという論点です。
※なくなった債務について、債務者・債権者が決まる。
例:
出演するイベントがなくなった。
→出演する債務がなくなった。
→演者が債務者、主催者が債権者。
①要件
・双務契約であること
・契約成立後、債務が履行されていないときに目的物が債務者の責任によらない事由で滅失損傷した場合
例:AとBの間でAがBの主催する音楽イベントで演奏する契約を結んだが、当日地震の為イベントが中止され、Aの演奏する債務が消滅した。
この場合、Bの出演料を支払う債務も消滅するとすると、Aは得られたはずの出演料を得られなくなる。つまり、危険をAが負担することになる。Bの講演料を支払う債務が消滅しないとすると、Bは、イベントを開催することができないのに、出演料を支払わなければならなくなる。つまり、危険をBが負担することになる。
※演奏する債務がなくなった。Aが債務者、Bが債権者。
② 債権者主義・債務者主義
危険負担の問題で債務者が危険を負担することを債務者主義(原則)
危険負担の問題で債権者が危険を負担することを債権者主義(例外)
■ 債務者主義(原則)・債権者主義(例外)の要件
① 民法上の原則は債務者主義である。
上記の例では、演者Aが債務者であり危険負担を負う。つまり出演料はもらえない。
② 債権者主義の危険負担
特定物に関する物権の設定又は移転を目的とする双務契約(例:不動産の売買)の場合、債権者主義がとられる。
例:AはBからB所有の甲建物を購入する契約が成立したが、所有権移転登記後、引渡し前に、甲建物が地震により滅失した。
この場合、特約がなければ、債権者A(甲建物を引渡す債務の債権者)は、債務者B(甲建物を引き渡す債務者)に対して、代金を全額支払わなければならない。つまり、債権者Aが危険を負担する。
③停止条件付双務契約における危険負担
1、目的物が滅失
特定物に関する双務契約の場合であって、停止条件が成就する前に目的物が滅失した時は債務者主義がとられる。
上記の例では代金は支払わなくて良い。
2、目的物が損傷
特定物に関する双務契約の場合で立って、停止条件が成就する前に目的物が損傷した時は債権者主義がとられる。
上記の例では代金は支払うことになる。
危険負担はここまで。
請負の危険負担もあるので、併せて学習しましょう。
では次回もよろしくお願いします。