了解/承知 できればこれを最後にしたい | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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 主として日本語関係のことを書いています。

 下記の仲間。 
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【20】 
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964513447&owner_id=5019671 

mixi日記2018年06月18日から 

 下記に続きかな。 
【「了解しました」「了承しました」「かしこまりました」「承知しました」「承りました」〈2〉】 
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12367138407.html 

 テーマサイトは下記。 
【「了解/承知」どっちが正しいとか愚問だからもうやめませんか】 
https://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20180317/comment_E1521214725679.html

 一時期おさまった了解/承知の問題が再燃しているとか。 
 きっかけはテレビ番組らしい。3月13日の『この差って何ですか?』ってテレビ番組らしい。サンキュータツオって辞書マニアのお笑い芸人だと思っっていた。こんなに発言力があるのね。 
 ↑の記事が詳しいがあまりに長い(泣)。書き手は米光一成氏。 
 書き手による要約を転載させてもらう。 

●【問題点1】そもそもデマである 
===========引用開始 
菊池良さんのていねいな追跡記事をぜひ読んでほしい。 
「了解しました」より「承知しました」が適切とされる理由と、その普及過程について 
記事によると、「了解しました」が失礼だという流れは以下のようにして生みだされた。  
===========引用終了 
 飯間浩明氏のツイートも引用している。 
 菊池良氏のレポートでこの話は終わったはずなのに、なぜ蒸し返す。 

●【問題点2】理由が、成り立っていない 
===========引用開始 
サンキュータツオさんは、「了解」が失礼な理由を以下のように説明した。 
了=終わらせる 
解=理解する 
つまり 
了解=話を理解して終わらせる 
である。 
「終わらせる権限があるのはどちらかってはなしなんです」と言う。 
ここで話を終わりだと決めるのは、目上の人なので、 
目上の人から目下の人へは「了解しました」 
目下の人から目上の人へは「承知しました」 
と使うのだ、と。 

(略) 

そもそも、百歩譲って、 
了=終わらせる 
解=理解する 
だとしても、 
「理解を終わらせる」つまり、「すっかり理解しました」と考えるほうが自然だ。 
これを、「理解して話を終わらせる」の意味にとるのは強引だろう。  
===========引用終了 
 熟語をバラバラにして妙な解説をするのはやめてほしい。意味があることはめったにないと思うよ。「馬鹿」と書くくらいだから、「馬」も「鹿」も頭が悪いのだろうか……知らんわ。 

●【問題点3】承知に謙譲の意味があるのか? 
===========引用開始 
番組では、「承知」に謙譲の意味があるという解説もあった。 
「承」が「承る」で謙譲語だからという説明だ。 

だが、謙譲の意をもつ漢字が入っていれば、尊敬語になるというのは誤り。 
たとえば「参る」は謙譲語だ。だが「参加」は謙譲語ではない。 
「参加」が、もし謙譲語だとすれば「参加してね」は相手を下げていて失礼ということになってしまうが、そんなことはない。 
また「承」が入っている「承諾した」に謙譲のニュアンスを感じる人はいないだろう。  
===========引用終了 
「承知」は「承る」が入っているから謙譲語か。じゃあ「了承」はどうする。「ご了承ください」は誤用なのか? 「継承」は謙譲語なのか? 

 

【20240410追記】

 ちょっと補足。

 たとえば「承」には「承る」という意味がある。したがって「承」の入っている熟語がへりくだったニュアンスがあることが多いのは当然だろう。でも「そういうことが多い」だけで、絶対ではない、ってこと。

「承」の入る熟語を並べてみればわかる。

「継承」のほかにも、「承前」「承認」「口承」など、謙譲語とは関係なさそうなものがいくらでもある。

 理由は簡単。「承」には「承る」のほかに、単に「承ける」という意味があるからだろう。「起承転結」に謙譲の意味合いがあるの?

「承知」が謙譲語か否か。ビミョーな場合もありそうだけど、とりあえず、専門家は「違う」としている。

「了解しました」「了承しました」「かしこまりました」「承知しました」「承りました」〈2〉

●【問題点4】偽マナーは脅しだ 

===========引用開始 
もっとも困るのは、ビジネスの現場に、こういった「くだらない偽マナー」が蔓延することだ。 
「了解は失礼だ、そんなことも知らんのか」と怒ってくる人がでてくる。 
そして、不必要な軋轢が生じるのだ。 
===========引用終了 
 ちょっともっともらしいと「偽マナー好き」が飛びつく。「説教好き」も飛びつく。●●がゾロゾロ後についていく。 

●【問題点5】承知と了解は、そもそも意味が違う 
===========引用開始 
「了解した」は、「すっかり理解しました」という意味だ。 
「承知した」は、「依頼・要求などを聞き入れました」という意味だ 
意味が違うんである。 
「了解」は「理解した」ニュアンスが表にでてくる。 
ちょっとややこしい案件をメールしたときの返信は、「承知」より「了解」のほうが、正直安心する。 
「承知しました」とくると、ちゃんと理解してくれるほうがいいんだよなー、って感じになって、ちょっと不安だ。  
===========引用終了 
 このあたりになるとちょっと首をかしげ気味になるけど、これはこれでいいんじゃないかな。 

●【問題点6】過剰な形式的敬意は不要 
===========引用開始 
そもそも、ビジネスの現場に、過剰な上下関係は、まだ必要だろうか? 
とくにビジネスメールで、それいる? 
相手に対する敬意は、やりとりのなかでこぼれ落ちてくるぐらいがよい。  
===========引用終了 
 こうなると主観になっているので何も書きたくない。 
「上下関係」は必要だろう。「過剰な上下関係」は……「過剰」か否かの基準を示してもらわないと何も言いようがない。 

 結論としては不毛なゴタゴタに巻き込まれなかったら、目上には「了解」はやめておこうね、ってことになってしまう。 
 まったく……。

 

 

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