下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【21】
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mixi日記2019年05月14日から
テーマサイトは下記。
【時、際の違い】2019/05/14
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===========引用開始
試験問題で択一問題:
1)新幹線にご乗車の時には特急券が必要
2)新幹線にご乗車の際には特急券が必要
の答えは2)のようですが、なぜなのか説明できません。
1)でも全く正しいように思います。
留学生に聞かれて困っていますので、ご教示くださるようお願いいたします。”
===========引用終了
まず結論を書きます。
これ、「試験問題」なんですよね。
留学生の学校のですか? ということは、日本にある日本語学校なんですかね。困りました。はっきり書くと、「トンデモ問題」では。
過去に、主に中国圏で出回っている参考書や問題集のヒドさを散々見てきました。
日本の学校でもこんなレベルですか。
1)でも2)でも「間違い」ではありません。おそらく、問題の作成者が意図した正解は2)でしょう。理由は、作成者が勝手にそう考えたからです。それ以外の理由は考えにくい気がします。それ以上のことは作成者でなければわかりません。
あえて言うなら、「際」のほうが「改まり語」(詳しくは下記)に近いからでしょうか。「時」に比べて丁寧な印象があるので、「ご乗車の時」より「ご乗車の際」のほうが自然に感じます。
繰り返しますが「ご乗車の時」も「間違い」ではありません。 こちらを「間違い」にする理由があるなら教えてほしい。
「電車に乗る時」と「電車に乗る際」の場合は、どちらも自然です。ただ、普段の言葉遣いなら「電車に乗る時」でしょうね。「電車に乗る際」も多少改まった感じかもしれませんが、「ご乗車の際」に比べると丁寧度が低い分、一般的です。
1)でも2)でも「間違い」ではありませんが、どちらがよく使われるのか、ということなら2)でしょう。理由は、「慣例」です。もっともらしい理由をつけようとするなら、ちょっとメンドーな話になります。
おそらく、「際」の使われ方がポイント。一般の国語辞書をひいたが、何もわからない。ご確認ください。
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こういうとき、「際」と「時」の使い分けを知りたいなら、類語辞書をひく方法もある。
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「際」に関する記述だけひく。
===========引用開始
時(とき)/場合(ばあい)/折(おり)/ところ/際(さい)
〔際〕
▽この際、何が悪いかはっきりさせるべきだ
▽お乗りの際は押し合わないように願います
[使い分け]
「際」は、何かが行われる時間を予期した文脈で用いられることが多い。
===========引用終了
これで何がわかるのか。「この際、何が悪いかはっきりさせるべきだ」は「時」にはできない。この理由を考えても本題とは関係ないのでパス。
「お乗りの際は押し合わないように願います」
これは質問文の例文とほぼ同じ。「時」よりは「際」のほうが自然だろう。↑の類語辞典には理由は何も書いていない。
こうなると主観で書くことになる。
敬語の仲間に「改まり語」というのがある。正確には「敬語」ではないので、「準敬語」と呼ばれることもある。正確なことを書いている文献が少ないので、詳しいことは書けない。ネット検索すればいろいろヒットするけど……。
たとえば下記が参考になるが、ちょっとあやしいところも。
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一般に、「改まり語」としてあげられるのは「本日」「明日(みょうにち)」「先ほど」「平素」「このたび」など。「配る」を「配布する」と漢語にかえたら「改まり語」になる……とは思えない。
このように、「改まり語」のしっかりとした定義はないのが現状とは言え、「準敬語」と呼ばれるだけあって、敬語との相性がいい。
「ご乗車の際」
「お乗りの際」
「ご利用の際」
etc.……
「お近くにお越しの際」なんてのもあった。
その程度の理由しかあげられない。だから「トンデモ問題」なんだって。
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