みなさん
こんにちは
今回も引き続き詐害行為取消権を見ていきましょう。
まずは、要件の復習からです。
・要件
① 債権者を害する法律行為があること
② 債務者に詐害意思があること
③ 被保全債権が金銭債権であること
④ 受益者又は転得者が悪意であること
⑤ 債務者が無資力であること
今回は、④⑤を確認していきましょう。
④ 受益者又は転得者が悪意であること
・ 詐害行為取消権を行使するためには、受益者又は転得者の悪意が必要である。
一 受益者が悪意の場合、転得者の保護のため、受益者に価格賠償
二 転得者が悪意の場合、受益者の保護のため、転得者に詐害行為取消権
例:AがBに対して金銭債権を有している。債務者Bは債権者Aを害することを尻上がら唯一の財産である甲土地をCへ売却してしまった。さらにCは、Dに甲土地を売却した。
この場合、
一 受益者Cが悪意、転得者Dが善意だった場合、善意のDを保護するために、債権者Aは悪意の受益者Cに価格賠償を行います。
二 受益者Cが善意、転得者Dが悪意だった場合、善意のCを保護するために、債権者Aは悪意の転得者Dに詐害行為取消権を行使します。
⑤ 債務者が無資力であること
・ 詐害行為取消権は債権者代位と同様、債務者の責任財産を保全するための制度なので、債務者が無資力であることを要する。
・債務者が行為時に無資力でないときは、その後に無資力になっても、詐害行為取消権を行使することはできない。
また、債務者が行為時に無資力であっても、その後に無資力で亡くなった場合も、詐害行為取消権を行使することはできない。
以上です。
覚えるところが多いですが、どこも必ず必要になる知識です。
では次回もよろしくお願いします。