「私は、ヘルシー定食で」の「で」 教えて!goo | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【19】 
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1959556460&owner_id=5019671 

mixi日記2017年10月31日から 

 テーマサイトは下記。 
【飲食店での注文「~で。」という言い方】 
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/10027860.html 

===========引用開始 

1)ランチに出かけたときなど 
Aさん「僕は、日替わり定食。」 
Bさん「私は、ヘルシー定食で」 
Cさん「僕は、唐揚げ定食で。」 

2)一人で牛丼店で 
「牛丼並とお新香で。」 

このような場合には、「~を(ください)。」と言うのが正しいのではないかと思いますが違うのでしょうか。 
「~で」の後には何が省略されているのでしょうか。 

3) 
上司1「うな丼の上」 
上司2「僕もうな丼の上」 
平社員「私は、並で..。」 
私は「並でいいです」という意味で「~で」をつかっているので、これはわかります。 
4) 
「牛丼並。 つゆだくで。」「赤身の握り、さび抜きで」 
これも牛丼だがつゆだくでお願いします、赤身の握りをわさび抜きでお願いします、という意味で理解できます。 
しかし 1)や2)の場合、「~で」を使うのは日本語としておかしいと思います。 

最近のこの「~で」という言い方は日本語として正しいのか、誤っているのか、お教えください。 

===========引用終了 

 大前提として、助詞の話はむずかしい。 
【助詞に関する話】  
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3159.html 

 しかもデの場合は断定の助動詞の「だ」の連用形も絡んでくるのでタチが悪い。 
 質問の場合も〈助動詞の「だ」の連用形〉だろう。 
 通常の形は「私は、ヘルシー定食だ」だろうか。これはかの有名な「ぼくはウナギだ」の形だ(笑)。 

 それを「私はヘルシー定食で」とデにするのは、相当危うい。間違いとは言わないが、俗用に近いような。 

1)オーダーを受けた店員さんの言葉を考えてみる。 
 一人ずつ(なんとなく)手を向けながら(決して指をささないように)……。実施には、こんな言い方はしないだろうな。 
「1人目のかたが日替わり定食で、2人目のかたがヘルシー定食で、3人目のかたが唐揚げ定食ですね」 
 このデの使い方から派生したんだろう。 
「~デお願いします」の省略形ととれなくもない。 

2)「牛丼並とお新香で」 
 妙な言い回しが出てくると、それをさらにひん曲げた形が出てくる(近年はそんなのばっかし)。1人で注文するのに「○○デ」はけっこう異様だと思う。 
 あえて擁護する。 
 店員(たまたま同じタイミングで席についた無関係の3人に対し)「順番にご注文をうかがいます」 
 客A「牛丼の大盛り」 
 客B「僕は牛丼の大盛と卵で」 
 客C「牛丼並とお新香で」 
 このあたりから派生したと考えられるのでは。 

 客Bの発言が「僕は牛丼の大盛り、卵つきで」だと4)になりそう。そりゃ混同するのも無理はないか。 
 これは文法的に解釈すると格助詞で、↓の辞書の〈5 動作・作用の行われる状態を表す。〉になるのか? 
 ちょっと補足すると質問者が書いた3)「並でいいです」も関係しているような。なんとなく遠慮している感じがする(実は非常に失礼な気もするが)。そんな事情もあって、オーダーの後ろにデをつけるのが流行ったのでは。 

 個人的にはかなり気持ちが悪いので使わない。 
「牛丼並とお新香」かな。 何かつけるなら「ヲ」かな。
 店によっては、「ハンバーグランチを大盛りで」とかも使うか。これは4)だよな。 

https://kotobank.jp/word/%E3%81%A7-573220#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 
===========引用開始 
で[格助・接助] 

[格助]《格助詞「にて」の音変化》名詞、名詞的な語に付く。 
1 動作・作用の行われる場所・場面を表す。「家で勉強する」「委員会で可決する」「試験で合格点を取る」 
「やまきの館(たち)―夜討ちに討ち候ひぬ」〈平家・五〉 
2 動作・作用の行われる時を表す。「二〇歳で結婚する」 
「十三―元服仕り候ふまでは」〈平家・七〉 
3 動作・作用を行う主体となる組織・団体を表す。「政府側で検討中だ」「気象庁で光化学スモッグ警報を発令した」 
4 期限・限度・基準を表す。「一日で仕上げる」「五つで二〇〇円」 
「三百騎ばかり―喚(をめ)いて駆く」〈平家・七〉 
5 動作・作用の行われる状態を表す。「みんなで研究する」「笑顔であいさつする」 
「盗人なる心―、否(え)、主、かく口きよくな言ひそ」〈今昔・二八・三一〉 
6 動作・作用の手段・方法・材料などを表す。…を使って。「電話で連絡する」「テレビで知ったニュース」「紙で作った飛行機」 
「この御馬―宇治河のまっさき渡し候ふべし」〈平家・九〉 
7 動作・作用の原因・理由を表す。「受験勉強で暇がない」「君のおかげで助かった」 
「その御心―こそかかる御目にもあはせ給へ」〈平家・二〉 
===========引用終了

 

 

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