パチモン辞典のレポート〈15〉でもある。
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【30】
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mixi日記2022年11月30日から
テーマサイトは下記。
【「歯ごたえ」という言葉の使い方ですが、「歯ごたえがある敵」などの言い回しにすごく違和感があります。】
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質問者:あさくら0503質問日時:2022/11/30 04:13回答数:3件
「歯ごたえ」という言葉の使い方ですが、「歯ごたえがある敵」などの言い回しにすごく違和感があります。
色々調べて、使い方としては、上記のような例で問題ないということは分かったのですが、あんまりしっくり来ません。
どうしても、歯ごたえと言うと、歯で噛む = 食べ物 というようなイメージしか湧かないです。
逆に「手応え」というとなんだかしっくり来ます。
「歯ごたえのある敵」よりも「手応えがある敵」の方が正しいような気がしてしまいますが、同じような感覚の方はいらっしゃるのでしょうか?
また、歯ごたえという言葉がなぜ、食べ物以外にも使われるのか分かりやすく説明してくださる方がいればよろしくお願いします!
===========引用終了
質問者は、いろいろ調べたらしい。何を調べたらどう書いてあったのか……それがわからないとコメントしにくい。
調べた結果は「問題ない」のに、どうやら納得できないらしい。それは単なる主観でゴネているだけ、という言い方もできる。
それに対してコメントが……。
No.1、No.2も単なる主観だろう。なぜそう言い切れる。
こういう流れだとコメントしにくい。
No.3はwww.weblioですか。
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なぜちゃんとした辞書を無視して「Weblio日本語例文用例辞書 」のほうを……orz。
No.4でやっとちゃんと辞書をひいたコメントが出た。
これは正規版の日国だろう。
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===========引用開始
精選版 日本国語大辞典「歯応・歯答」の解説
は‐ごたえ ‥ごたへ【歯応・歯答】
〘名〙
① 物をかむとき、堅さを歯に感ずること。
※日葡辞書(1603‐04)「Fagotayega(ハゴタエガ) スル」
② 対象に反応・抵抗などを感じること。はりあい。手ごたえ。
※宝の山(1891)〈川上眉山〉三「水に大太刀、綿に鎹、歯答(ハゴタヘ)なければ其甲斐なし」
===========引用終了
そうか。この記述はすばらしい。
①の意味では17世紀はじめから用例があり、②の意味では19世紀末から使われている、と読み取れる。
ちなみに、パチモンの日国はなぜか用例がスッポリ抜けている。使えないorz。ここまでヒドかったっけ。
こんなに早くから、「歯応え」と「手応え」は同じような意味で使えるらしい。
ほかの辞書もひいてみた。全文は末尾に。ほぼ同様だろう。
それは困った。
個人的には「歯応え」と「手応え」の使い方にはけっこう違いがあると思う。
↓の『デジタル大辞泉』から「手応え」の例文をひく。意味はわかるのだが、うまく表現できないので、語釈もひく。
1 打ったり突いたりしたときなどに手にかえってくる感じ。
「打った瞬間にホームランの手応えがあった」
「確かな手応え」
2 こちらの働きかけに対する好ましい、あるいは確かな反応。
「注意してもさっぱり手応えがない」
「1」「2」も「歯応え」にはしにくいだろう。ここまではわかる。
なぜか、「歯応え」と同様に意味は記載がない。
※意味がわからん。【なぜか、〈「歯応え」と同様〉といった類いの記載がない】ってことだろうか。
一方、『デジタル大辞泉』の「歯応え」を見る。「1」が本来の意味と思われるが、ここで問題にしているのは「2 」のほう。
2 確かな反応があること。手ごたえ。「歯応えのありそうな男」
この記述が適切なら、「手応えのありそうな男」もアリなんだろう。
当方の語感とはかなり違う。
「手応えのありそうな男」か。相当不自然だと思う(状況にもよるかな)。
当方が「歯応えのある」で真っ先に浮かんだのは、数学の問題集。
あまりにも簡単な問題ばかりだと「もっと歯応えのある問題はないのか?」と思う。難問にぶち当たり、なんとか解けたときには「久々に歯応えのある問題だった」と思う。こういう成功体験を積み重ねて「入試への手応え」をつかむのでは。
当方の語感だと「歯応えのある問題」とはいっても「手応えのある問題」とは言わない。ただ、辞書はどれも「歯応え」の語釈に「手応え」をあげているから、OKなんだろう。
いいかえるなら、下記ぐらいでは……。
手応えのある問題→解き応えのある問題、考えがいのある問題
手応えがある敵→倒しがいのある敵、戦いがいにある敵
手応えのありそうな男→文脈しだい
今度は『類語例解辞典』を見る。
確かな手応えを感じる
※これはアリ
手応えのある相手
歯応えのある論文
※これだと違いはないのでは。個人的には「歯応え」と言うべきだと思うけど、世間は「手応え」でもいいらしい。
「手応え/歯応え の使い分け」ものっているが、どう違うのかまったくわからない。
===========引用開始
「手応え」「歯応え」は、本来、物を打ったり切ったりしたとき、または物をかんだときに感じる心地よい抵抗感。転じて、やる気をおこさせるような適度の困難、あるいは、行為に対するよい反応をいう。
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ネット検索もしてみたけど、ロクなもんがない。
【”手応え” ”歯応え”】の検索結果。約 151,000 件
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出典:デジタル大辞泉(小学館)
は‐ごたえ〔‐ごたへ〕【歯応え】 の解説
1 物をかんだとき歯に返ってくる感じ。「こりこりと―がある」
2 確かな反応があること。手ごたえ。「―のありそうな男」
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出典:デジタル大辞泉(小学館)
て‐ごたえ〔‐ごたへ〕【手応え/手答え】 の解説
1 打ったり突いたりしたときなどに手にかえってくる感じ。「打った瞬間にホームランの―があった」「確かな―」
2 こちらの働きかけに対する好ましい、あるいは確かな反応。「注意してもさっぱり―がない」
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手応え/歯応え の解説 - 小学館 類語例解辞典
手応え/歯応え の共通する意味
働きかけに対する反応。
英語表現 a response
国語辞書で調べる 手応え 歯応え
手応え/歯応え の使い方
手応え
▽確かな手応えを感じる ▽手応えのある相手
歯応え
▽歯応えのある論文
手応え/歯応え の使い分け
「手応え」「歯応え」は、本来、物を打ったり切ったりしたとき、または物をかんだときに感じる心地よい抵抗感。転じて、やる気をおこさせるような適度の困難、あるいは、行為に対するよい反応をいう。
===========引用終了
【20221227追記】
手元の電子辞書(精選版)と照合してみた。
なぜそうなったかは知らないが、用例や語誌が抜けているものがかなりある。
全部抜けているわけではないのが意味不明。
用例によって初出がうかがえるのが、日国の最大の特徴と考えていたが、海賊版にはそういう考え方は通じないらしい。
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