「曖昧のガ、」の話 何度目? | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【33】
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mixi日記2024年02月29日から

 某閉所空間で出た話題。
https://twitter.com/ishigurokei/status/1761770290454114797?fbclid=IwAR2cYxDhqwP8PSJMOTXGaO4M-4EWdNGBCTj3HbOwcFh8L_Ug6JmnI1hGXYk
===========引用開始
石黒 圭
@ishigurokei
逆接でない接続助詞「が」の使用を控えるように提唱したのは、社会学者の清水幾太郎。1959年『論文の書き方』岩波新書で述べている。

「が」の濫用への警鐘は鋭いが、代わりに何を使うかが難しい。「けれども」では「が」と同じ。「なのに」「にもかかわらず」「ものの」どれもしっくり来ずに悩む。 

午前0:09 · 2024年2月26日
===========引用終了

 このポスト?(ツイートとは言わないのか?)のもとになっているのが下記。
 以下、時系列がよくわからない。
===========引用開始
今野良介|編集者
@aikonnor
文章理解を阻害する要因の1つが、順接の「が」。

・私はaiko好きを公言していますが、おすすめは『カブトムシ』です。

・音楽玄人にファンの多いaikoですが、理由の一つはブルーノートスケールが染み付いていることです。

「が」で逆説を予想したところに順接が続くと、微かなストレスを生みます。
午後2:10 · 2022年8月22日 
===========引用終了

 下記は石黒先生のポストの直後か?
「この2例」は今野氏の例文のことだろう。
===========引用開始
Sakino Takahashi
@sakinotk
この2例のような理由や前提の「が」で、なぜ逆説を予想せねばならないのでしょう。
逆説でない「が」は古くから認められている用法ですし、その長短をふまえて使えばよいだけでは? (解説については「悪文」(文庫p133)、「日本語の文法p235)など)。当該部分があいまいなことで、文章がつるっと読めて他の部分がフィーチャーされるのであれば、それもまたよしということにはなりませんか?↓
午前6:18 · 2024年2月26日 
===========引用終了

===========引用開始
aslan
@LomherAslan
·
16時間
「格助詞『が』は主語を表す」などと同様に、順接の「て/で」、逆接の「が」をそれぞれandとbutに対応させ、他の用法を悪弊だとする事で、西洋文法をお手本にしようとした時代の残滓だと思いますね。 
===========引用終了

 非常に興味深い話だけど、あんまり深入りしたくない。
 当方のコメントを回収する。
〈・「が」を使えばいいじゃん、と思う【が】、なんか 問題設定がよくないのではないか。〉は、やり取り中にK氏が書いた例文。これがビミョーすぎて。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用開始
 それは「曖昧のガ、」(「前置きのガ、」 )の話になるかと。アチコチに書き散らかしていて、うまく検索できない(泣)。
【読書感想文『「超」文章法』】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-647.html
===========引用開始
 考えがまとまりきっていないが、「ガ、」には3種類あるようだ。
 この「いないガ、」みたいなのが「曖昧のガ、」。あとの2つが「順接のガ、」と「逆接のガ、」。「順接のガ、」は簡単に順接の文に書きかえられる(書きかえ方はいくつかのパターンに分かれる)。
「逆接のガ、」は書きかえても逆接の形になる。もっとも簡単なのは、「。しかし、」の形(「。だが、」などでも可)。
「曖昧のガ、」は、意味的には限りなく「逆接のガ、」に近い。だが、「。しかし、」に書きかえるとヘンな感じになる。たとえば、先にあげた「曖昧のガ、」を「。しかし、」に書きかえてみる。

 1)一度、「曖昧の〈が〉」をまったく使わずに本を一冊書いたことがある。しかし、息がつまった。
 2)考えがまとまりきっていない。しかし、「ガ、」には3種類あるようだ。

 どちらもシックリ来ない。とりあえずこの判別法で考えていく。
 引用部の例文には、「ガ、」が3回出てくる。
  彼は頭はよいが、→「順接のガ、」(「彼は頭がよく、」ぐらいで問題がない)
  よく使われるが、→「逆接のガ、」
  意味になるが、 →「曖昧のガ、」(書きかえるなら「意味になるかと言うと、」
           ぐらいかな)
 ただし、「彼は頭はよいが、」は例文にあるとおり、「逆接のガ、」の可能性もなくはない。
 ちなみに、「作文の際の留意事項だが、」の「ガ、」は「順接のガ、」。「作文の際の留意事項のなかで」(もしくは「作文の際の留意事項として」)ぐらいに書きかえることができる。
 ウーム。この問題を考えはじめるとキリがない。
===========引用終了

「逆接のガ、」→「。しかし、」に置きかえられる。
「順接のガ、」→「。そして、」に置きかえられる。
 が基本かと。「順接のガ、」は削除できることが多いのでは。

「順接のガ、」を〈「なのに」「にもかかわらず」「ものの」〉などにかえてもしっくりこないのは当たり前でしょう。
 具体例で見ます。
・私はaiko好きを公言していますが、おすすめは『カブトムシ』です。
→私はaiko好きを公言しています。(そして、)おすすめは『カブトムシ』です。
→aiko好きを公言している私のおすすめは『カブトムシ』です。

・音楽玄人にファンの多いaikoですが、理由の一つはブルーノートスケールが染み付いていることです。
→音楽玄人にファンの多いaiko。(その)理由の一つはブルーノートスケールが染み付いていることです。
→aikoに音楽玄人のファンが多い理由の一つはブルーノートスケールが染み付いていることです。

 ちとメンドーなのは
・「が」を使えばいいじゃん、と思う【が】、なんか 問題設定がよくないのではないか。
 これは「逆接のガ、」か「順接のガ、」かわかりにくい。
「逆接のガ、」だとすると……
→「が」を使えばいいじゃん、と思う。しかし、なんか 問題設定がよくないのではないか。
「順接のガ、」だとすると……
→「が」を使えばいいじゃん、と思う。この場合はなんか 問題設定がよくないのではないか。 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用終了

K氏の返信。
===========引用開始
◎「が」を使えばいいじゃん、と思う【が】、なんか 問題設定がよくないのではないか。

これは強いて言えば「順接」だろうけど、「連想・想起」の「が」ですかね。=思うに
「逆接」には思えないと思うんですが、どうでしょう?
===========引用終了

===========引用開始
「。しかし、」などにするとやや不自然なので、「逆接」とはいいにくい。
 自然な書きかえ例を考えるなら……。

・「が」を使えばいいじゃん、と思う【が】、なんか 問題設定がよくないのではないか。
→「が」を使えばいいじゃん、と思う。ただ、なんか問題設定がよくないのではないか(って気がする)。
 ぐらいですかね。
 この「ただ(し)、」は譲歩的逆接と言うか、条件つき逆接と言うか……。
【逆接】の働きもありますが、【説明・補足 】の働きもあって。
【【接続詞(っぽい言葉)の役割──順接/逆接/並列・追加/対比・選択/説明・補足/転換】 【20130314改定版】】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2727.html

 あるいは……。
→「が」を使えばいいじゃん、と【は】思う。(  )少し問題設定をかえる必要があるのでは。【は】は再問題化の【は】?(by大野晋)
 空欄はやはり「ただ(し)、」ですかね。
「とは思うけど、」は反則? 
===========引用終了

 ……こうして正体不明の問題が積み残されていく(泣)。

 

 

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